広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

それぞれの太平山

2009-05-17 13:39:49 | 秋田の季節・風景
「なごむ/姿かがやき/雲はるか/雄々しい姿 心にそめて/雄姿そびえる/明けゆく空にそびえ立つ/産土の峰静まりて」
これは秋田市立の一部の小中学校の校歌の中から、あるモノに対する言葉を抜き出したもの。
4月上旬、新屋大川町の雄物川堤防から
秋田市民の方なら察しがついたと思うが、秋田市中心部から見て北東部にある秋田市の象徴的な山「太平山(たいへいざん)」のこと。
山形県境の鳥海山は秋田市から遠く、天候や場所によって見えないことが多いのに対し、太平山は市内ほぼどこからでも見える。校歌でも「太平山のみ」「太平山と鳥海山」が歌われる学校は多いが、「鳥海山のみ」というケースは秋田市内では少ないように思われる。

太平山は出羽山地の中の連山で、wikipediaによれば「秋田市中央部に近い側から前岳、中岳、鶴ガ岳、剣岳、宝蔵岳、弟子還岳、奥岳、旭岳など多数の山頂が連なる。」そうだ。標高1000メートル前後。
僕のような登山をしなくて、それぞれの名前や位置関係は知らない人間でも、シルエットで「太平山だ」と容易に認識でき、秋田市にいることを実感できるシンボルだと思っていたが…

先週、秋田駅→(秋田市北部の)追分→秋田駅→(秋田市南西部の)新屋と移動する機会があった。
秋田駅の北、秋田工業高校裏の旭川を渡る奥羽本線車窓から
手前側の面はすっかり雪が消えたが、左側の1つ奥の峰は少し残雪がある。

追分駅手前
北へ10キロほど。住所でいうと飯島と下新城(しもしんじょう)の境目あたり。太平山の真東。
いきなりこの写真を見せられても僕には「太平山」と認識できないほどシルエットが違っている。見にくいが、左側に長く伸びる峰に少し雪がある。
弘前から秋田に帰って来ても、「太平山が見えた」と思った記憶がないのは、中心部から見る(=僕の記憶にある)のと形が大きく違うからかもしれない。

秋田駅からも太平山が見える。自由通路の東口側の大きなガラスからも見えるが、秋田駅改札内にある「線路と並行な跨線橋」という珍しいモノからも見える。
駅舎改築に伴い「中央改札から7・8番線に直接行かれない」という複雑な構造になってしまっていたが、それではあんまりだということで、数年前にこのタテの跨線橋が作られたらしく、「駅の花道」と名付けられた。植木鉢が置かれたりしているが、見える山が太平山であることの解説もある。
【2014年10月17日補足】「駅の花道」の由来は、8番線と7番線にちなんで「駅の8・7道」。「駅のはなみち」と表記するのが正しいようだ。
残雪の峰が(中央の峰の陰に)隠れて見えない!
旭川の橋からは1キロ強しか離れていないのに、てっぺんが1つ減るほど見え方が違うとは今まで知らなかった。
千秋公園は位置的に旭川と秋田駅の間なのでまた微妙に違って見えるだろう。

羽越本線の上り電車で羽後牛島駅発車後まもなく、雄物川の手前。秋田駅から南西へ3キロほど。右が牛島、左が茨島。
立入可能なワンマン電車後部運転台から
雪が右に移動し、手前の2つの峰の間からちょこんと顔を出している

羽越本線より西側、秋田大橋から
雪が線路から見るよりは左になり、2つの峰のちょうど真ん中。「山」という漢字みたいにバランスがいい。
本記事最初の写真の撮影場所は羽越線と秋田大橋の間。

僕が小さい頃から今まで多く見て来た太平山は旭川から見るのとほぼ同じ角度。これも横に間延びした「山」の字みたいに見え、新屋から見るのに似ている。
「新屋から見る太平山が美しい」とも思っていたが、川越しで視界が開けていることのほかに、旭川からの“見慣れた太平山”に似た形であることもそう思わせる原因かもしれない。

4月上旬、臨海大橋から
秋田駅や旭川のほぼ真東だが、微妙に太平山との角度が違うようで、左側の峰が大きく見える。僕のイメージの太平山とは少し違うが、ダイナミックな姿。

「秋田市の、秋田市民のシンボル」といっても、その人によってイメージする形がそれぞれ違うのだろう。
あなたの太平山はどんなシルエットでしょうか?
【追記】6月上旬の秋田市から見た太平山・鳥海山の様子はこちら
【追記】9月下旬の秋田市から見た太平山の様子はこちら

※校歌に出てくる山については、この記事中ほど
コメント (3)
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