人生の裏側

人生は思われた通りでは無い。
人生の裏側の扉が開かれた時、貴方の知らない自分、世界が見えてくる・・・

39年前の1月7日

2018-01-07 12:48:05 | 回想
私はこのブログで、39年前の初頭に一時意識がすぐ遠退いてしまいかねないような不安定な状態に陥り、やがて見えざる導きによってその苦境から脱すると共に、ジンジンと内的な感覚が芽生えるに至った、という経緯を何度も書いていますが、如何にも時系に沿って、そういう経過があったかのごとく書いているものの...どうもそれは私の思い込みであり、事実はしばらく周期的にその両側の状態を繰り返していたのが真相だったようです。
今朝ラジオで「今日の出来事」を寝ながら聴いていた時、電撃のようにその事がアリアリと蘇ってきたのです。
私は記憶力には自信を持っている方だと思っていて、「こりゃ、アテにならんわい」ということを思い知った訳ですが、それでも39年前その日にあったことは克明に覚えていますよi 思い込みで無ければねi?
(以下独白調)

その日は朝からその沈鬱な気持ちをさらに重いものにするように冷たい雨が降り続いていた。
全く外に出ようという意欲など沸いてこない。
何気無しに、買ったばかりの笹目恒雄(紅卍字会の重鎮だったが、この頃は組織から離れていた)著「神仙の寵児」を読む。
大本教出口王仁師からの伝えで、日本と中国大陸に跨がってのある秘密の経倫に携わるも、道中次から次へと魔界からの試みに遇わされる...笹目翁が辿ったような修道の人生は魔境との戦いの連続のようだ...頭の中はますます混迷してくる。
私は今その試みに出会わされている真っ最中なのだろうか?
気分を変えようと今度は、これ又買ったばかりの、前年に物故したシャンソン歌手ジャック.ブレルのLPレコードを聴く。

俺たちの心のときめきに合わせてパリまでが拍子をとっている 出来たらこのままでいたいな(華麗なる千拍子)
春だというのに死ぬのはつらいもんだ でも俺は花にかこまれて、幸せに行くよ(そよ風のバラード)

人生の希望と絶望、生と死とが交錯している...
全く何に心を向けていいのか、心がどこにあるのかも意識されないうちにただ時は過ぎていった ...
やがて日も暮れようとしている...
日が暮れる? ...だが、どうだろう、夕日が部屋の窓越しに差し込んできたではないかi
私はその日初めて光に預かったのだi 日照が終わろうとしている、その時に...
しかも、あれほど私の心身を縮こませていた気温がそれと共に急上昇したではないかi
外には鳥たちが囀ずっている...初めて私に新しい春が開けたようだった。
もうそれまでの自分がウソだったように、何かに押し出されるように外に躍り出ずに居られなくなった。
どういう訳だかただ歩いているだけで、どっからか無性に喜びが沸いてくる...
どこをどう行って、そこに辿り着いたのか全く分からないが、知らない商店街に来ていた。
中野新橋の界隈のようだ。その一角にあった中華飯店で食べた焼そばの旨さが忘れられない。
いつまでもずっとほっつき歩いていたかったのだが、テレビを観なければならないのを思い出した。
ボクシング、具志堅用高の7度目の防衛戦。相手はR.マルカーノ。一年半ばかし前のリマッチだが、具志堅の完勝意外考えられない。
予想通りのワンサイドに打ちまくってのKO勝利。
「描いた通りのボクシングが出来たしゅねー」(具志堅談)
"この兆しに乗るんだi 乗りなさいi 乗れなければ、乗らせてあげようi"
あれは私の思いの幕を超えて光が差し込んだか、どうかは分からないが、確かに沈み行く精神を変えようとする、あるハタラキを感じた最初の一瞬のようだった...。

それから約一月のあいだ、この上昇と下降の周期を繰り返していて、梅の咲く頃、抑えがたい高揚感の中で「もう、あの奈落行きの恐怖はやってこない」という確信が芽生えたのでした。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする