秋の彼岸に入ったので、古里へ墓参りに出かけた。
出かける頃は曇り空で、墓の掃除には丁度良い等と喜んだのだが、着いた頃はカンカン照り。
他にも墓参に訪れた人がチラホラ。
地元にいる親戚の夫婦も来ていて、既に我が家の墓の周りも掃除を終えていた。
後からやって来た老夫婦は、若くして亡くなった私の同級生が眠る墓に花を手向けている。
同級生の奥さんには何度か墓でお会いしたことがあるが、はて。
不審に思う私たちの挙動を読み取って、先方から挨拶に来られた。
ご丁寧に、出身やこの墓との関係などまで話を伺った。
私たちは、墓に誰もいなくなって、線香の煙が無くなるまで墓に残った。
林が直ぐ墓地の横まで迫っているので、火災予防には万全を期すことにしている。
林の木陰や畑の畦などを歩いて、小さな花などを探す。
(露草)
(ヤブラン)
露草やヤブランなどが半日陰の林の縁に咲いていた。
(ゲンノショウコ)
(蕎麦の花)
畑の畦道の脇には、ゲンノショウコや畑からこぼれ落ちた蕎麦の花が咲いている。
ゲンノショウコは、どういう薬効があるのかは忘れたが、煎じたものを子供の頃よく飲まされていた。
あの頃の年寄りは、今の私よりずっと若かったのに、自然のものの薬効の知識が深かった。
怪我、咳、喉痛、下痢、虫刺され、腫れ物など野山は薬の宝庫といった有様だった。
その祖父母も、そして父母も今は墓で眠っている。
いやいや「おちおち眠っておられん」と、心配する声がしたような気もしたが。
「秋彼岸ツクツクボウシお念仏」・・・・しろ猫
法師蝉がまだ鳴いていた。