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産油国の投資復活、石油相場高値安定続くかー学校で教えてくれない経済学

2006-12-22 15:59:25 | 経済学
産油国は原油高騰で得たタナボタの資金を、賢く使うようになりつつあると昨日付けのWSJ紙は直近のIMFレポートを紹介している。

足元の原油相場は暖冬予報を受けて、一時バレル64ドルに突っかけた反動も手伝い、12月21日、NY原油先物市場は、バレル1.02ドル、1.6%値下がりし、62.70ドルで取引された。下げても62ドル台だから原油相場は基本的には高値安定が続いていると捉えることが出来るだろう。

OPEC(石油輸出国機構)は、2006年11月1日からの日量120万バレルの減産に追加して、更なる値下がりを防ぐ狙いから、2007年2月1日から1.9%、50万バレルの減産実施を決定している。

紹介されたIMFレポートの要旨を読むと、産油国が、第一次オイルショックのあとの70年代から80年代にかけての投資がその後の20年近く続いたバレル10ドル台の安値低迷を招き、結果的にはくたびれもうけに終わり、以後、新規投資に消極的になった。

その後中国買い、地政学的リスクを材料に78ドル直前まで暴騰、2006年秋、バレル56ドルまで下げたあと、これ以上の値下がりはなんとしても避けたいとの強い決意から二度にわたる減産発表、現在、62ドル台へ戻してきている。

12月20日、サウジアラビア政府は、2006年の黒字額が、前年比24%、2,650億リヤド(710億ドル)増加した結果、売った国債を買戻し、借金返済に動くと発表した。世界銀行調べによれば、サウジアラビアの国債発行残高は2002年、GDPの97%を占めていたがが、2005年には41%へ低下したとWSJ紙は紹介している。

IMFレポートによれば、サウジアラビアとドバイの投資パターンには差が見られるとしている。サウジは、民間住宅、学校、病院など国内のインフラ投資に力点を置いている。同時にKing Abdullah Economic City 構想のもと、シーポート、金融センター、商業地区の建設も進める。5ヶ年計画ではガス田開発、石油精製設備に700億ドル投資する。

一方ドバイは、摩天楼、巨大ショピングモール、270億ドルをかけて、国際的な観光拠点にするべく、世界最大のホテルふくむ一大レジャーセンター建設計画を発表した。

産油国詣を繰り返す中国。今後も8%前後の成長が期待されるインド。世界の石油需要は中長期的に保証される。産油国の賢い投資の下支えで、原油の高値安定が続きそうだ。(了)

江嵜企画代表・Ken


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