冬に逆戻りのような天候だが、空地や道端、日当りの良い林の縁では雪が解けフキノトウが顔をだしている。
アキタブキ(秋田蕗)とフキノトウ(蕗の薹) 別名:エゾブキ・オオブキ・コロコニ(アイヌ語)
■キク科フキ属 多年草 雌雄異株
■分 布:北海道 本州(北部)
■生育環境:低地から山地の林縁、湿り気の多い河川敷、堤防、道端など。
■フキノトウ(アキタブキの花の芽)=生殖器官 雌雄異株
■アキタブキの生残り戦略
●地上部は冬に枯れてしまうが、春一番に「地下茎」からフキノトウと呼ばれる花のつぼみが頭を出す。
フキノトウが受粉してタネを作る。 雄株
雄花
雌株
雌花
●雄株は花粉を虫に運んでもらうと役目を終えて枯れる。
●雌株は花茎を1~2mにも伸ばして種を風に飛ばしてもらう。地下の茎から葉柄を伸ばしたアキタブキは、
夏の間大きな葉を広げ太陽の光をあびて、光合成により根やフキノトウの蕾に来年のための栄養を貯めこむ。
●綿毛を付けた種(6月頃)は、新転地を求め風に飛ばされる。
●新天地で種から育つアキタブキ(独立している)
●アキタブキの栄養繁殖
フキは地下茎をのばし、そこから萌芽して次々と子孫を増やす。
近くに生える数株 ↑ を掘ってみた。
●大きくなると、生殖器官であるフキノトウを地上に立て、種と地下茎の両方で子孫を増やし繁殖力は旺盛なようだ。
現在の場所での栄養繁殖と、環境が生育に適さなくなる事に備え、種を遠くへ飛ばして
新転地を求めるというしたたかな生残り戦略が感じられる。新転地は種子が着地しやすい攪乱を受けたところのようだ。
パイオニアプランツと言って良いだろう。その意味では白老では山菜としての資源はある。 新転地がどんどんできるからだ。
メガソーラーの適地かもしれない。
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ヤナギ、ハンノキ 林床はヨモギ・アキタブキ、
そして、オオアワダチソウに埋め尽くされる。 元の森林に戻るに何百年かかるのだろう。
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■アキタブキの利用
●フキノトウ: 春一番の山菜として、天ぷら やフキノトウ味噌が好まれる。
●フキ: 香や苦みがあり、北海道では山菜として人気がある。
●フキ・フキノトウ共に、発がん性物質が含まれていることが最近わかったという。
良くアクを抜き、季節の風味を楽しむ程度にしておけば大丈夫?
●山菜としての採取上の注意
1番最初に出てくる葉の柄を根元からナイフなどでていねいに切り取る。
2番目以降の葉が光合成して来年また大きく育つ事を願って採らない。
それでも来年は間違いなく今年より小さくなってしまいます。
■アイヌ民族による利用
●薬用; 柄・花茎:ケガをした時、生のまま噛んで付けた。風邪の時煎じて飲んだ。
根: はしかや流行病に熱さましとして煎じて飲んだ。
●食用: 花茎:焼いて皮をむいて食べた。葉柄:焼いて皮をむいて汁の具や漬物にした。
乾燥させて冬季の食糧とした。
●工芸用: 葉:物を包む、拭う、栓や鍋にする、小屋(野宿)や雨衣にする等幅広い用途に利用。
■エゾシカの食料でもあるらしい。
■にわかには信じ難いが専門家によるとヒグマが食べた痕だという。
蟻を食べたりフキノトウの食べ痕を見ると、意外にデリケートな生き物のように感じられる。