水仙
画・江嵜 健一郎
水仙の花が咲く季節になるとお正月が近いことを教えてくれる。ヤフーのブログによると水仙の開花期は12月~3月。原産地は地中海沿岸でスペイン、ポルトガル,北アフリカ。日本水仙は室町時代以前に中国を経由して日本に渡来、南の比較的暖かい海岸近くで野生化し群生が見られる。福井県越前海岸、伊豆下田の爪木崎、兵庫県淡路市の群生が有名と出ていた。
水仙の花言葉は「うぬぼれ」、「自己愛」。水面に映った自分の姿に恋をしてスイセンになってしまった美少年ナルキシスの伝説に由来する。少し長くなるがヤフーの世話になって以下伝説の物語を記載する。
美少年ナルキシスはその美貌により様々な相手から言い寄られるがいつも冷たい態度をとる。森のニンフ(山、川、森、谷に宿る精霊)エコーもナルキシスに恋をしたが相手にしてもらえず、屈辱と恋の悲しみから衰え、ついに肉体を無くし声だけになってしまった。
復讐の女神メネシスは怒り、その呪いによりナルキシスは水面に映る自分の姿に恋をしてしまう。しかし、水の中の像はナルキシスの想いに応えることなく、その恋の苦しみで憔悴し死んでしまった。自己陶酔の人をナルシストと呼び、こだまや反響を意味する森のニンフの名前がエコーの語源となった。
花を描いているといつも元気をもらえる。花の方も自分が描いてもらっているのが分かるのであろうか、だんだん輝いてくるように見えるから不思議である。
魚心あれば水心ということわざもある。魚に水と親しむ心があれば水もそれに応じる心がある意味とヤフーのブログに出ていた。
向かいの森にヤッホーと声をかければ、ヤッホーと応えてくれる。世界中がコロナ感染拡大で人と人の間が益々疎遠になってきている。来年こそは安心してお互い声を掛け合うことが出来る世の中になってほしいと祈るばかりである。(了)