ハードバピッシュ&アレグロな日々

CD(主にジャズ・クラシック)の感想を書き留めます

ハイドン/交響曲第96番、第97番、第98番

2018-07-24 22:53:48 | クラシック(交響曲)
ひさびさの更新はハイドンです。ハイドンは「交響曲の父」と呼ばれ、生涯に104曲という膨大な数の交響曲を残していますが、あまりにも数が多すぎるせいか代表作は番号ではなく副題で呼ばれることが多いです。本ブログでも過去に取り上げた「V字」「オックスフォード」そして「驚愕」「軍隊」「時計」などがそうですね。これらの副題はハイドン自身が付けたものではなく、後世になって特に深い意味もなく付けられたものばかりですが、それだけ聴衆に親しまれていた証拠とも言えます。本日取り上げる3つの交響曲は96番こそ「奇蹟」の副題がついていますが、97番と98番は単に番号だけで、そのせいか一連の「ロンドン交響曲」の中でも地味な存在です。CDの数も「驚愕」「軍隊」「時計」や「ロンドン」あたりと比べると極端に少ないです。私が手に入れたのは往年のドイツの名指揮者オイゲン・ヨッフムがロンドン・フィルを指揮したものです。



まずは96番の「奇蹟」から。第1楽章はいかにもハイドンらしい始まり方で、やや重苦しい序奏から一転して次々と魅惑的な旋律が現れます。愛らしいアンダンテの第2楽章、宮廷音楽風の華やかな第3楽章メヌエットを経て、キビキビとした第4楽章フィナーレを迎えます。続いて97番。こちらも第1楽章は厳かな序奏で幕を開け、そこからは一転して勇壮な旋律が展開されます。後のベートーヴェンを思い起こさせるような曲風で、なかなかの名曲と言っていいでしょう。第2楽章の穏やかなアダージョ、第3楽章の舞踏会風のメヌエットは96番と同じような展開で、第4楽章は再び力強いフィナーレで幕を下ろします。98番も同じで第1楽章は静かな序奏の後にめくるめく魅惑の旋律が現れます。第2楽章は穏やかなアダージョですが、英国国歌「国王陛下万歳」を主題に使っているのがユニークです。第3楽章は思わずスキップしてしまいそうな軽快なメヌエット。続く第4楽章も軽快なテンポで進み、最後はこれぞハイドンと言った華やかなフィナーレで締めくくります。以上3曲ともどれも似たような展開でワンパターンと言ってしまえばそれまでなんですが、どの曲も捨てがたい魅力があり、特に第1楽章はどれも名旋律揃いだと思います。まだまだ聴いていない交響曲がたくさんあるハイドン。奥が深いですね!
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