何となく薄ら寒い日ですね。作業環境を作るために大きめの金属棚を自分の部屋に入れようと元工場から取り出しておきました。ここまでは楽ですが、これからモノの移し替えをしながら目的の場所へ。いずれにしろ、要らないモノを散らかしすぎです。云われなくとも分かっておりますが・・・(^0^;)
金属棚の上には、LMS Duchessと前々回のCLIMAX 等が展示のためにが乗っていました。
蒸気機関車をこの棚に収納するつもりです。落下防止策が必要です。
昨日の話が英國國鐵(BR)の9F Eveningstar でしたのでもう一つ特殊な機関車を紹介しておきます。
工場の棚に並べていた時の写真です。英國Southen Spamcan です。
ひょんなことで未組立の機関車が私のところに転がり込んできました。見かけは玩具っぽい機関車に見えるのですが、実物は当時のハイテクノロジーを投入した蒸機です。模型化にあたってもその辺りを意識して設計してあります。
実機は弁装置を完全密閉のギアボックスに閉じ込めて潤滑油に浸しメンテナンスフリーを指向していたとのことです。ところが現実には油漏れ動作を伝えるチェーン緩みなどのトラブル続きでメカニックからは不評だった由。結局ワルシャート弁装置に変更して運用されたようです。 模型もこれでは困るのですが、幸いなことに大変巧みな設計で難を避けていました。
この機関車は三気筒エンジンなので弁装置も三組あります。これがバラバラの状態です。これらの部品を磨き出して組立るわけです。
弁装置全体を写したものがありませんが、上の部品をバリを切削し磨き出してスムーズに動くよう組み上げました。ワルシャート弁装置で見る月型のエキスパンションリンクが見えます。三組の弁装置を一体化しボイラー下に逆向きに取り付けます。
丸い輪は、動輪軸に設けた弁用偏心カムに填め込みます。つまり三組の弁の動きはあらかじめ設定済みのカムに従って動作するわけです。偏心カムが正しいのであればこの弁装置の中立点をきちんと決めれば正しい動作をしてくれます。もっとも弁装置部品の精度が設計通りであるのが必須です。その点ではアスター製品の精度の良さに救われます。
勿体ないことにこの複雑な弁装置は、本体が完成するにつれて隠れてしまうのです。難点は注油がしづらくなるため多めにグリスアップしておきました。運転後も見えないのでちと苦労しています。
写真左の飛び出た二つのノズルは通風用、四つのノズルは排気用です。三気筒の排気を一まとめにして排出するせいかドラフト音はなかなかいいものがあります。
或いは排気系を密閉して煙突一本に集中していることが効果を上げているのかも知れません。作業が進むにつれて苦労して調整した部分が次々に隠れてしまうのでちと寂しく思った機関車です。
そして最後はシリンダーへの給気管と給油管を結合して最後の段階に至ったわけです。前方の筒が潤滑油タンクです。
走り装置は、戦争中だったのでスポーク動輪でなく日本と同じボックス動輪なのでちょっと興ざめですが、これがこの機関車の特徴と云われれば納得です。
しかしながら、何故か動輪組立の写真を撮っていませんでした。(^0^;)
最後は運転室です。構成はオーソドックスなものですが、これまでの機関車に無かったものは水位計下の排水弁です。もっともネジが後ろを向いているのは操作がやりにくくて堪りません。ここは横向きであるべきです。
艤装は流線型というか洗車が簡単なようにカバーをしていると云うだけあってあらかじめ小部品を取り付けた外殻を被せてあっという間に組立が終わりました。これは物足りないけど塗装済みのところを傷つけなく終わったので満足です。
以上の完成までの経緯はHomepageをご覧下さい。
本日もザーッと書き殴ったので後ほど見直して修正したいと思います。(ペコリ)