話題を変えたい気分なので久しぶりに技術もどきの話を取り上げてみます。 いよいよモバイルsuicaのサービスをJR東日本が始めました。思えば1999年後半にモバイルを使って社会インフラを変えていこうという仕事、モバイルソリューションを担当するようになったのですが、当時の目標の一つが携帯を使って切符レス乗車を実現しようということでした。ソニーのフェリカというものが朧気ながら見えていたものの第一線部隊で使うには与えられた条件は貧弱なものでした。携帯そのものの能力も低くセキュリティなどはまだまだでした。 法律的にも切符レスがすぐできるという環境ではなかったと思います。 そのような中で実現したのが京浜急行のモバイル着席券でした。(現、携帯deウイング) 携帯で予約して画面を見せれば必ず着席できるという仕掛けです。今でも京浜急行でサービスされていますが、大がかりな小田急の携帯座席予約サービスに先立つこと3,4ヶ月前で日本で始めてではなかったかと思います。携帯切符への布石であると今は仙台へ転勤した某氏が中心になって頑張ってくれた成果です。 東北新幹線等では東海道新幹線と違って検札に来ることがありません。その仕掛けの一部もグループで取り組んで「はやて」のスタートに合わせて実現しました。 会社を離れた現在、元居た会社がどのような取り組みをやっているか皆目検討つきませんが、いずれにしろJR東日本が具体的な携帯での切符レスシステムを世の中に送り出したことは画期的なことだと思います。これからの進展を大いに期待しています。
実は、この日のために数年前にviewカードに入り、昨年末に携帯を新調していた次第です。(笑) 1/28、早速モバイルsuicaのセッティングをしてみました。パソコンからも設定できるとのことですが、それでは面白くないので携帯から試みました。で、この設定を一言で云うと「難しくて面倒、万人が出来るものではない。」ということです。これでは普及するにはしばらくかかりそうです。一般向けにはやはりEdyと同様のプリインストールが必須でしょう。もちろん各キャリアではその事を予定しているはずですが、設定が面倒なので急激にユーザが増えないと思われるので現状ではこれで良いのかも知れません。(汗) もちろん私は一発で設定を終わりましたけど気を遣いました。
本当に使えるかどうかも気になったので、用を終えた午後、JRに乗ってみました。間違いなく使えたので他人事ながら嬉しく思いました。紛失対策等のマイナーな悩みはさておき、28日は娯楽性を追求していた携帯が社会インフラとしての一歩を踏み出す歴史的な日だと思います。(?) 切符だけでなく公的な世界へインパクトを与えることでしょう。グローバルスタンダードとして動き出したフェリカを国が支援してほしいものです。
と昔の仕事を思い出しつつ書いてみました。しかしながら、ちょっと時間が経過しただけで古ぼけるハイテクよりも、既に究極の技術水準にある蒸気機関や機械式カメラと付き合っている方が安穏な生活を送ることが出来ると思うこのごろです。(笑) 温故知新から何か見えるかも知れません。