今年は、3月17日がお彼岸の入りで今日が、お彼明けです。
浄土宗や日蓮宗のお家では、お彼岸の入りのお迎えする夕方と仏御先祖様が、お帰りになる本日の夕方にお仏壇に白玉団子に砂糖入りの黄粉を付けてお供えします。
国産の餅米が、高く国産米100%の白玉粉が少なくなっています。
米価を正常化させる「特効薬」はこれしかない
米の高値が継続し、スーパーで5㎏4000円にもなっている。だいたい一合あたり150円ほどになる。
現在の5㎏4000円、1㎏800円という水準を海外各国それぞれの標準的な米と比べると、韓国では、1㎏が300円、中国では130円、タイでは75円であって、日本の米価は国際価格の数倍から10倍である。
近年は米余りであるにもかかわらずこの高値になっているのは、トイレットペーパー騒ぎに通じるものがあるが、政府のやっていることも、是が非でも正常化させたいというわけでもなさそうで、もしかするとバブルが膨らんで破裂、つまり
原因については、諸説あるが、まず、日本の米についての政策をざっと説明したい。

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戦争中の1942年に食糧が不足していたので、食糧管理法(食管法)が創設され、政府が生産者から米を高めで買い入れ、消費者へ安く販売する二重価格制をとっていた。
しかし、在庫米を抱え財政赤字が拡大したり、品質による価格差が小さかったことから矛盾が拡大し、自主流通米という良質な米の流通制度ができたり、多すぎる生産を抑えるために、減反政策を実施して、政府が買い上げる米の量を減らそうとして維持したが、1995年には廃止された。輸入はほぼ行っていなかった。
ただ、米余りの状況にかわりないので、他作物への転換を奨励する制度は残っている。また、1990年代には、海外から市場開放の圧力が高まり、1995年のウルグアイ・ラウンド農業協定で米100%自給に小さな穴が空いた。
米のミニマム・アクセス数量を設定し国内消費量の4%、現在では約8%を関税ゼロで輸入し、反対に、それを超える分については、精米で5kgあたり1,705円の関税を取っており、約778%に相当し、ほとんど禁止である。
この制度は、工業製品などで不利な要求を呑んだ代償に認められたもので、そういう意味では、日本産業没落の原因の一つである。
かつて沖縄返還交渉では、「糸を売って縄を買う」、つまり、沖縄を返してもらうために繊維産業をアメリカに売ったと揶揄された。それに対してウルグアイ・ラウンドでは、「産業を売って米を買う」、つまり、国際価格の数倍から10倍の米を食べ続けるために、自動車や半導体産業を犠牲にしたわけである。
馬鹿馬鹿しい話だが、私もパリで同じく政治的に農業を守らなければならないフランスの官僚と、互いの農業に不利な協定が成立することを遅らせるために、あれやこれや工作していたのである。
余談だが、このころ、米国大使館はフランスの動きを封じようとして、フランスの高官に女性スパイを近づけて、文字通り金とセックスで籠絡しようとして通報され(フランスの官僚はそういう誘いを受けた時は公安に通報する義務がある)、国外追放された。
米の自給を守るためだから何が悪いという人もいるだろうが、日本の農業でも、もうすこし国際競争にさらしたら、国際価格の2倍程度で米作りはできると思うのであって、過保護が日本の農業をダメにしたのだと思う。
減反政策は、これをとらなかったら、財政赤字のみならず、米そのものが大量に余り、もしそれを輸出などしても国際価格との差が大きいので大赤字になり、また、米の輸出国から不正だと批判されることになるので、結局、せっかく作った米を廃棄するしかなくなったはずで、それを避けるために、緊急避難として採用されたもので、この制度を批判するのは馬鹿げている。
現在では、上記の輸入抑制策で輸入は厳しく抑えられる一方、国内の取引はほぼ自由化され、品質によって大きな価格差が出ている。
また、他作物の優遇はある程度は行われて米の増産は抑えられているが、それでも、輸入障壁で手厚く守られているから、基本的には米余りである。
今回も昨年の気候不順がきっかけで価格が上がり、それに消費者のパニック買いや、業者の買い占めなどが重なって、春になっても高値が続いている。
これはいわゆるバブルで、「まだまだ上がる」と消費者と流通業者が思っているので起きている現象で、いずれ暴落投げ売りになるはずである。
政府は高級米を日本食用などに輸出を奨励している。これをとりあえず止めろという人もいるが、米余りの基調に変化がない以上は、輸出市場の開拓の手を止めることは愚策である。また、インバウンド観光客も米を消費するから迷惑というヘイト的議論もあるが、量的にも微々たるものであり、しかも、彼等の落とす外貨は日本経済にとって不可欠なもので海外からの食料輸入にだって当てられるものだ。
それでは、ほかの主食と米の値段を比べると、レトルトのご飯と食パンを比べるのが公平だろう、サトウのごはんは、276kalで141円。ヤマザキ・ロイヤルブレッドは1枚169kalで30円であるからパンの方がカロリーあたり圧倒的に安い。生活防衛にはパン食を増やすべきである(価格はAmazon)。
余り意味ないと思うが、白米と比較すると、米150グラムで571.2カロリーであるから、レトルトのご飯276kalは米75グラム分くらい(米の値段は60円)であるので、米を炊く手間や設備費・電力費・食器洗いの手間を除いても、同じ値段の食パン2枚が328kalであるので、パンの方が料理しない白米よりも安い。
つまるところ、この長きにわたる高米価の原因は、日本人の米の消費に価格弾力性がない。つまり高くても需要が減らないことにある。そうであれば、米価を正常化させるためには、国産米の需要をすぐに控えるようにするべきである。
まず、石破総理が、米の消費を減らそうと呼びかけるべきである。「私も、お結びを頬張るのは大好きだが、しばらくは、これまでより一日に一食、ご飯をやめて、パンや麺類、あるいは芋類や炭水化物抜きの食事にしましょう」と宣言すればいいのである。
上記のように、米だけでもカロリーベースでパンより価格が高いのだから、庶民が困るわけでない。またタイ米などを輸入して食べることも、エスニック料理を食べ慣れた現代人は、1993年の日本人ほどは嫌わないと思う。
さらに、たとえば、給食など政府が介入できるところで、ご飯を減らすべきだ。日本人にご飯を食べるなとか、タイ米を食べさせるなとか言う人がいるかもしれないが、米を日本人が食べ続けるためにも、足らないときには消費を控える柔軟性があった方が長続きするに決まっている。