ちょっと長いのですが、タケタクさんのコメントもあったので書きたいと思っていたモバイルタクシーをまとめてみました。 興味ない方はスキップして下さい。 HPネタかも知れません。
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最近報道されている高齢者の事故を聞くにつれ、自家用車の簡便さ、居心地の良さに慣れてしまうと高齢になっても捨てられないものであるとの感を強くしている。 公共交通の不便な地域では尚更であり自家用車は生活の一部である。 この状況のまま放置しておくと自家用の代替手段を求める声は高まる一方、脆弱な自治体財政基盤では地域コミュニティの崩壊につながりそうである。 これは以前から予想されていたものであるが、結局手を打たれることもなく現在に至っているようである。
十年ほど前に当時運輸省のTさん(現高崎経済大学教授)からGPSと携帯電話を使ったタクシーについて画期的な提案を聞かせてもらった。これがモバイルタクシーである。
「自家用の安楽さを経験した我々世代が高齢になったとしてもバスなどの公共交通に戻るとは思えません。それよりもタクシーが自家用と同様に利用できるようになれば車を捨てるのもいとわないでしょう。」
「その実現への技術的な道具立てが整ってきています。モバイルネットワークとGPS付き携帯電話です。」
「あと、定額料金へのタクシー関連法制度の見直しと幾ら使っても定額の通信料金です。」
「更に云えばタクシー会社の頭の切り替えかな。」
趣味性と云うことを除けば、自家用車の利点はいつでもどこでも乗れて、プライベート空間が出来、料金一定(つまり家計の支出一定)ということであろう。 バスなどの公共交通ではなかなか難しい。
タクシーは、運転手付きの自家用車であるが、運賃が幾ら掛かるのか不安、好きなタイミングで乗ることが出来ないと云う課題がある。
当時国土交通省で情報振興関係の重責を担っていたTさんのすすめで勤務していた会社と
横須賀市がタイアップし交通不便地域のシビルミニマム確保のためデマンド交通実証実験に参加しモバイルタクシーの処理モデルを作ったことがある。(平成13年度)
<msnctyst w:st="on" address="横須賀市" addresslist="14:神奈川県横須賀市;"></msnctyst>
簡単に言えば運転中のタクシー位置は配車センターで一括把握されており、同時に把握している依頼したお客様の位置と個人情報もディスプレー上に表示され、そのお客様に最も近接かつ適したドライバーの運転する月極定額タクシーがお迎えに行くという仕掛けである。 併せて被験者にはメール等で役所、病院、銀行、商店街等の情報配信も日常茶飯事になっているという地域モデルで実験したのである。
この実証実験の詳細は国土交通省の資料を参照されたい。
タクシーの走行状態が目視できる配車システムへのタクシー会社の評判はなかなかで、いずれはこの運用が主流になっていくと思われた。
しかしながら、位置補足のために常時通信で生じる青天井の通信料金、GPS処理の稚拙さ、定額タクシー料金の制度上の曖昧さと技術的にも運用的にも時期尚早であることも確認する結果となった。
それから6年経過し、どうやらこの時の課題はクリアされて来たようである。 そろそろ未来を見据えた施策或いはビジネスとして官民で取り込む時期に来ていると思われる。。
当時、Tさんはタクシーの固定運賃乗り放題が可能になれば、固定通信料金の導入がインターネットの普及に寄与したことと同様に設定料金次第ではタクシー利用が大きく伸びる起爆剤になるかも知れぬと云われていた。
ケータイを手に街角でタクシーを呼ぶとその場所へハイヤーのごとく定額料金契約のタクシーが到着するのである。運転手もお馴染みの人にすることも可能である。 黒塗りの車でないと嫌だという向きには、そのような車を選ぶ契約すればいいのである。 リゾートホテルの部屋のシェアのように乗用車をシェアするのである。
まず最初に官公庁や企業が公用車、運転手制度を止めてこのサービスを利用したらいかがであろうか。 その状況を見つつ、個人向けサービスへと拡げていくことでタクシー会社では定額料金契約により経営の安定化を図ることも出来るかも知れない。
自家用車を完全に捨ててモバイルタクシーに切り替えた場合に幾らぐらいの経費を可とするかの試算が欲しいものである。
我が家では二十三区西半分乗り放題であれば月五万ぐらいは出してもいいかな?東京都周辺フリーであればもっと出してもいいかも知れない。まあここしばらく車はカミさんの足なので現実には起こり得ないことである。 が、老夫婦二人、運転をよせという時代には現実味を帯びる話である。(汗)
さて一方のタクシー会社ではどのような試算が出るのであろうか。 この先タクシーは単に不特定多数の乗客を運ぶのではなくコミュニティバスや救急車代わりを担ったりしていくこともありと思われ、視点を変えれば新しいビジネスの核になる乗り物かも知れない。
既にこのような観点でほぼ近いサービスを始めているフットコールのような会社もあるようである。
5年ほど前の陳腐な発想かも知れないが還暦間近になるとこんなサービスも真面目に夢想するようになってくるのである。
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病院での順番待ちに考えてみたものです。いかにも現実的です。(汗)