朝は雲一つ無い抜けるような青空。
毎朝の天気予報も、今日も暑さの厳しい一日だと予告する。
(朝の空)
オリンピック競技のテレビの画面に、地方版の高温警報の逆Lの枠が出来て、各地の現在温度が流れ出す。
午後になってくると、階下から「雲が出てきたから注意せよ」と声が掛かる。
まだ大丈夫さ、等と思っていると黒い雲に覆われてくる。
用心のため、開けておいた窓を閉めてまわる。
すると、いつの間にか黒雲は移動してしまって、また燦燦と太陽が・・。
この繰り返しが、ここ1週間ばかり毎日続いている。
遙か彼方の山の頂付近では、残った入道雲の残骸が、頭を上げた大男のシルエットのように見えたりする。
雷も雨も降らなかった、大人しい大男だった。
暮れなずむ光の中で、家々もぼんやりしてくる。
その時間帯になると、風も出てきて歩くのには丁度良い。
人影もほとんど見えない、と言うよりいないのだ。
マスクを外し外気を思い切り吸って歩く。
健康のために歩いて、健康を害するなんてナンセンス。
手前の田んぼは闇の中に沈むが、町は人工的な灯りで抵抗する。
遠くに有明海を挟んでいるとは思えないような佇まいの雲仙の山々が見える。
こうして明日も又、雲一つ無い青空が約束される。
明日が立秋とも知らずに・・。