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大型動脈瘤治療の最終兵器:パイプライン

2015年12月19日 | 動脈瘤
先日、2名の大型動脈瘤の患者さんに、パイプラインという新しい器具を用いて治療を行いました。
どんな治療器具か、少し説明します。

これまで脳動脈瘤に対しては、瘤(こぶ)の中にコイルを詰める方法が行われてきました。
しかし動脈瘤が大きい場合には、コイルが大量に必要ですし、再発率が高いのが問題でした。また脳神経を圧迫している場合には詰めることで症状が悪化することがありました。

それを解決するために開発されたのが目が非常に細かいステント、パイプラインです。このステントを本幹に置くと、動脈瘤の中への血流が減少し、やがて血栓化して、徐々に小さくなるのです(図)。
これまでは大型動脈瘤に対しては大がかりな開頭手術を行っていましたが、小さな管一本で直るようになったのです。画期的な治療ですね!

最新技術によって、それまで難治とされていた患者さんが低侵襲な方法で直るようになっていく。本当に素晴らしいことです。
兵庫医科大学では、今後、この治療を推進していく予定です。

ご質問、ご相談希望の方は下記から相談メールをお送り下さい。
http://www.e-oishasan.net/site/yoshimura/index.html
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