更地に咲いた花・ハブランサス
江嵜企画代表・Ken
台風4号が駆け抜けたあと更地のパトロールに出かけた。台風で一日休んだ、わずか目を離したすきに、ツクツクボウシのようにつぼみが束になってせり出して来ていた姿が、余りに元気そうだったので、大いに絵ごころを刺激され夢中になってスケッチした。恥ずかしながら、花の名前を知らない。ご存知の方は是非教えて欲しいと、後刻話したらハブランサスだと同じマンション在住の知人が教えてくれた。
おそらく鳥の落としものから芽を出したのだと思うが、種がどこからか飛んで来て根づいたのかもしれない。最初の年は一本だけだった。それが年を経るごとに株が増えた。今では球根が地表までせり出すほどに大きくなった。花の色はサンゴ色で、地味な色の花だ。めしべは白、雄蕊は黄色である。この花の寿命はせいぜい2日と短い。花を咲かせてはすぐに散る。数日置いてつぼみが一斉に飛び出す。それを2~3回繰り返してシーズンを終える。そんな花である。
更地では道路際に生えていたダリアの一株が、突風を受けたのか、倒れていた。竹を2本立て、針金で腹巻きをして、体を起こしてやった。2日前、2輪しか花を付けていなかったキキョウが一斉に開花、6輪になっていた。ムクゲのつぼみがほんのり桜色になってきていた。明日にも開花するかもしれない。台風は風を伴うので困る。しかし、雨を降らせてくれるのでたっぷり水分をもらって、植物は一気に成長し、一斉に開花するのであろう。知人の話しでは、ハブランサスは、雨の後一気に咲くことから、レインリリーとも呼ばれるそうだ。
台風5号が接近していたが、温帯低気圧に変わった。ただ、梅雨前線を刺激して、21日は近畿地方も大雨の予報である。植物さんにとっては恵みの雨である。ただ、過ぎたればなお及ばざるがごとし。気象庁が、河川の氾濫、土砂崩れの危険があると警戒を呼びかけていた。(了)