書き逃げアンドロイド。

副交感神経が優位になるような写真が好き。

○ゴキブリの幸福。

2019年03月08日 12時10分09秒 | 意識論関連
人間としての知能というのは 勝ち負け優劣という生存価に基づいた序列を決定するためのものではない

個人的に「勝った」からといって 社会安全性が高まるわけではなく むしろ利己的な「勝ち」を追求してしまうことによって格差を助長し 結果的に非効率な社会に陥ってしまう原因ともなる

自己の遺伝子を残したとしても何かの役に立つわけでもない

生物学における遺伝的進化というのは あくまで「結果」であって合理性に基づいた意識的「目的」選択が介在しているわけでもなく

遺伝子にこだわったところで一組の配偶関係から産まれてくる子供の遺伝的バリエーションというのは数十億に達するランダムな結果しかもたらすことはなく それもまた自然環境下における遺伝的進化という「結果」に過ぎない

そもそも雌雄配偶というのは 遺伝的進化のかなり初期に組み込まれた変異を促進する構造であって それによって遺伝的進化の速度が加速したわけだが 変異というのは方向性も目的もなく 大量のバリエーションを作り出すことによって環境適応可能な個体が生じる確率が高まるに過ぎない

要するに変異とは確率を上げるだけであって 淘汰圧力による膨大な死滅の屍の上に成り立つ遺伝的進化の構造の一面でしかないのである

もし 遺伝的に才能が決定しているのであれば ノーベル賞受賞者同士をかけあわせるような「栽培」方法によって より知能の高い個体を作り出すことが可能となると考えがちだが 実際には知能というのは遺伝的要因は関係がなく どちらかと言えば主体的好奇心による徹底的な探求心の方が有効である

実際に 誰も思いつかなかったような発明や発見に辿りつく人物というのは 予め遺伝的要因からは全く予測が出来ないし

それは犯罪者も同様である

そもそもヒトという種の生物は ここ数百万年遺伝的にはほとんど進化がないと言われており それはむしろヒトという種の生物は遺伝的進化に頼らなくても 知能による工夫や発明によって自然界の過酷な淘汰圧力から免れることが出来たからである

にも関わらず 「勝ち負け」などという犬の価値観を鵜呑みにして生存価を絶対的だと勘違い錯覚するのは 要するに脳が幼稚なのである

どんなに世間的に成功しようとも 突然急死することは誰にでも起きうるものである

スティーブ:ジョブズもスティーブン:ホーキングも 世間的に成功したからといって死ぬときゃ死ぬのである

隣の家で子供が丸焦げにされていても何も「感じ」なければ それは一種の幸福かも知れないが その幸福は「ゴキブリの幸福」である

私は以前 「生存自体に意義はない」と述べたことが何度かあるが それは個人の人生にとって生存価というものは決して最優先事項などではないという意味であって 生命自体を軽んじているわけではない

むしろ 誰かの幼稚な価値観に基づいた無責任な損害によって理不尽な死をとげるような事態を どのようにして減らすべきかを論じているのであり その過程において自己の生存価にとって不利な選択であっても避けてはならない

文科系哲学者の多くは他人の文面から一部だけを抽出してきて「名言」などと称して有り難がるのが大好きだが

それは論理根拠もなく目先の気分的安心満足を促しているだけであって

深い「考え」に基づいた「理解」ではなく 主観的で身勝手な思い込みに基づいた観念的で一面的な「解釈」に過ぎず

単なる「レッテル貼り」による思考停止に過ぎない



Ende;
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする