本日はイギリスの作曲家レイフ・ヴォーン=ウィリアムズの作品を取り上げます。ヴォーン=ウィリアムズについては以前に代表曲の「タリス幻想曲」「グリーンスリーヴス幻想曲」「揚げひばり」を本ブログでも取り上げました。民謡や古楽を題材にイギリスの田園風景を思わせるような透明感あふれる曲調が持ち味ですね。一方でヴォーン=ウィリアムズは生涯で9曲もの交響曲を残し、交響曲の分野にも相当力を入れていたようですが、本国イギリスはともかく海外での人気はそれほど高いとは言えません。CDも古くはエイドリアン・ボールト、最近だとロジャー・ノリントン、アンドリュー・デイヴィス等イギリスの指揮者のものが中心です。今日ご紹介するCDはアンドレ・プレヴィン指揮で彼はイギリス人ではありませんが、本盤でもタクトを振るロンドン交響楽団の首席指揮者を長く務めたので英国ものはお手の物ですね。
曲は4楽章形式で第2楽章のみスケルツォで毛色が少し違いますが、他の楽章は全ていかにもヴォーン=ウィリアムズと言った感じの透明感あふれる気高い感じの曲調です。同じようなテンポが続くので起承転結には乏しく、ドイツやロシアのロマン派音楽のようなわかりやすい「ツボ」がありません。なので最初は正直退屈ですが、何度か聴くうちに各楽章に静かながらも盛り上がるポイントが見つかってきます。中でも第4楽章の3分過ぎから始まる盛り上がりは感動的です。
このCDには他にもヴォーン=ウィリアムズが「エリザベス朝のイングランド」と言う映画のために書いた音楽から3つの楽曲。そしてバス・チューバ協奏曲が収録されています。前者は特筆するほどの曲ではありませんが、後者は12分強の小品ながらなかなかの魅力的な作品。そもそもチューバを主楽器とした協奏曲自体が激レアで、実際この曲自体が歴史上初めてのチューバ協奏曲だとか(現在では他にも映画音楽で有名なジョン・ウィリアムズの作品等があります)。チューバは重低音を司る金楽器としてオーケストラには欠かせない存在ではありますが、音的にはボッボボッボと鳴るだけですのでソロには明らかに不向きですよね。ところがヴォーン=ウィリアムズのこの曲は重苦しくドラマチックな曲調にチューバの重低音がうまくマッチしていて得も言われぬ魅力を醸し出しています。ソリストはロンドン交響楽団でチューバ奏者だったジョン・フレッチャーと言う人でヴォーン=ウィリアムズのこの曲を吹かせたら世界一と言われていた人だとか。確かに第3楽章のチューバとは思えない高速パッセージなどは素人でも凄さがわかります。腹に響くボッボボッボとオーケストラとの不思議な融合が耳について離れません。
曲は4楽章形式で第2楽章のみスケルツォで毛色が少し違いますが、他の楽章は全ていかにもヴォーン=ウィリアムズと言った感じの透明感あふれる気高い感じの曲調です。同じようなテンポが続くので起承転結には乏しく、ドイツやロシアのロマン派音楽のようなわかりやすい「ツボ」がありません。なので最初は正直退屈ですが、何度か聴くうちに各楽章に静かながらも盛り上がるポイントが見つかってきます。中でも第4楽章の3分過ぎから始まる盛り上がりは感動的です。
このCDには他にもヴォーン=ウィリアムズが「エリザベス朝のイングランド」と言う映画のために書いた音楽から3つの楽曲。そしてバス・チューバ協奏曲が収録されています。前者は特筆するほどの曲ではありませんが、後者は12分強の小品ながらなかなかの魅力的な作品。そもそもチューバを主楽器とした協奏曲自体が激レアで、実際この曲自体が歴史上初めてのチューバ協奏曲だとか(現在では他にも映画音楽で有名なジョン・ウィリアムズの作品等があります)。チューバは重低音を司る金楽器としてオーケストラには欠かせない存在ではありますが、音的にはボッボボッボと鳴るだけですのでソロには明らかに不向きですよね。ところがヴォーン=ウィリアムズのこの曲は重苦しくドラマチックな曲調にチューバの重低音がうまくマッチしていて得も言われぬ魅力を醸し出しています。ソリストはロンドン交響楽団でチューバ奏者だったジョン・フレッチャーと言う人でヴォーン=ウィリアムズのこの曲を吹かせたら世界一と言われていた人だとか。確かに第3楽章のチューバとは思えない高速パッセージなどは素人でも凄さがわかります。腹に響くボッボボッボとオーケストラとの不思議な融合が耳について離れません。