続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

D『ローズ・セラヴィよ、何故くしゃみをしない?』2。

2021-07-01 06:26:12 | 美術ノート

 くしゃみ、発作的に息を吐きだす反射運動。ごく自然に世界のありように反応(反発)してくしゃみをする。世界は鼻をくすぐる刺激に満ちているではないか・・・、と。

 教育された画一的で従順な民衆、みんなが同じ意識の衣をまとっている。はみ出すまいとして同じ顔をして押し合いへし合いして生きている。
「おかしくないかい?」
 型にはまることの安心、型にはまることに慣れすぎていて、みんな同じということを何かの律として勘違いしてはいないだろうか。
 鳥かごの中で約束された平和、鳥かごという遮蔽が見えないのかもしれない。

 戦争や諍いを鼓舞しているのでは断じてない! しかし、同じという暗黙の了解のもと、同じでないものを排除してはいないだろうか。
 この中にいれたイカの甲、でかくて変態でどうしようもなく適合していない。温度計も然り、だって意味ないからね。

 わざわざ拵えた(制作した)角砂糖型の大理石、人の手を加えて画一化された物体の無意味さ、イカの甲も温度計も同列だよ。
 この奇妙な違和感。全体が《クズ》に他ならない。このクズはきっと排除されるだろうね、正常な感覚ならば。

 正常と異常の間に、くしゃみ(刺激)の元を潜ませたことに気づくだろうか。人はみんな違うという(細やかな)提言だよ。


 写真は『DUCHAMP』 www.taschen.comより


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