九州歯科大へ定期の検査に出かけたついでに、小倉城庭園出開催中の「印籠とたばこ入れ」展に立ち寄りました。
ここは寄るたびに、小笠原流の礼法に関しての季節ごとの展示に教えられることが多いのですが、今回は正月に関しての武家の礼法や祝い膳に目新しいものがありました。
印籠とたばこ入れは、いまは漆と根付制作に励んでいる娘の話についていくためもあって、「粋な男の洒落小物」の惹句を見せてそそのかし、連れ合いも誘っての見学でした。
展示は175点ほどで、掛川市二の丸美術館所蔵のものが中心で構成されたこじんまりとしたものでした。
今や肩身も狭くなった紙巻きたばこの殺風景とは違い、たばこ入れが男たちのステイタスシンボルでもあっただけに、“総合芸術”といわれる所以ももっともと納得しますが、それにもまして、江戸の職人達の工芸技術の技の高さとしゃれたセンスには目を見張るばかりでした。今の時代には已に不可能ではないかと思えるような卓抜した贅を尽くした細工のかもす異空間にほのぼのと満たされる思いで会場を後にしました。