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浅野秀弥の未来創案
【大阪に三位一体教育を】
2015年12月15日
競争原理では子ども育たぬ
中国に抜かれたとはいえ、世界第3位の経済大国・日本。そのわが国の再興に一番大切な事は歴史と文化を中心とした日本人としての心の教育だ。礼節を重んじ、真・義・忠をもって相手を思いやる魂の教育の実現だと思っている。
昨今の学校教育では教育者そのものが「心ある教育とはいかなるものか?」を十分に分かっていない。また詰め込み教育世代の「親自身もそうではないのか?」と首をひねることが多々ある。昔は地域社会にコミュニティーがあり、地域全体が子供を育ててくれたと言っても過言ではない。学校と保護者だけでなく、地域社会も加わった三位一体の体制が整っていた。
自治体も加わった大阪の地域コミュニティーが、政治家により希薄になっている。三位一体型の教育を知らない教師や親の組み合わせでは、“人の心”を教えることの大切さがまるで理解できない。
実社会の単純な競争原理を持ち込んでも、教育を通じて心は育たない。かつて日教組は教育現場で極端な平等主義やゆとり教育などを推進しさまざまな弊害を引き起こしたが、今の大阪府や大阪市の教育行政のやり方はそれ以上に問題がある。一般社会の市場原理を公立学校に持ち込んだ公募校長の体たらくは枚挙にいとまがない。まず、地域社会が一体となって子供を育てるため、コミュニティー中心の体制を再構築すべきだ。
教育問題の難しさは、当該の世代の子どもを持たない世帯は総じて関心が薄いことだ。しかし教育委員の構成や、現場教員に対する指導助言、各種学力テストの取り扱い方を見ていれば、子どもの個性を伸ばしてやりつつ学力を引き上げられる体制が十分整っているのか否かはおのずと見て取れる。
「信なくば立たず」という。口先だけではない、府民市民に対する地道な対応こそ、将来を担う子どもたちに必要な施策といえる。大阪府と大阪市の住民はこれから4年間、大阪維新の会の首長に教育行政を委ねた。将来に禍根を残さぬよう、有権者はしっかりと監視の目を光らせなければならない。
あさの・ひでや(フリーマーケット=FM=社社長、関西学生発イノベーション創出協議会=KSIA=理事長)1954年大阪市生まれ。わが国のFM創始者で日本FM協会理事長。関西経済同友会幹事。数々の博覧会等イベントプロデュースを手掛ける。
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