今日は76回目の終戦の日である。
しかも月遅れのお盆という先祖を偲ぶ日でもある。
私にとっては特別な一日でもある。
終戦の日、お盆、結婚記念日の3点セットの日でもあるのだ。
結婚式はもっと後の12月だったが、入籍は8月15日とした。
忘れようにも忘れられない日にしようという、若い時の軽いノリだったような気もする。
しかし、この日は歳を重ねるほどに意味をもつようになってきた。
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正月が冥土の旅の一里塚なら、お盆はもう結構な旅の途中。
父・母・祖父・祖母の順にこの世を去って行った。
兄弟もいないので、次は順当ならば私の順なのだ。
私が生まれる前の父の戦死以降この方、我が家ではずっと戦後が始まっていた。
戦後の継続、これは幸運なことであって、次の戦前よりずっといい。
弟を荼毘にふすために、気をつけの姿勢で焼き場の順番を待つ少年の写真は、見る度に胸が痛む。
歯をくいしばり、裸足のまま気をつけをしてきっと立つ姿勢が健気だ。
生まれた時期が少し違っただけで、これは私だったかも知れないと思う。
一枚の写真が戦争の悲惨さを訴えてくる。
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準備が出来たと相方が階下から呼ぶ。
ン十回目の結婚記念日を安いワインで祝うのである。
自分たちのこと、子供達のこと、そして酔うほどに父母やもっと以前の人々のこと。
そして、自分で生きてきたと思っていた人生が、生かされていたという話で落ち着く。
ワインの瓶が1本空になり、2本目が中程になると少し正気に戻る。
結婚記念日の意味が段々重くなっているのに気づく。
景気づけに、若い頃の歌を口ずさむ。
♪明日があるさ・・・・って、そりゃちょっと楽天的だけど。
性懲りも亡く、風船の絵で締めくくることにする。
「八月が来て反省のセレモニー」・・・・しろ猫