続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

D『自転車の車輪』2。

2021-08-04 06:25:03 | 美術ノート

 円、回転するものであることは重要である。動く、回る、巡廻、元に戻る…地球の在り様を縮小すればこんなものであり、ほとんど感じし得るかぎり等しい時空である。
 白く塗られた丸椅子は《空》に置き換えてもいいかもしれない。危うい接続であるが、この存在は太陽がある限り守られている。

 と、考えると、第三者であるこの作品を凝視する(わたくし/デュシャン)は太陽である。この車輪に手を触れる刹那、わたしは太陽になりうる。この関係の心地よさ、この関係の不変にわたしは属している、わたしが世界の中心である。

 この想像、この答えに震撼とする。
 なぜなら、わたしは地球を動かすものであり地球はわたしになり得るからである。

 自転、世界はわたしのエネルギーで動くという小さな発見は秘密である。誰にも言えないがわたしは愉快にこの作品に興じている。独身者の器具、わたしだけの器具である。


 写真は『DUCHAMP』 www.taschen.comより


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