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米雇用統計堅調、ドル118円台、NYダウ気迷い15ドル高ー学校で教えてくれない経済学

2007-03-10 09:23:47 | 経済学
米労働省が、3月9日発表した2007年2月の米雇用統計によると、就業者数(非農業部門)は9万7,000人増え、失業率は4.5%へ1月の4.6%から減少した。米商務省は、同日発表した1月の米貿易赤字が前月比3.8%減の591億1,800万ドルとなった。

NY債券市場は、予想以上に強い米雇用データに反応して、値を下げ、10年物国債利回りは、年4.53%台まで上昇した。このところの株安と住宅価格の下落から早期の利下げを期待する向きがあったが、株から債券への「質への逃避」の流れにブレーキをかけたようだ。

NY為替市場では、堅調な米雇用情勢と米貿易赤字縮小を材料に、一時1ドル=118.30円前後までドルが買われ、再び118円台へ円安が進んだ。一段と円安が進んだ背景には、3月20,21日開かれる米FOMC(公開市場委員会)で、金利据え置きが再確認され、円キャリートレードが復活するとの思惑が強まったと今朝のWSJ紙は紹介している。

NY株式市場では、米景気堅調を伝える2月雇用統計を歓迎して好ダッシュを見せたが、米景気のスローダウンを見越しての利下げ期待と利上げの可能性さえ危惧する見方とが交錯して、気迷い商状の中、前日比15ドル高、12,276ドルで取引を終了した。

NY原油先物相場は、米北東部の気温上昇を材料に暖房用原油の値下りとガソリン相場下落、さらに62ドルの壁を破れなかったことを嫌気して、2.6%、1.59ドル値下がり、60.05ドルで取引された。60ドルを微妙に割りこまなかったところに気持ちがにじみ出ている。

2月の米雇用統計に対する様々な反応が興味深い。エコノミストの多くは、就業者数の9万7,000人増はほぼ織り込み済みだったようだ。ただ、1月のデータが11万1,000人増が14万6,000人へ上方修正されたことと失業率を横ばい予測が0.1%下がって予測がはずれたことに相場は敏感に反応した。

同時に発表された時間当たり賃金が0.4%上がり、17.16ドルと年間で4.1%上昇したこともインフレ懸念、利下げ先延ばしの思惑を生んだ。貿易赤字縮小はドルの買い材料であるが、原油の輸入単価がバレル1.61ドル下がり52.23ドルも影響している。全体では貿易赤字は減ったが、対中国では12月の190億ドルが1月に212億ドルへ増加した。

この日WSJ紙は、米国とブラジルがエタノール協定に向けて、開発、技術、生産、市場全ての面で緊密な連携を進めることを確認したと紹介した。米国は2007年の年頭教書で10年間で350億ガロン(1ガロン=3.8㍑)とぶち上げた。しかし砂糖キビと比べてはるかに生産効率に劣るとうもろこしだけでは対応できない。ブラジルに布石を打ち込むことは米国の戦略であろう。なにかにつけて国家戦略に欠ける日本という国の行く末が心配だ。(了)

江嵜企画代表・Ken

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