ハードバピッシュ&アレグロな日々

CD(主にジャズ・クラシック)の感想を書き留めます

アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ/ジャズ・コーナーで会いましょう

2012-11-15 23:45:31 | ジャズ(ハードバップ)

本日はモダンジャズを代表するグループであるジャズ・メッセンジャーズを取り上げます。ジャズ・メッセンジャーズについてはあらためて説明するまでもないですよね。1954年に結成されて以来、30年以上に渡ってモダンジャズを代表するグループとして活動してきました。リーダーのブレイキー以外のメンバーは流動的ですが、各時代の才能ある若手ミュージシャンを起用し続けることにより、常に新陳代謝を繰り返しながら質の高い演奏を提供し続けてきました。今日ご紹介する「ジャズ・コーナーで会いましょう」は1960年の録音。当時のメンバーはリー・モーガン(トランペット)、ウェイン・ショーター(テナー)、ボビー・ティモンズ(ピアノ)、ジミー・メリット(ベース)そしてアート・ブレイキー(ドラム)となっています。ちょうどジャズの趨勢がファンキー・ジャズからモードに切り替わる頃で、ジャズ・メッセンジャーズ内においても前年から参加したショーターがグループのサウンドに微妙な変化をもたらしています。とは言え、本作ではモーガンとティモンズの存在感が顕著なため、まだまだファンキー色の方が強いですね。



アルバムは当時“世界のジャズコーナー”と呼ばれた伝説のジャズクラブ、バードランドで録音されたもので、名物MCピー・ウィー・マーケットによる例のHow about a big hand!の呼び掛けで華々しくショーの幕が開きます。全8曲、80分を超えるボリュームですが、決して中だるみすることなく最後までテンションを維持するのはさすがの一言。縦横無尽に暴れまわるリー・モーガンのトランペット、ソウルフルで粘っこいティモンズのピアノ、独特のうねうねしたフレーズを繰り出すショーターのテナー、そして迫力満点の御大ブレイキーのドラミング。まさにこれぞジャズの醍醐味です。曲はどれも甲乙つけがたいですが、冒頭を飾るキャッチーな名曲“The Opener”、モーガンとティモンズのファンキー節が炸裂する“What Know”、モーダルな香りも漂う“Night Watch”あたりがお薦めでしょうか。ただ、個人的イチ押しはスタンダード曲の“The Breeze And I”と“The Things I Love”。ポップな原曲をファンキーかつモダンにアレンジした名演です!

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