ジンチョウゲ科ジンチョウゲ属 開花時期: 4月中~5月 詳しくはこちら
撮影 萩の里自然公園 2011/04/10 萩の里自然公園では主に尾根道で見られます。
■ジンチョウゲ科ジンチョウゲ属 約80センチ程度の雌雄異株の夏落葉低木
低地~低山の林床で、秋から今にも咲きそうな姿で春を待ち、雪解けとともに黄色い花を咲かせる。
花には独特な匂いがあり、花弁に見えるのは萼の先が4片に分かれたもの。
■開花時期: 4月中~5月
■分 布:北海道、東北~北陸
■別 名
①「エゾオニシバリ(蝦夷鬼縛り)」 鬼をも縛り付けることができるほど樹皮が丈夫なことから。
ナニワズはオニシバリに対する長野の方言だとういう…? なぜ「難波津」と書くのかは不明。
②「エゾナツボウズ」(蝦夷夏坊主)夏に一度葉を落とすことから。
撮影 萩の里自然公園 2011/04/10
青い実は、7月中旬から8月頃赤く熟す。
蝦夷夏坊主
8月中旬には葉を落とす。2004/09/14
間もなく新しい葉を展開して、他の広葉樹は葉を落とす秋から冬にかけて、太陽の光を浴びて光合成する。
林下で生きる変わり者?だ。
11月中旬 来年の用意は万端のようだ。
秋から今にも咲きそうな姿で春を待つ。撮影 萩の里自然公園 2007/11/13 凍死しないのは何故だろう。
気温の変化にだまされて咲いてしまう事もある。撮影 萩の里自然公園 2004/11/29
翌年4月上旬に再度開花する。
雌雄異株で雄花(左)は雌花(右)より大きくおしべも大きい。2009/04/10
雄花 雌雄異株とされるがどちらにも雄しべと雌しべがある。雄花の雌しべは最も奥にあり受粉しにくいつくりになっているという。
雌花 雌花の雄しべは花粉を持っていない。
葉も黄色いナニワズ 突然変異? クッタラ湖畔 2006/04/29
アイヌの人々はケトニまたはケト・ハシ(つっぱる・灌木の意)と呼び、毒矢を作るのに利用していました。
蝦夷地を探査し、のちに「北海道」の名付け親となった松浦武四郎は「夏坊主という木は毒草で、アイヌ人は
この木を煎じて汁を銛(もり)に塗り、トド猟に使っているがどんな大きなトドでも一本で死ぬ。」
と日誌に記しています。(北大植物園だよりから)
花の盛りには甘い香りがしますが、全草に有毒成分を含む。
実の毒性についてはわかっていませんが、苦くて食べられません。
(ゆうふつ原野自然情報センター 村井 雅之氏)
誰のために美味しそうな赤い実をつけるのだろうか。
■キンポウゲ科 イチリンソウ属 やや日陰の林内に生える多年草高さ5~15㎝ほどの小さな植物。
プリング・エフェメラル(春植物・春の妖精)
■分布:北海道・本(中部・北部) ■開花時期:4月末~5月
■和名の由来: イチリンソウ属の中でも小さくて繊細な容姿から。名に”ヒメ”がつく植物は小さく可愛らしい気がする。
■繁殖:主要な花粉媒介は多様なハエ類。
■同属のエゾイチゲ (蝦夷一華)は、山地~亜高山の林内に分布するというが白老では見ていない。
花弁のように見えるのは萼片 撮影 萩の里自然公園 2004/05/12
群生する
早くも種子が熟すのを待つ。撮影 萩の里自然公園 2008/05/18
■ユリ科 カタクリ属 多雪地帯の広葉樹林下にしばしば群生する多年草。
プリング・エフェメラル(春植物・春の妖精)
地中深くにある鱗茎から地表すれすれに、肉質の2個の葉を出す。
■分布:北海道・本・四・九 ■開花時期:4~5月
■和名の由来:鱗茎からデンプンが採れかたくり粉といい食べた事からと言うのが有力。
■繁 殖:ハチやチョウにより受粉 自家受粉による種子の形成はほとんど行われない。
原則として鱗茎は分球することはない。種子はアリが運ぶ。カタクリの種子は別名「蟻の実」とも言われるとか。
■生活史:種子から7年位の1枚葉の時期を経た後、2枚葉の個体となりやっと開花する。
花を春に咲かせる準備は前年の秋から始まっており、秋に鱗茎から根を伸ばし、
2月頃には花芽が出来上がっているそうだ。寿命は15~20年という。
カタクリの生活環(小さなカタクリの大きな秘密) 石川幸男 北海道自然観察協議会会報 自然観察84号9ページ)
かつては山菜であったが今は希少種です。
人間による採取や生育環境が失われてきているからだろう。カタクリのレッドデータブック全国マップ
撮影 2007/04/29 白老町クッタラ湖畔
北海道植物図譜(滝田謙譲著)に、「多雪地帯の広葉樹林下にしばしば群生する多年草。
地中深くにある鱗茎から地表すれすれに、肉質の2個の葉を出す。」と書かれています。
なぜ白老や苫小牧にカタクリが無いのか?(クッタラ湖附近は気候的には登別市と同じ)
老は雪が少なく凍結深度が深い(土が深くまで凍る)からだろうか?
種から3~4年経っているのだろうか?
カタクリの先生 石川の植物
「カタクリ」生長観察日記(橋本 章氏)
■アイヌ民族による利用 鱗茎:砕いて水にさらして澱粉を採り、粥にいれる。 葉:茹でて食べた。