スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

日本シリーズ&重要な点

2007-01-08 22:37:51 | 将棋
 ずっと紹介しそびれていたのですが,昨年11月26日に東京のよみうりホールで指された日本シリーズ決勝を回顧してみます。日本シリーズというのは選抜されたトップ棋士が,公開対局の早指しでトーナメントを行うもので,今年は佐藤康光棋聖と郷田真隆九段が決勝に進出しました。振駒で佐藤棋聖の先手となり,▲7六歩△8四歩▲1六歩△3四歩▲1五歩という立ち上がり。佐藤棋聖の将棋でいえば,暮れの棋王戦挑戦者決定戦第一局のときに後手で用いた作戦を,この日は先手で指していたということになります。以下△8五歩に▲6八飛と振り,△4二玉に▲2二角成としました。22手目,郷田九段の△5四銀はやや不用意だったかも。すかさず▲8八飛とされ,8筋で飛車も交換になりましたが,直後に△8二飛と打たなくてはいけないのでは先手がリードした感じです。この飛車交換は後手から避けることもできましたが,このあたりは公開対局に特有の勢いかもしれません。先崎八段の解説ですと47手目に▲1四歩から攻めていったのはやり過ぎだったとありますが,先手が悪くなったということはないように思います。後手にチャンスがあったとすればその解説の通りに102手目の△4三金上に変えての△8八歩。▲1六玉との交換は先手が得だった感じです。本譜の106手目の△8八歩は最悪のタイミングで,香車を入手され119手目の▲8五香が痛打。以下,142手目の△7三同馬で△4九香成なら難しかった(△4九香成▲6三成桂△同飛▲5二銀と進むのであれば先手が勝ちそうではありますが)ようですが,▲4六歩と打たれてゲームセット。佐藤棋聖がこの棋戦2度めの優勝を飾りました。郷田九段は2年連続の準優勝。一昨年は郷田九段に重大な見落としがあり,短手数での決着だったのですが,この将棋は熱戦で,ライブで観戦された方も大いに堪能できたのではないかと羨ましくもあります。
 明日は和歌山記念2日目優秀。自力型3人がすべて近畿では並びの予想が難しいので前予想は割愛します。

 スピノザによる事物の本性の定義である第二部定義二で,僕が最も重要であると考える部分は,本性というものは,その本性を構成するような事物がなくてはあることも考えることもできないといっている部分です。この点こそが,僕がこの定義が本性の定義として完璧であると考える要となっている部分であり,同時に,この定義を複雑なものにしている部分であるように思います。スピノザは,もしもある事物Aというものがあるときに,あるいはそのAが知性のうちに概念されるときに,それ(X)がなければAがあることも考えられることもできないという条件だけではXがAの本性に属するとはいえないと考えていて,AがXなしにはあることも考えられることもできない事物であると同時に,そのXもまた,Aがなければあることも考えられることもできないという条件を満たした場合にのみ,XがAの本性を構成するということができると考えているのです。そこで僕がこの定理をテーマとして採用した意図に照らし合わせて考えるならば,僕の課題は,この部分がどうして本性の定義として必要なのかということを示していくということになり,それによってこの意図はほぼ達成されるということになると思います。
コメント
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