日高氏大いに語る
画・江嵜 健一郎
日高義樹氏の講演会が12月11日(土)午後2時半から大阪府社会福祉会館501号室で開かれ楽しみにして出かけた。会場は大阪地下鉄谷町6丁目から徒歩10分ほどのところにある。開演15分前に着いた。会場は大阪メトロ谷町6丁目駅から徒歩7~8分の所にある。ざっと150人は入る大ホールが満席だった。席の前の方にはご婦人の姿も結構目についた。
「今回のタイトルは「金四千ドル、トランプ再選、日本不況」です。ここ20年でアメリカはさらに金持ちになりました。その一つに株価です。20年前、NYダウは3,400ドル、日経ダウは4万円でした。今ダウは35,000ドル、日本は2万8,000円です。友達がいますが多くは家を買い、家の値段が上がった。上がった家を売り買った値段の半分で新たに家を買う。そうしてお金持ちになっています。日本はというと低金利、低賃金、低成長です。この先20年、このままだと日本はますます貧乏になり、アメリカはさらに金持ちになります。そういうことに日本のメディアも経済評論家も怒りを表わさない」と冒頭からエンジンがかかった。
話は2時半から3時45分までで、質問の時間が取られ、午後4時半にお開きになった。メモを取らないとまとめが出来ない。帰宅後メモを見たら、「日本は低金利、低賃金、低成長」という言葉が5回出て来た。「アメリカが日本を占領した時、日本が持っていた金を全部アメリカに持って帰った。日本には金はありません。トロイオンス70ドルだった金はいま1,700ドルです。アメリカの年間予算4兆ドルの内半分が税金で残り半分は紙に印刷したお札です。金が将来値上がりするということはドルの値打ちがこの先下がるからです。」と話した。
「日本は一昨年の選挙で安倍さんから菅さんになった。そのあと岸田さんになった。日本は何も変わらない。先日、国会でのやりとりをテレビで見た。野党が「外交的ボイコットにアメリカの圧力がかかっているのではないか」と質問、それに岸田首相が答弁していた。何を質問するのかと思った。日本人は自分自身で考え自分で行動できなくなった。日本はいまやそのレベルに落ちた。問題なのはそんな日本に誰も怒りを示さないことです。」とここでまた日高さんは「日本人は怒りを示さない」と繰り返した。
10人以上の人が次々質問した。「トランプさんと安倍さんが仲良しだからトランプさんになれば安倍さんが復活するのではないか。日高先生のご意見を聞きたい」と質問した。一瞬、答えに困ったように一呼吸置いた日高さんは「トランプさんが次期大統領になるかどうかは政治の世界ですのでわからない。安倍さんはぼんぼんですからねぇ。」と、それ以上答えなかった。尖閣が中国に攻められたらアメリカは日本を守りますかと聞いた。「守りません」と一言だった。バイデンさんが次期大統領を見込んでカマラ副大統領を選んだ。ご意見を聞きたい」と手を上げた。「カマラさんは情報発信力も、行動力もないことが移民問題を担当した時に露呈してしまった。次はありません。バイデンさんも彼が40年の米上院議員生活にただの一度も自分で提案し自分で決めた法案がない人です。来年の米中間選挙では民主党は負けるでしょう。2024年米大統領選はどうなるかとなります。共和党と民主党である州は7票差で民主党が勝った。アメリカの大統領を決めるやり方ではそういうことが必ず起こる。仕方ない部分です。トランプさんが憎まれたことはある。マスコミはトランプを今もたたいている。」と答えた。日高さんは「バイデンさんはアルツハイマーを患っています。3年間もたないとおもいますよ。アメリカは今そんな状態なのです。フクシマ原発事故の際、原子炉がメルトダウンした。米国は即艦隊を日本海へ避難させた。メルトダウンしていないと日本は米国にウソをついた。日本は信用できないことがその時分かった。」と日高さんは話しをつづけた。「アメリカのコロナ対策はどうですか」と聞いた人がいた。日高さんは「製薬会社はやっています。米国政府は何も仕事をしていません。」と答えた。
「尖閣が中国に占領されると台湾が次に攻撃されると思うがご意見を」と聞いた。「習近平さんは毎晩夜も眠むれない日を送っておられるらしいですょ。そのことの方がよっぽど怖いですよ。しかし、中国は台湾と戦争しません。出来ません。やれないでしょう。中国は5万トンの原子力空母を製造中です。アメリアは10万トンの空母を配備しています。それだけではない。中国はアメリカとの差をよく理解しています」と答えた。
「日本の憲法改正についてどう思われますか。」と聞いた。日高さんは「戦争終結の詔勅を天皇陛下が出された。国民のことを考えた行為です。軍人も役人も誰一人日本国民のことを考えた人はいなかった一番の証拠です。20年低金利、低賃金、低成長の日本です。誰も国民のことを考えていないからです。20年先のことを考えるとそのことが一番心配です。」と答えた。「日本が防衛力を増やすことについて聞きたい」と質問した。「自衛隊にいままで講演に出かけていたが行きたくない。国民を守るという根本的なとこらが全くない。大元の考え方から変えていかないと日本としてどうにもならないと思いますよ。」と答えた。
「メルケルさんのあとドイツをどう思われますか」と聞いた。「メルケルさんは中国に熱心だった。今の首相のショルツさんとかいう人は州政府を基盤とした政治家です。ドイツ人はもともとカソリックとかプロテスタントかに限らず宗教的な考え方が基本にある。人権問題もそこから出てくる。ドイツだけでなくヨーロッパとの貿易に中国は今後制約されると思う。本体の中国自身、中国経済の根幹をいままで支えて来た不動産不況がのしかかっている。中国が壊滅状態にあるとまでは言いたくないが相当厳しい状況にあると考えます。」と言い「習さんは毎日夜も眠れないそうですよ」と又繰り返した。本日の講演はあくまで日高秀樹氏お一人の意見である。紙数もあり全て書き切れないが日本人として自分で考え自分で行動するという一人の人間として当たり前のことを改めて教えられた次第である。(了)