汽車ぽっぽを始め趣味はこのところ公務優先で休止状態が続いております。こんな時は相変わらずシミュレーションモードで楽しもうと思います。 第四弾目の運転室拝見を書きながら考えてみました。
45mmライブスチームはその小型さゆえに運転室の装置は必要最小限になっています。とは言えある程度の機能がなければ蒸気機関車を運転している気分にはなりません。本当はシンプルなものが扱いやすいのですが、ついつい複雑系を求めてしまうのはこの趣味を楽しんでいる仲間のちとひねくれた性格なのかも知れません。(苦笑) かくいう私もこの矛盾を楽しんでいるところです。
前置きはさておき、本日は複雑系の紹介をやってみます。私のところにいる複雑な運転室を持つ機関車は国鉄型C622です。日本で最後に製造された蒸気機関車であるとで知られています。米国や欧州の機関車に比べて機構的、性能的には少々見劣りしてしまいますが、役所が決めた標準化仕様で製造したものなのでこんなところかも知れません。 デビュー当初は特急「つばめ」の牽引機として華々しく活躍したようですが、その終焉期には小樽-長万部間で急行ニセコの補機として使われました。現在は京都梅小路機関車博物館で生きた蒸気機関車として展示されています。 数年前、この機関車を作る機会が幸運にも与えられたので随分楽しんで作りました。作成記録はHomepageをご覧下さい。
作成後の試運転写真です。
この機関車は、これまでのアスター製品と異なり新しい機構を幾つか備えています。この設計が良かったのか悪かったのかこれから評価されていくと思われますが、作る立場から云えば面白い機関車でした。少々凝りすぎていたような気もしていますし、長い期間採用されてきたライブスチーム構造の定石を捨てた設計でした。このことについてもここに書いた記憶があります。
従って運転室も新しい機能を幾つか備えているので操作を覚えるまで戸惑った記憶があります。
随分火を入れておりませんが、何時でも運転OKです。火室扉を開いた状態で写しています。中央横向きの黒いレバーが加減弁です。その裏に隠れた右のボタンが汽笛弁、左側上のダイヤルが通風弁、その左下の突起のあるダイヤルが寒冷期のガス発生を補助する蒸気ヒーター弁、左の黒い回転ダイヤルが逆転機です。 その上にある水平の棒はシリンダーの凝結水を排出するドレイン弁レバーです。これを上下することで作動します。 火室扉下の真鍮部品はガスバーナーです。 この機関車は石炭で運転可能なのでガスバーナーから火床へ換装できます。このため火室の下には石炭殻をキープする灰箱を持っています。灰を排出する底板を開閉するレバーが運転室床板左下にありますが、この写真では不鮮明ですが、次の写真では分かるかも知れません。
以上の説明をもう少し立体的に見るために次の写真を参考にして下さい。
運転室のナンバープレート直下にボイラーの水を排出する排出弁と給水をコントロールする給水弁が見えています。45mm模型でこの有様ですから大ゲージ模型では大変です。 ましてや本物は気の遠くなる数のレバーや操作ダイヤル、メーターがあります。一人前の機関士になることの大変さが分かります。 この模型ですらたまに運転すると確実に操作を間違ってしまいます。(苦笑) まだまだ精進が足らないようです。
駆け足で思いついたことを記述しましたが、いかがてしたか。模型とは云えここまで複雑になると楽しみも倍増します。 機関車に興味のない皆さま、ここまでお付き合いいただいてありがとうございました。
次の日曜日は運転会です。さて何を持って行くかまだ決めかねているところです。