人生の裏側

人生は思われた通りでは無い。
人生の裏側の扉が開かれた時、貴方の知らない自分、世界が見えてくる・・・

心を読む

2015-01-17 22:02:24 | 回想
人の心が分かる、読めるという超能力の一種とみなされているものが有ります。
所謂読心術ってヤツです。
私はあれを得意顔で披歴したがる人間程、人の心が読めないヤツは居ないと思っているのですが…
何故って、人は誰でも他人から自分の心を覗かれたくないと思うんじゃないですか?
本当に人の心を読める人はそんな事する訳無いでしょう…。
私は以前、ある人から「貴方は人の心が読めるんでしょ!」と決めつけられて当惑した事が有りました。
その人が「僕は人の心が分かるんだ!」と吹聴していたのを聞いた事が有ります。
自分がそうだからと言って、何故そんなこと言うかなあ、と思いましたし、何を根拠にしていたのかもサッパリ分かりませんでしたが…
まあ、生まれつき色々洞察したり、人の心を察知するところはあるかも知れませんが…
私はすぐさま否定したのですが、さらにその人は尚も「いいや、僕には分かってるんだ!隠さなくってもいいじゃないか!」とその読心術を散ら付かせながら食い下がってきました。
そこで私はトドメを差してやろうと思って、こう言いました。
「そのような事はあるかも分からないけど、それは貴方が考えているような事じゃない!」と…
するとその人は何だか急に固まってしまいました。(笑)
私はどうもマズイ事を言った気もしましたが、そこで言わんとしたことは
「気を許したもの同士には得てして、例えば相手のことが自分のことの様に感じられたりするような、有機的な交わりが生まれる事が有るものだ」
という事だったのです。
実はその人と私とは普段全く気を許すことの無い、ギクシャクした人間関係にあって、その時がおそらくお互いが気を許し合えたであろう
唯一の機会だったかも知れません。
彼は実はその時、あることで頭が混乱してるらしく、私に助言を求めてきたのでした。
普段の彼の強気な、高飛車なそぶりからは考えられないような、自分の弱さをさらけ出していたのです。
その時、私が彼に話した通りに、まるで自分のことのように彼が抱えている問題が、自分自身に映って来るようでした。
それは彼が私を信頼していたからだと思います。
私はこれで、彼とは今後上手くやっていけるだろうと思っていたのですが…
後が悪かった!
というのもその後彼がとった言動が私の逆鱗に触れ、「もう、あんな人の気持ちの分からんヤツは居ない!口も訊きたくない!」といった気持ちを抱くに至ったからです。
今から思うと、あれほど重く、ピリピリ人間関係が一度だけでも信じられないような風通しの良さに恵まれた…それは彼の方から心を開いてくれたからだと思っています。

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