広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

スミレ王国

2009-05-03 14:59:10 | 秋田の季節・風景
前回の秋田市浜田森林総合公園(主に梅林園を中心としたエリア)で見つけた植物を紹介します。
トゲがある低木。葉っぱや花からして木いちごの類?
林道沿いは帰化植物のセイヨウタンポポが多かったけど、
園内には在来種のニホンタンポポ。

萼の下の「総苞」という部分が反り返らないのが在来種

ショウジョウバカマ
以下は全てスミレです。先日の千秋公園でも触れたように、日本に自生するスミレは多く「スミレ王国」と呼ぶ人もいるほど。変異が多く数え方も定まらないが200種以上あるとも言われる。
僕は山歩きをしないので、日本の山はどこもこうなのかもしれないが、梅林園内をちょっと歩けば何種類ものスミレに出会えた。そういうわけで種名を特定するのはとても難しいので、基本的に種名は表記しません。
日当りのいい林道沿い
手前に白い小さなスミレ。奥にはタチツボスミレ系と思われる薄紫のスミレ。
白花の種は、下向きの花びらに紫色の筋が入ることが多く、アクセントになっていて好き。
林内に入って、やや日当りのいい場所
大きめの花で紫色が美しいし、中央部が白いのも珍しい。花弁が丸みを帯びて形もきれい。
花色は同種でも変異が多いので、花色だけで種の特定をするのは難しい

やや日陰。薄く色が付いて大きめの白花

背が高く花も縦長っぽい?

花の後方の「距」という部分が長い
さらに日当りが悪い場所。今回見た中で特に美しいと思った2種があった。
花はタチツボスミレに似た形で薄めの色が美しい。葉の縁がギザギザで葉脈が深い。
そしてこちら。(以下2枚は同種)
花色は透き通るようなブルー
花茎がすらりと長く、花弁が角ばっていて、気品がある。
これも距が長い

園内でもっとも暗い場所。
500mlのPETボトルと
葉っぱが大きく葉脈が深くて、花が黄色いので別の植物のようだが、これもスミレ。
花だけ見れば黄色のパンジーみたい
主に日本海側の積雪地の林下に群生する(まさにその通りの場所)「オオバキスミレ」だと思う。
群落も

梅はさっぱりの梅林園だったが、「スミレ王国」の一端を見ることができた。
ブログの縮小画像では分かりにくいが、一眼レフのライブビューを使い、たいへんきれいな写真が撮れた。
西洋系のパンジーやビオラのように大きくて派手ではないが、日本の気候と生育地の環境に適応して、それぞれ個性的で可憐な花を咲かせる日本のスミレが好きです。
コメント (2)
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梅林園

2009-05-03 13:40:00 | 秋田の季節・風景
昔から秋田市に住んでいる方は「梅林園(ばいりんえん)」をご存知のはず。秋田市南西部、新屋地区のさらに南の浜田地区にあり、動物園やテレビ塔のある大森山と旧国道7号線(今は県道)を挟んだ向かいの山にある。その名の通り、梅の木がある公園だ。ネットで「梅林園」で検索すると、秋田市の梅林園を指す記事がわりと多くヒットする。あまり一般的な表現ではないのだろうか。

正式には「浜田森林総合公園」という秋田市が管理する公園の中の1つエリアを「梅林園」という。この公園は昭和44年の秋田市制80周年記念事業の1つとして開園したとのこと。
ちなみに、千秋公園やいわゆる児童公園などを管轄する「都市整備部公園課」でなく、「農林部農地森林整備課」の管轄になっている。弘前市のりんご公園も農業関係部局の管轄だが、いずれも普通の公園とは位置づけが違うようだ。

何年か前までは梅が見頃になると報道されていたが、最近は見かけない。どうなっているのだろう? 市街地より遅く、ソメイヨシノが咲いた後が見頃と記憶している。僕はもう10年以上行っていないし、行ってみた。普通は車で行く所だが、ブログのネタとして、運動のため等々で公共交通を利用した。旧国道からの山道が心配だが、バス下車後徒歩10分というから、大丈夫だろう。

乗るのはJR羽越本線新屋駅前の「新屋案内所」始発のバス。新屋と下浜・浜田・豊岩(とよいわ)の各地区を結ぶ秋田市西部地区のローカル路線バスは、かつては旧秋田市交通局が運行し、その縮小・廃止に伴い民間事業者に移管(2002年)され、秋田市中心部の路線バスと同様の形態で運行されていた。しかし、民間移管のわずか3年後の2005年には、赤字対策として、秋田市が主体となって民間会社に運行を委託する形式に変更され「豊浜ふれあい号」という愛称が付いた(“豊浜”は地名ではなく、下浜・浜田・豊岩からの造語と思われる)。

梅林園へは「桂根経由下浜線」を利用する。秋田市交通政策室のサイトにPDFで時刻表、運賃表、全停留所順がアップされているのは親切(それにひきかえ某社サイトの不親切さ使いにくさといったら…)。
でも本数は少ない。新屋発の下り便は5本(早朝・夜間含む)、上り便はなぜか9本も運行され、しかも15時台前後に近接して3本もある。おそらく、下りは海側の浜田経由で運行された便の折り返しが、小学生の帰宅便にでもなっているのだろうが、この時間帯がいいだろう。

バス運行の委託先は秋田中央交通の子会社、「秋田中央トランスポート」。かつての中央タクシーの流れを汲む会社のようだ。(ちなみに弘前の弘南バスも一時「弘南サービス」という子会社がローカル路線を運行していたが、今は本社直営に戻っている)
車両は専用の中型か小型車だが、塗装や放送などは親会社と同じで、親会社路線と違和感はない。運賃体系も同じ。回数券も共通で使えて便利。でも、車両は古めでドアや座席の配置が珍しく、やはり弘南バスのローカル線に似ている。

新屋14時15分発の便は、乗客が5人ほどで思ったより多い。旧国道に出て、緩い上り坂をまっすぐ進む。
降りる「梅林園入口」バス停の車内放送は「毎度ご乗車いただきまして云々。このバスは~行きです。お降りの際は降車ブザーにて云々。次は梅林園入口です」と親会社の放送でもたまに流れる、長い講釈がある。バスは旧国道の流れに乗って走っているから、下手すると間に合わないので、早めにボタンを押しましょう。「宮田沢」の次です。新屋からわずか2分で到着【5月7日訂正】カメラの時計がずれていました。3~4分かかったようです。170円。そういえば、親会社は運賃値上げ申請中だが、こっちはどうなるんだろう。【6月27日追記】値上げはないものの、7月1日から一部乗車券の取り扱いが変更になる
この看板、昔のと違う
バス停の目の前が梅林園への分かれ道。「国見山林道」というどこかへ抜ける林道。
 
梅林園までは1キロとのことだが、上り坂。後半は緩いカーブもある
車が時折通るので注意。歩きや自転車(小学生もいた)の人に4人ほど会った。梅林園往復はいい運動になるんだろう。それより多いのは山菜採りしている人。
大森山と下には旧国道

松枯れ?
ここでもゴミを捨てる不心得者がいるが、昔来たときよりは少ないと感じた。
電話線の電柱。「梅林園線」となっている。NTTさんも浜田森林総合公園より梅林園の方がなじみがあるんだろう
バス停から徒歩6分ほどで最初の公園施設「花木園」、ちょうど10分でテニスコートや梅林園などがある公園中心の管理事務所に到着。
展望台と管理棟
飲み物の自販機もあり、前はコカコーラだけだと思ったが、ダイドーもあった(ポイントカードは非対応)。
展望台があるけど立入禁止
木の間から日本海(花木園側)や秋田市街が見えた。
 
この山の下は羽越本線のトンネルで、列車が通る音も聞こえたが、線路がはるか下に見えたのは1か所だけ。
梅林園の園内図。新しく作り直したようだ
で、肝心の梅。林道から谷へ下りて行く斜面に梅の木が植わっている。

「梅の実をとらないで」とあるけど…
実がなる以前に花がない!
時期の遅い早いでないと思う。花芽自体が少ないようで、千秋公園の桜みたいな状態。これでは報道されないのも無理もない。
一部は咲いていました
でも、梅以外にいろんな植物がある。笹竹のタケノコとかワラビとか山菜もあるようだし、
ヤマザクラが見頃。自生のものと植えられたものがあるようだ
杉木立の道もある。下の方に堤が見えたが近寄れないようだ。
クマが出ないかな?
途中に道標はないが、迷うような構造でなく、園内をぐるっと回って林道へ戻れる。アップダウンがあるのと、極度な方向音痴の方はご注意を。
1時間ほど滞在し、ちょっと待てばバスがあったが、体調が良くまだまだ歩けるので、新屋駅前まで歩くことにした。歩道もあるし帰りは下り坂。風景は大したことないが、30分かからなかった。心地よく疲れた。

他の自治体で無惨に荒れた果てたこの手の公園を見たことがあるが、ここはテニスコートや自販機があるから利用者はそれなりにいるのだろうし、一部の案内板がリニューアルされたり、散策に支障ない状態に手入れされていた。でも、展望塔とか梅の木とかを再整備してもいいのではないだろうか。今年は秋田市制120周年=この公園開園40周年だし。
園内の植物を次の記事で紹介します。
コメント (4)
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