弘前へ行ってきました。今回は弘南鉄道について。
※弘南鉄道は、弘前と黒石を結ぶ「弘南線」(※黒石線はかつてあった別路線)、中央弘前と大鰐を結ぶ「大鰐線」(※中央弘前駅は弘前駅とは別の場所。大鰐駅はJR大鰐温泉駅と同じ)
※「弘南バス」は、元は弘南鉄道のバス部門として発足したものだが、現在は資本関係はなく、両社のつながりは薄くなっている。
●リバイバル第2弾
昨年8月から、大鰐線を走る元東急7000系電車に、先頭部の“顔”だけを肌色と赤(ベージュとえんじ)でラッピングしたものが1編成登場して走っている。
7000系導入以前の昭和末期まで同路線を走っていた、古い電車の塗装を正面だけ復刻した「リバイバルカラー」。「旧弘南カラー」と呼ぶらしい。
その編成は今回は津軽大沢の車庫の中に入っていたので、定期点検中だったのかもしれない。
今年5月から、その第2弾が登場しているのは公式ブログで知っていた。
大鰐駅にて
大鰐側7037-7038中央弘前側の編成。
第2弾は濃淡の緑。1995年に南海電鉄から購入した「1521系」の塗装の復刻。南海時代の塗装に白い帯を加えたもの。一部では「南海カラー」と呼んでいるようだが、白い線が入っているから厳密には南海カラーではない。
1521系が来たのは僕が弘前に住んで早々の頃で、JR線を介して搬入されたのを目撃していたので印象にはあるが、それ以後、乗ったことも動いているのを見たこともなかった。
大鰐線、弘南線それぞれで朝のラッシュ時に使っていたそうだが、大柄な車体を持て余したり、中古にしても古すぎたりしたのが災いし、2000年頃には定期列車では使われなくなり、最終的に2008年までに全車が廃車されてしまい、短命に終わった車両だった。
ところで、リバイバル第1弾では、なぜか正面の上部の弧を描いた部分はステンレスのままだった(元の四角い車体に合わせたのか?)が、第2弾はそこも色が入っている。
(再掲)第1弾
第2弾
僕は往時の実物と比べて、色が派手でドギツイ印象を持った。
JRのキハ58系のリバイバル塗装などでもそう感じたのだが、単なる気のせいか、昔とは塗料が違うのか、昔より手入れがしっかりしていて汚れていなくて鮮やかに見えるのか…
【2018年5月22日追記】1521系復刻カラーは2018年5月20日で終了。車両はラッピングがはがされて、ステンレスに赤帯に戻った。
大鰐から乗った大鰐線の電車は、まばらな客を乗せて中央弘前へ向かう。
弘南鉄道の車両には冷房がなく、扇風機が回る。窓は閉まっている箇所もちらほら。全部開けたら気持ち良さそうだけど、髪が乱れるのが嫌われるのか。
7000系の窓は、下が上昇・上が下降する方式(ちょっと前のバスのような)。全開せず途中で止まるようになっていて、開口は最大15センチほど。それでも、リンゴ畑や田んぼを渡る風が半袖の袖口から服の中に吹き込んできて、心地良い。空いた状態かつ走行中なら冷房はいらない。(以前、35度前後まで上がった日は、さすがに蒸し風呂だったけど…)
岩木山が見えたものの、てっぺんには雲。
JR奥羽本線の上を大鰐線が渡る箇所(先方に少々JR石川駅が見えている。大鰐線の石川駅は別の位置)
石川-義塾高校前辺りでは、右側以外は頂上が姿を現してくれた。
●リバイバル第1.5弾?
今回は、久しぶりに弘南線のほうにも乗った。
前も感じたけれど、大鰐線と比べると明らかに乗客数が多い。行きは大鰐駅よりちょっと多いくらいで、帰りは立ち客が出るほど。
大鰐線は弘前市内 対 沿線各駅だけの乗客流動なのに対し、弘南線は弘前市内 対 黒石のほかに途中の平賀や津軽尾上での入れ替わりも多いようだ。
だから帰りはきゅうくつで楽しめなかったが、行きは窓からの風が気持ち良かった。
大鰐線も弘南線も沿線はリンゴ畑と田んぼが多いが、弘南線は田んぼの割合が高い。辺り一面が田んぼという秋田のような区間もあった。違うのは、岩木山が見えること。
【8月3日追記】弘前市内はアップダウンが比較的多いので、平坦な弘南線沿線のほうが「津軽平野」の真ん中にいることを実感した。
柏農高校前(はくのうこうこう)駅付近。田んぼの先左側が弘前市街地
線路は何度か大きくカーブするので、岩木山が見える方向は何度か大きく変わる。
弘南鉄道では、昼間の列車では車内の蛍光灯は原則消灯。しかし、弘南線の平賀駅はホームの上が建物で覆われている(ビルの1階を線路が貫く)ので暗く、その前後だけ点灯させている。
平賀駅は、弘南鉄道の本社と弘南線の車庫などもある、弘南鉄道の中枢。その車庫を眺めると、
左にいるのは! ※ガラスの映り込みがあります
知らなかったが、こちらにも 旧弘南カラーがいた。大鰐線のとは違って、上部にも色が入っている。
いつ登場したのか分からないが、第1.5弾といったところか。
でも、なんて言うか…
こちらの車は、同じ7000系ながら大鰐線にはいないタイプで、元は中間の車両だったものに運転台を後付けした「先頭車化改造」の「7101」の編成。(物陰で見づらかったが、7154と思われる反対側も同じくリバイバルカラーになっていた)
この時の7101は、前面に「納涼び~る」と出ていて、カーテンや装飾が施されていた。今年で30年目という恒例の「納涼ビール列車」用として使われているようだ。(2時間3500円で飲み放題、折り詰め付き)
弘前側7154-7101黒石側の編成はビール列車や冬の「けの汁列車」など宴会列車専用のようなので、通常運転には入らないのだろう。
(再掲)通常の姿
左右非対称のデザインでストンとまっ平らな前面形状が特徴的。
鉄道愛好家は、こういう若干無理があって不格好な見かけになってしまった車両を「ゲテモノ(列車/電車)」と親しみを込めて呼ぶことがある。
元の塗装の電車とは似ても似つかない顔の車両を使ってリバイバルしてしまうとは大胆。よりいっそう“ゲテモノ度”が増したのではないだろうか。
愛好家には受けるとは思うけれど、イベント専用車だし、宴会列車なので夜の走行だから、人目に触れる機会は少ないのが残念。
後日、弘南線の新駅「田んぼアート駅」(田んぼアートそのものは期待しないでください。展望台に上らなかったので…)、「リゾートしらかみ」、新たな放送広告が続々登場していた弘南バス、目新しい新商品が勢揃いのイギリストーストなどをアップします。
※弘南鉄道は、弘前と黒石を結ぶ「弘南線」(※黒石線はかつてあった別路線)、中央弘前と大鰐を結ぶ「大鰐線」(※中央弘前駅は弘前駅とは別の場所。大鰐駅はJR大鰐温泉駅と同じ)
※「弘南バス」は、元は弘南鉄道のバス部門として発足したものだが、現在は資本関係はなく、両社のつながりは薄くなっている。
●リバイバル第2弾
昨年8月から、大鰐線を走る元東急7000系電車に、先頭部の“顔”だけを肌色と赤(ベージュとえんじ)でラッピングしたものが1編成登場して走っている。
7000系導入以前の昭和末期まで同路線を走っていた、古い電車の塗装を正面だけ復刻した「リバイバルカラー」。「旧弘南カラー」と呼ぶらしい。
その編成は今回は津軽大沢の車庫の中に入っていたので、定期点検中だったのかもしれない。
今年5月から、その第2弾が登場しているのは公式ブログで知っていた。
大鰐駅にて
大鰐側7037-7038中央弘前側の編成。
第2弾は濃淡の緑。1995年に南海電鉄から購入した「1521系」の塗装の復刻。南海時代の塗装に白い帯を加えたもの。一部では「南海カラー」と呼んでいるようだが、白い線が入っているから厳密には南海カラーではない。
1521系が来たのは僕が弘前に住んで早々の頃で、JR線を介して搬入されたのを目撃していたので印象にはあるが、それ以後、乗ったことも動いているのを見たこともなかった。
大鰐線、弘南線それぞれで朝のラッシュ時に使っていたそうだが、大柄な車体を持て余したり、中古にしても古すぎたりしたのが災いし、2000年頃には定期列車では使われなくなり、最終的に2008年までに全車が廃車されてしまい、短命に終わった車両だった。
ところで、リバイバル第1弾では、なぜか正面の上部の弧を描いた部分はステンレスのままだった(元の四角い車体に合わせたのか?)が、第2弾はそこも色が入っている。
(再掲)第1弾
第2弾
僕は往時の実物と比べて、色が派手でドギツイ印象を持った。
JRのキハ58系のリバイバル塗装などでもそう感じたのだが、単なる気のせいか、昔とは塗料が違うのか、昔より手入れがしっかりしていて汚れていなくて鮮やかに見えるのか…
【2018年5月22日追記】1521系復刻カラーは2018年5月20日で終了。車両はラッピングがはがされて、ステンレスに赤帯に戻った。
大鰐から乗った大鰐線の電車は、まばらな客を乗せて中央弘前へ向かう。
弘南鉄道の車両には冷房がなく、扇風機が回る。窓は閉まっている箇所もちらほら。全部開けたら気持ち良さそうだけど、髪が乱れるのが嫌われるのか。
7000系の窓は、下が上昇・上が下降する方式(ちょっと前のバスのような)。全開せず途中で止まるようになっていて、開口は最大15センチほど。それでも、リンゴ畑や田んぼを渡る風が半袖の袖口から服の中に吹き込んできて、心地良い。空いた状態かつ走行中なら冷房はいらない。(以前、35度前後まで上がった日は、さすがに蒸し風呂だったけど…)
岩木山が見えたものの、てっぺんには雲。
JR奥羽本線の上を大鰐線が渡る箇所(先方に少々JR石川駅が見えている。大鰐線の石川駅は別の位置)
石川-義塾高校前辺りでは、右側以外は頂上が姿を現してくれた。
●リバイバル第1.5弾?
今回は、久しぶりに弘南線のほうにも乗った。
前も感じたけれど、大鰐線と比べると明らかに乗客数が多い。行きは大鰐駅よりちょっと多いくらいで、帰りは立ち客が出るほど。
大鰐線は弘前市内 対 沿線各駅だけの乗客流動なのに対し、弘南線は弘前市内 対 黒石のほかに途中の平賀や津軽尾上での入れ替わりも多いようだ。
だから帰りはきゅうくつで楽しめなかったが、行きは窓からの風が気持ち良かった。
大鰐線も弘南線も沿線はリンゴ畑と田んぼが多いが、弘南線は田んぼの割合が高い。辺り一面が田んぼという秋田のような区間もあった。違うのは、岩木山が見えること。
【8月3日追記】弘前市内はアップダウンが比較的多いので、平坦な弘南線沿線のほうが「津軽平野」の真ん中にいることを実感した。
柏農高校前(はくのうこうこう)駅付近。田んぼの先左側が弘前市街地
線路は何度か大きくカーブするので、岩木山が見える方向は何度か大きく変わる。
弘南鉄道では、昼間の列車では車内の蛍光灯は原則消灯。しかし、弘南線の平賀駅はホームの上が建物で覆われている(ビルの1階を線路が貫く)ので暗く、その前後だけ点灯させている。
平賀駅は、弘南鉄道の本社と弘南線の車庫などもある、弘南鉄道の中枢。その車庫を眺めると、
左にいるのは! ※ガラスの映り込みがあります
知らなかったが、こちらにも 旧弘南カラーがいた。大鰐線のとは違って、上部にも色が入っている。
いつ登場したのか分からないが、第1.5弾といったところか。
でも、なんて言うか…
こちらの車は、同じ7000系ながら大鰐線にはいないタイプで、元は中間の車両だったものに運転台を後付けした「先頭車化改造」の「7101」の編成。(物陰で見づらかったが、7154と思われる反対側も同じくリバイバルカラーになっていた)
この時の7101は、前面に「納涼び~る」と出ていて、カーテンや装飾が施されていた。今年で30年目という恒例の「納涼ビール列車」用として使われているようだ。(2時間3500円で飲み放題、折り詰め付き)
弘前側7154-7101黒石側の編成はビール列車や冬の「けの汁列車」など宴会列車専用のようなので、通常運転には入らないのだろう。
(再掲)通常の姿
左右非対称のデザインでストンとまっ平らな前面形状が特徴的。
鉄道愛好家は、こういう若干無理があって不格好な見かけになってしまった車両を「ゲテモノ(列車/電車)」と親しみを込めて呼ぶことがある。
元の塗装の電車とは似ても似つかない顔の車両を使ってリバイバルしてしまうとは大胆。よりいっそう“ゲテモノ度”が増したのではないだろうか。
愛好家には受けるとは思うけれど、イベント専用車だし、宴会列車なので夜の走行だから、人目に触れる機会は少ないのが残念。
後日、弘南線の新駅「田んぼアート駅」(田んぼアートそのものは期待しないでください。展望台に上らなかったので…)、「リゾートしらかみ」、新たな放送広告が続々登場していた弘南バス、目新しい新商品が勢揃いのイギリストーストなどをアップします。