この記事後半の通り、7月18日をもって、秋田市大町五丁目にあった「秋田銀行秋田支店」が閉店(大町支店へ19日付で統合)した。
閉店から一夜明けた秋田銀行秋田支店
告知のポケットティッシュが配られた
18日のうちに、店舗入口の表示類は撤去されたようだ。
右がATMコーナー
窓に「72年間ご愛顧ありがとうございました」の紙とドアに大町支店への案内
(再掲)営業中当時の玄関周り
昭和9年に秋田銀行の前身の銀行として建てられた、歴史ある建物の今後はどうなるか。※表示に「72年間」とあるのは、建物ではなく秋田銀行秋田支店としての存続年数のはず
ATMコーナーは存続するので、当分はこのままだと思われる。「あきぎん」の看板もATMコーナー用としてこのままか?
7月10日の秋田魁新報の投稿欄「声の十字路」には、建物の今後の活用を検討してほしいという投稿が掲載された。
19日付秋田魁新報経済面によれば、旧秋田支店の支店長と支店長代理のうち1名は本部へ、支店長代理2名は大町支店へ異動となった。(ヒラ行員は掲載されていなかった)
※その後、2015年1月時点では、旧秋田支店の建物がそのままATMコーナーとして使われており、冬に見られたスチーム暖房の湯気も店舗営業時同様に上がっているのを見た。ATMコーナーだけのためにあんなに湯気を上げているのなら、無駄が多い気がする(店舗だった部分で何かの作業でもしているのだろうか【2015年3月12日追記】照明も点灯しているので、何かやっているようだ)。
※2015年5月19日現在、「ありがとうございました」の張り紙もそのまま。2015年8月初めでもそのままで、別のガラスには竿燈関係のポスターが掲出されていて、継続的に手が入っているようだ。
【2015年11月23日追記】2015年11月18日に、久々に(2~3度目、支店閉店後初)ATMを使った。機械は1台。通りから見て右側の松の木がある部分は日本庭園風になっていて、ATM横には庭が見える窓があった。狭い庭ながら、石灯籠まであった。
そして、「11月30日でATMコーナーを廃止する」との表示が機械の横に小さく出ていた(ドアなど屋外にはなし)。その後、店舗後から何かを運び出すところも目撃した。窓の「ありがとう」の張り紙はまだあった。※続きはこちら
さて、なくなる支店に口座を開設していた人・企業・団体は、口座番号の変更をさせられる。
その1つが秋田中央警察署であることを、ふとしたことから知った。
落し物として警察に届けられた現金を、落とし主もしくは(落とし主が見つからずに)拾った人がもらう場合、小切手で受け取ることになっている。(都道府県によっては、少額なら現金でもらえるかもしれない)
秋田中央警察署に届けられた場合、秋田銀行秋田支店の小切手が渡される。
現金化するには、秋田支店へ出向くか、秋田支店以外の店では自分の秋田銀行の通帳を持参しないといけない。
中央署の最寄りの秋田銀行の支店は、大町支店。それなのにどうして秋田支店なのか。
これには、秋田の街の歴史が反映されているのだろう。
秋田中央警察署の前身である秋田警察署は、以前はみずほ銀行隣の旧農林ビル(今は更地)の所にあったそうだ。一方、秋田銀行秋田支店はかつての秋田銀行本店の流れを汲む店で、元々は赤れんが郷土館の場所だったそうなので、それなら警察署と銀行は近い。(それに当時は大町支店はなかったはず)
警察署も銀行も、どちらも少し移転して、少々遠くなってしまったようだ。
おそらく今後は、大町支店の小切手が渡されることになるだろう。
どうしてこんなことが分かったのかというと、お金を拾って、落とした人が現れずにもらったから。1000円ですが。
以下、その覚え書き。
雪が積もっていた頃、道路を歩いていると、路上に千円札が1枚落ちていた。
周りに人はいない。
このままでは、雪に混ざって除雪されるなどして、お金として使われることなく朽ちてしまうかもしれず、もったいない。
正直に言えば、自分のものにしたいと思った。
建前上は1円でも拾ったら警察に届けないといけないが、やはり紙幣ならば絶対に届けるべきだと思う。記番号や指紋から何かの犯罪に絡むカネだと分かるかもしれないし…
ということで、誰も名乗り出ずに保管期限後にいただけることを期待しつつ、最寄りの交番へ。
僕が拾い物を届け出るのは2度目。
だいぶ前(2007年の遺失物法改正前)に、職場の敷地に落ちていたモノ(価値はほとんどない)を、交番へ持っていったことがあった。
その時は、警察官ではなく警察OBの交番相談員らしき人が応対してくれ、手書きで書類を作ったはず。
今回は、1人で交番に詰めていた、年配の警察官が応対。
拾った場所と時間、拾得者(=僕の)住所、氏名、電話番号(携帯電話可)を聞かれた。
あとは、「落とした人が分かった場合、拾得者の連絡先を先方に伝えてもいいか(1割のお礼を受け取るためには必ず伝えないといけない)」、「3か月間の保管期間内に落とした人が見つからなかったら、もらいたいか」の意向を聞かれた。
「(裸の現金だし、額も額だから)おそらく落とし主は名乗り出ないと思うけど…」なんてちらりとおっしゃったが、型通りの説明と聴取なんだろう。
もちろん頂戴したいので、3か月後に受け取りたい。
でも、落とした人が見つかったなら、その時はその時。100円ぽっちのお礼をわざわざもらうのはあんまりだから、連絡先を伝えることは辞退。
警察官はノートパソコンに向かい、小型レーザープリンターからA4用紙2枚をプリントアウトし、折って長封筒(警察署名や標語入りだが、市販封筒を使ったお手製)に入れて渡してくれた。
1枚は「拾得者の皆様へ」という説明文、もう1枚が「拾得物件預り書」。預り書が大事で、これを3か月後まで取っておかないと、1000円は受け取れない。
「拾得物件預り書」はすべてパソコン印刷で、警察官の押印がある。
拾った場所の前にあった店の名前を伝えたら、拾得場所欄は「秋田県秋田市○○町x-x ○○店 路上」と記載されていた。
「物件」欄には「特徴等」を記載する場所があるがそこは空欄で、単に「1000円札 1枚」。記番号は記載しないのか。
※ネットで拾得物が検索できるが、そこでは「特徴」欄に「千円以上」か「千円未満」かが表示されている。
「(落とし主が分からなかった場合)受け取りは3か月後から3か月の間の平日昼間に秋田中央警察署会計課で。こちらから連絡はしません。期限を過ぎると県のものになってしまいます」などと説明されて、ものの5分程度で終了。
受け取りは警察署だけだが、届け出は交番と警察署両方で24時間いつでもできる。
今回、拾った場所の店の名を言ったら、すぐに住所が分かったのは、地元の交番ならではだろう。警察署だったら調べるのに時間がかかりそう。
交番は無人の時もあるから、無駄足になることはあるだろう。
なお、届け出は全国どこの警察でも大丈夫なようだが、落とした人が探すことを考えれば、拾った場所を管轄する警察署へ届けるのがベターなんでしょう。
次の日だか次の次の日、警察署の遺失物係から電話が来た。タイミング的に、交番から警察署へ書類が回った頃。
内容は「落とし主が見つかった時のお礼はいらないけど、見つからなかった時は受け取るんですね?」という確認。
100円はいらないけど、1000円はほしいのだから、「その通りです」。
こういう意向の拾得者って珍しいのだろうか?
落とし主が見つかったら連絡があることになっているが、ないままに3か月経ち、1000円を頂戴できることになった。
「拾得物件預り書」の下のほうが「受領確認」欄になっていて、そこに日付、住所、氏名を記入、押印して、身分証明書とともに持参。中央警察署の会計課は、1階にありオープンカウンター風。
預り書を出して、身分証明を確認後、「少々お待ちください」と言われて、何やら別の部屋へ行くなどバタバタ。
5分強待って、小切手と案内文書を渡された。
「秋田銀行秋田支店って分かりますか? 秋田支店ならそのまま現金をもらえますが、他の支店では秋田銀行の通帳が必要です」(案内文書に地図掲載)
「処理の都合上、できるだけ1週間以内に換金してください」との説明。※正確には1週間でなく11日以内かな?
小切手にゴム印で押された「振出人」欄は「秋田中央警察署長 警視正」という肩書き。「秋田県警察本部」は入らず、「署長」に加えて「警視正」と役職名がダブルで入るのが少々変わっているかも。(例えば大学なら「学長」であり「教授」ということはあっても、普通は学長の肩書きを優先するのではないだろうか)
ちなみに警察署長は「警視」でなれるが、大規模な警察署は1段階上の「警視正」が就くらしい。しかも警視正以上は、都道府県警所属であっても身分は国家公務員になるんだそうだ。地域住民としてはどうでもいいことだけど… ドラマ「特捜最前線」の二谷英明は「神代警視正」だった。【21日追記】秋田市にある他の2警察署(秋田臨港、秋田東)の署長は「警視」のはず。
せっかくなので、最後になるであろう秋田支店へ。
二重になった入口ドアのうち、内側のドアなど歴史を感じさせる構造・デザインで、客の待合空間は思っていたより狭かった。
小切手の裏面に住所、氏名、電話番号を書いて、すぐに1000円札をもらえた。ありがたく使わせていただきます。
【2017年12月5日追記】余談だが、2017年の新聞報道によれば、秋田県内で届け出られる拾得物のうち、3分の1を秋田中央警察署管内で占めるとのこと。
閉店から一夜明けた秋田銀行秋田支店
告知のポケットティッシュが配られた
18日のうちに、店舗入口の表示類は撤去されたようだ。
右がATMコーナー
窓に「72年間ご愛顧ありがとうございました」の紙とドアに大町支店への案内
(再掲)営業中当時の玄関周り
昭和9年に秋田銀行の前身の銀行として建てられた、歴史ある建物の今後はどうなるか。※表示に「72年間」とあるのは、建物ではなく秋田銀行秋田支店としての存続年数のはず
ATMコーナーは存続するので、当分はこのままだと思われる。「あきぎん」の看板もATMコーナー用としてこのままか?
7月10日の秋田魁新報の投稿欄「声の十字路」には、建物の今後の活用を検討してほしいという投稿が掲載された。
19日付秋田魁新報経済面によれば、旧秋田支店の支店長と支店長代理のうち1名は本部へ、支店長代理2名は大町支店へ異動となった。(ヒラ行員は掲載されていなかった)
※その後、2015年1月時点では、旧秋田支店の建物がそのままATMコーナーとして使われており、冬に見られたスチーム暖房の湯気も店舗営業時同様に上がっているのを見た。ATMコーナーだけのためにあんなに湯気を上げているのなら、無駄が多い気がする(店舗だった部分で何かの作業でもしているのだろうか【2015年3月12日追記】照明も点灯しているので、何かやっているようだ)。
※2015年5月19日現在、「ありがとうございました」の張り紙もそのまま。2015年8月初めでもそのままで、別のガラスには竿燈関係のポスターが掲出されていて、継続的に手が入っているようだ。
【2015年11月23日追記】2015年11月18日に、久々に(2~3度目、支店閉店後初)ATMを使った。機械は1台。通りから見て右側の松の木がある部分は日本庭園風になっていて、ATM横には庭が見える窓があった。狭い庭ながら、石灯籠まであった。
そして、「11月30日でATMコーナーを廃止する」との表示が機械の横に小さく出ていた(ドアなど屋外にはなし)。その後、店舗後から何かを運び出すところも目撃した。窓の「ありがとう」の張り紙はまだあった。※続きはこちら
さて、なくなる支店に口座を開設していた人・企業・団体は、口座番号の変更をさせられる。
その1つが秋田中央警察署であることを、ふとしたことから知った。
落し物として警察に届けられた現金を、落とし主もしくは(落とし主が見つからずに)拾った人がもらう場合、小切手で受け取ることになっている。(都道府県によっては、少額なら現金でもらえるかもしれない)
秋田中央警察署に届けられた場合、秋田銀行秋田支店の小切手が渡される。
現金化するには、秋田支店へ出向くか、秋田支店以外の店では自分の秋田銀行の通帳を持参しないといけない。
中央署の最寄りの秋田銀行の支店は、大町支店。それなのにどうして秋田支店なのか。
これには、秋田の街の歴史が反映されているのだろう。
秋田中央警察署の前身である秋田警察署は、以前はみずほ銀行隣の旧農林ビル(今は更地)の所にあったそうだ。一方、秋田銀行秋田支店はかつての秋田銀行本店の流れを汲む店で、元々は赤れんが郷土館の場所だったそうなので、それなら警察署と銀行は近い。(それに当時は大町支店はなかったはず)
警察署も銀行も、どちらも少し移転して、少々遠くなってしまったようだ。
おそらく今後は、大町支店の小切手が渡されることになるだろう。
どうしてこんなことが分かったのかというと、お金を拾って、落とした人が現れずにもらったから。1000円ですが。
以下、その覚え書き。
雪が積もっていた頃、道路を歩いていると、路上に千円札が1枚落ちていた。
周りに人はいない。
このままでは、雪に混ざって除雪されるなどして、お金として使われることなく朽ちてしまうかもしれず、もったいない。
正直に言えば、自分のものにしたいと思った。
建前上は1円でも拾ったら警察に届けないといけないが、やはり紙幣ならば絶対に届けるべきだと思う。記番号や指紋から何かの犯罪に絡むカネだと分かるかもしれないし…
ということで、誰も名乗り出ずに保管期限後にいただけることを期待しつつ、最寄りの交番へ。
僕が拾い物を届け出るのは2度目。
だいぶ前(2007年の遺失物法改正前)に、職場の敷地に落ちていたモノ(価値はほとんどない)を、交番へ持っていったことがあった。
その時は、警察官ではなく警察OBの交番相談員らしき人が応対してくれ、手書きで書類を作ったはず。
今回は、1人で交番に詰めていた、年配の警察官が応対。
拾った場所と時間、拾得者(=僕の)住所、氏名、電話番号(携帯電話可)を聞かれた。
あとは、「落とした人が分かった場合、拾得者の連絡先を先方に伝えてもいいか(1割のお礼を受け取るためには必ず伝えないといけない)」、「3か月間の保管期間内に落とした人が見つからなかったら、もらいたいか」の意向を聞かれた。
「(裸の現金だし、額も額だから)おそらく落とし主は名乗り出ないと思うけど…」なんてちらりとおっしゃったが、型通りの説明と聴取なんだろう。
もちろん頂戴したいので、3か月後に受け取りたい。
でも、落とした人が見つかったなら、その時はその時。100円ぽっちのお礼をわざわざもらうのはあんまりだから、連絡先を伝えることは辞退。
警察官はノートパソコンに向かい、小型レーザープリンターからA4用紙2枚をプリントアウトし、折って長封筒(警察署名や標語入りだが、市販封筒を使ったお手製)に入れて渡してくれた。
1枚は「拾得者の皆様へ」という説明文、もう1枚が「拾得物件預り書」。預り書が大事で、これを3か月後まで取っておかないと、1000円は受け取れない。
「拾得物件預り書」はすべてパソコン印刷で、警察官の押印がある。
拾った場所の前にあった店の名前を伝えたら、拾得場所欄は「秋田県秋田市○○町x-x ○○店 路上」と記載されていた。
「物件」欄には「特徴等」を記載する場所があるがそこは空欄で、単に「1000円札 1枚」。記番号は記載しないのか。
※ネットで拾得物が検索できるが、そこでは「特徴」欄に「千円以上」か「千円未満」かが表示されている。
「(落とし主が分からなかった場合)受け取りは3か月後から3か月の間の平日昼間に秋田中央警察署会計課で。こちらから連絡はしません。期限を過ぎると県のものになってしまいます」などと説明されて、ものの5分程度で終了。
受け取りは警察署だけだが、届け出は交番と警察署両方で24時間いつでもできる。
今回、拾った場所の店の名を言ったら、すぐに住所が分かったのは、地元の交番ならではだろう。警察署だったら調べるのに時間がかかりそう。
交番は無人の時もあるから、無駄足になることはあるだろう。
なお、届け出は全国どこの警察でも大丈夫なようだが、落とした人が探すことを考えれば、拾った場所を管轄する警察署へ届けるのがベターなんでしょう。
次の日だか次の次の日、警察署の遺失物係から電話が来た。タイミング的に、交番から警察署へ書類が回った頃。
内容は「落とし主が見つかった時のお礼はいらないけど、見つからなかった時は受け取るんですね?」という確認。
100円はいらないけど、1000円はほしいのだから、「その通りです」。
こういう意向の拾得者って珍しいのだろうか?
落とし主が見つかったら連絡があることになっているが、ないままに3か月経ち、1000円を頂戴できることになった。
「拾得物件預り書」の下のほうが「受領確認」欄になっていて、そこに日付、住所、氏名を記入、押印して、身分証明書とともに持参。中央警察署の会計課は、1階にありオープンカウンター風。
預り書を出して、身分証明を確認後、「少々お待ちください」と言われて、何やら別の部屋へ行くなどバタバタ。
5分強待って、小切手と案内文書を渡された。
「秋田銀行秋田支店って分かりますか? 秋田支店ならそのまま現金をもらえますが、他の支店では秋田銀行の通帳が必要です」(案内文書に地図掲載)
「処理の都合上、できるだけ1週間以内に換金してください」との説明。※正確には1週間でなく11日以内かな?
小切手にゴム印で押された「振出人」欄は「秋田中央警察署長 警視正」という肩書き。「秋田県警察本部」は入らず、「署長」に加えて「警視正」と役職名がダブルで入るのが少々変わっているかも。(例えば大学なら「学長」であり「教授」ということはあっても、普通は学長の肩書きを優先するのではないだろうか)
ちなみに警察署長は「警視」でなれるが、大規模な警察署は1段階上の「警視正」が就くらしい。しかも警視正以上は、都道府県警所属であっても身分は国家公務員になるんだそうだ。地域住民としてはどうでもいいことだけど… ドラマ「特捜最前線」の二谷英明は「神代警視正」だった。【21日追記】秋田市にある他の2警察署(秋田臨港、秋田東)の署長は「警視」のはず。
せっかくなので、最後になるであろう秋田支店へ。
二重になった入口ドアのうち、内側のドアなど歴史を感じさせる構造・デザインで、客の待合空間は思っていたより狭かった。
小切手の裏面に住所、氏名、電話番号を書いて、すぐに1000円札をもらえた。ありがたく使わせていただきます。
【2017年12月5日追記】余談だが、2017年の新聞報道によれば、秋田県内で届け出られる拾得物のうち、3分の1を秋田中央警察署管内で占めるとのこと。