カラ―とガーベラ
江嵜企画代表・Ken
梅雨の晴間、例の阪神青木にある更地の花のパトロールに出かけた。
しばらく通りの人の目を楽しませてくれていたユリの花もさすが散り、
代わって、ユリの足元に植えていたカラ―が、次はわたしの番よと、
言わんばかりに元気よく咲いて来た。
地べたに石を置いて腰をおろしてスケッチしていたら、「カラ―が
きれいに咲きましたね。いつも色々な花を楽しませてもらってますのよ」
と、この日は、珍しく若いご婦人が声をかけて来た。しばしスケッチの
手を止めて花談義となった。
「あれはなんという花ですか?」、と指さした。「むくげ」です、と答
えた。こぼれんばかりにつぼみを一杯付けて、空に向かってせり出して
来ている。
「となりの花は?」と聞いた。「クレマチスです。テッセンとも言います。
二度咲きです。」と答えた。二度咲きするという話は日本画家の猪熊佳子
先生から以前教えてもらった。
カラ―の足元に咲いていたガーベラを入れてスケッチを仕上げた。
ガーベラの並びにはダリアが二輪咲き始めた。梅雨の晴れ間を狙って、
次はダリアをスケッチする予定である。
花をスケッチしていると何もかも忘れるからいい。花からいつも元気を
一杯一杯もらえるので、感謝している次第である。(了)