雀の手箱

折々の記録と墨彩画

友を送る

2011年06月05日 | 塵界茫々
 高等女学校の同窓生がまた一人旅立ちました。

 地元に生まれ育ち、生涯移動することのなかった人です。熱烈な恋物語の語り草だったご主人が3年前に先に逝かれ、ご自分も舌にできた腫瘍を摘出して、発音が不明瞭になるのを嫌がってこの2年は同期の会合にも欠席でした。
 もともとは小柄の体ながら積極的な行動派で、私達の間では一番早くに車の運転免許を取得しておられました。

 同窓会のお世話も地元在住ということもあって、期の幹事を引き受け、長く会報の発行に携わって、煩わしい雑務を誠実にこなしておいででした。
 三人のお子さんも、立派にそれぞれ適切な方向付けで、お孫さんたちに囲まれて目を細める姿を見かけたこともあります。

 告別式には久留米や博多からも参列者があり、ミニ同窓会の様相でした。

 心をこめて、同窓生としてのお別れの言葉を贈り、長い間のお世話に対し「ありがとうございました」と感謝の言葉で締めくくりました。
 これからはこうした同年の友人達との別れが否応なしに重なることでしょう。次第に向う岸のほうに友人が多くなるようです。



 庭に咲いている花のなかから、友への供花のつもりで白い花だけを選びました。
シモツケは盛りを過ぎてしまいましたが、チンシバイはこれからです。