雀の手箱

折々の記録と墨彩画

「伝説の花 戸畑あやめ」

2010年02月16日 | すずめの百踊り
 15日の朝日新聞夕刊に署名記事で「戸畑あやめ」の記事が出ていました。

 かつて北九州戸畑に自生し、他の地域ではみられないアヤメについて、新種であることが国立科学博物館によって確認され、戸畑にちなんだ学名がつけられたことを報じていました。その名もトバタエンシスと命名されたそうです。

 新聞からの引用ですが、西日本に分布するエヒメアヤメに似ているが花の形状が異なり、中国や韓国の文献にも見当たらないことが判明したので、「戸畑のアヤメの変種」という意味の「イリス・サンギニア・バラエティー・トバタエンシス」と名づけ、和名を「トバタアヤメ」とした。と記されています。
 このアヤメはわが家の玄関脇に地植えしています。保存活動をしている知人にいただいたものです。もう、数年になりますが余り増えないようですが、枯れもせず寒さにも強いようです。記事をきっかけに覗いてみましたら、今は1センチほどの細い芽を出していました。
小さなアヤメです。草丈は15センチくらい、上品な小型の花は紫で葉の影に隠れるように低い位置に咲きます。寒あやめの咲き方に似ています。

 エヒメアヤメは「誰故草」という優雅な名前をもっている草丈の低いアヤメですが、こちらは葉脈がくっきりと3本筋を通していて、咲くのが4月です。戸畑あやめのほうは葉脈は見わけにくく、花も5月です。
 「誰故草」のような名前がないのを惜しんでいましたら、友人が昔は「小沢見野の小杜若」と呼んだのだと教えてくれました。明治の終わりごろには自生を見かけなくなり、絶滅したものと思われ、伝説の幻の花とされていたのが、ある農園で見つかり、熱心な保護活動をなさる常守和明さんの努力で今では地元の公園や学校でも栽培され、鑑賞会なども開催されています。
 今は花の季節ではないので、北九州市のホームページから写真をお借りしました。

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