前回に引き続き、スティープルチェイスからの1枚をご紹介します。北欧デンマークで生まれた同レーベルですが、売りにしていたのはどちらかと言うとアメリカから移住してきたミュージシャン達。デクスター・ゴードン、ケニー・ドリュー、デューク・ジョーダンらがレーベルの“顔”でした。ただ、同レーベルにもヨーロッパ人で主力として活躍したジャズマンが2人います。1人はデンマーク出身の世界的ベーシストであるニールス・ヘニング・ペデルセン、もう1人がスペインのバルセロナ出身のテテ・モントリューです。テテは生まれながら目が見えませんでしたが、同じく盲目の天才ピアニストであるアート・テイタムに憧れてジャズピアノを習得。1960年代からリーダー作を発表し始め、70年代以降スティープルチェイスに10枚を超えるリーダー策を残しました。本作は1974年5月に残された彼のリーダー作で、タイトルは出身地であるカタルーニャ地方からとったものです。メンバーはベースが前述のペデルセン、ドラムがアルバート・ヒースです。アルバートはヒース3兄弟(お兄さんがMJQのパーシー・ヒースとテナー奏者のジミー・ヒース)の末弟ですが、彼もこの頃北欧に移住していたのでしょうか?詳しいことはわかりません。
曲は全7曲。まずは歌手のブロッサム・ディアリーが作曲した“Sweet Georgia Fame”から始まりますが、この演奏が素晴らしいの一言。イントロの1分近いカデンツァの後、ベースとドラムが絡まり、そこからテテが目の覚めるような素晴らしいソロを繰り広げていきます。大袈裟でなくこのアルバムはこの1曲だけで購入の価値ありと言って良いでしょう。他はテテの自作曲“Blues For Perla”、チャーリー・パーカーの“Au Privave”もドライブ感抜群の演奏です。テテの縦横無尽のピアノソロはもちろんのこと、ペデルセンの骨太のベース、ヒースの煽り立てるドラミングもさすがです。一方、いわゆる歌モノスタンダードは個人的には若干くどい。“Falling In Love With Love”“Old Folks”“Body And Soul”とよく知られた曲ばかりですが、テテがちょっと張り切って“弾き過ぎ”てるんですよね。超絶技巧なのはわかるのですが、ちょっと聴いててお腹一杯になります。ただ、繰り返しますが、“Sweet Georgia Fame”は本当に素晴らしいので、是非ご一聴あれ。
曲は全7曲。まずは歌手のブロッサム・ディアリーが作曲した“Sweet Georgia Fame”から始まりますが、この演奏が素晴らしいの一言。イントロの1分近いカデンツァの後、ベースとドラムが絡まり、そこからテテが目の覚めるような素晴らしいソロを繰り広げていきます。大袈裟でなくこのアルバムはこの1曲だけで購入の価値ありと言って良いでしょう。他はテテの自作曲“Blues For Perla”、チャーリー・パーカーの“Au Privave”もドライブ感抜群の演奏です。テテの縦横無尽のピアノソロはもちろんのこと、ペデルセンの骨太のベース、ヒースの煽り立てるドラミングもさすがです。一方、いわゆる歌モノスタンダードは個人的には若干くどい。“Falling In Love With Love”“Old Folks”“Body And Soul”とよく知られた曲ばかりですが、テテがちょっと張り切って“弾き過ぎ”てるんですよね。超絶技巧なのはわかるのですが、ちょっと聴いててお腹一杯になります。ただ、繰り返しますが、“Sweet Georgia Fame”は本当に素晴らしいので、是非ご一聴あれ。