広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

あべちう幕の内

2017-10-16 21:06:53 | 各地お土産・食べ物
夏の東北小回り旅は、この記事で最後です。※前回の記事
駅弁の紹介。
JR東日本エリア内では、「駅弁屋旨囲門」などその駅以外の駅弁を輸送して販売する店が多く展開されており、これまで何度も利用してきた。
盛岡駅では、新幹線改札内の弁当売店の品揃えが良い(旨囲門ではないが輸送品もあり)印象だが、北改札口前(改札外)には旨囲門がある。店は大きくないけれど、その名の通り盛岡駅以外の駅弁も揃っていた。
駅弁は買わず秋田に帰ってからでもいいかななどと思っていたけれど、夕方で在庫は少なくなっていたものの、初めて遭遇した駅弁があったので、最後の1個を購入。
駅弁というものは、その時買わなければ、もう永久に買えないことも珍しくないので。

あべちう幕の内弁当 900円
地元2社の駅弁事業者ががんばっている一ノ関駅から、「あべちう」製の「幕の内弁当」というシンプルなネーミングの駅弁。※業者名は「あべうち」ではありません。「あべ“ちう”」です。
以前、東京駅で売られていたあべちうの「かにめし(リンク先中ほど)」を食べたことはあった。「平泉義経」とかいう弁当も食べたことがあったか。3度目くらいのあべちう駅弁。

「幕の内弁当」は中身がどれも同じように思われ、駅弁としても独創性がなくつまらないものと思ってしまう人が多いかもしれない。
※秋田駅関根屋の「あきたこまち弁当」など、商品名には含まれなくても、中身が実質的に幕の内弁当のものもある。
しかし、実際には、各地域・各業者ごとの個性があり、同じ幕の内弁当というものはひとつとしてないはず。例えば、秋田や新潟ではごはんがおいしかったり、焼き魚は東ではシャケ・西ではサワラが多かったり、静岡ではわさび漬けが添えられたり。
幕の内弁当も楽しいものなのだけど、駅弁大会や東京駅の弁当売店などでは、客の目を引くためか、ニーズに応えるためか、幕の内以外の弁当を売ってしまい、幕の内にはなかなかお目にかかれず、現地でしか買えない幕の内駅弁が多い。

あべちうの幕の内弁当は、名前同様、箱など外観もオーソドックスな駅弁の姿ながら、掛け紙はわんこきょうだいがデザインされていて、昔のものではないことになる。濡れおてふき付き(前も書いたけれど、駅弁のおてふき添付は東高西低傾向があると思う)。
あべちう幕の内弁当の中身
おかずとごはんのスペースが半々。
おかず区画
おかずは、原材料名欄の表記・順で鶏照焼、煮物、エビフライ、ポテトサラダ、鮭塩焼、枝豆と魚すり身揚、卵焼きなど。
中身もオーソドックスな幕の内ながら、照り焼きとエダマメ入りすり身揚げが特徴的。このすり身揚げは、以前食べたかにめしにも添えられていた。漬け物もかにめしと共通。

老舗の駅弁だけにおいしかった。照り焼きはいい味で、シャケはさほどしょっぱくなかった。
(上記と相反するようなことですが)強烈な個性はないけれど、手頃な量、コストパフォーマンスも含めて、こんな駅弁もアリだと思う。

以前も触れたように、盛岡からの田沢湖線は大雨の影響で1時間以上遅延。その車内で食べて空腹にならずに済み、その意味でも買ってよかった。
驚いたのは、盛岡から田沢湖線普通列車で秋田県内へ帰る人がかなり乗っていたこと。
雫石辺りまでは2両編成に立ち客がたくさん。それは想定内でも、仙岩峠を越える頃にはガラガラかと踏んでいたのに、田沢湖や角館までけっこうな人が乗っていた。盛岡へ通学する専門学校生・大学生などだろうか。車掌は通し乗務だったから、4両編成にしてもいいのでは?
だから、ボックスシートに陣取って駅弁を食べるのは気が引けて、ボックスとドアの間の短いロングシートでひっそりと包みを開いたのであった。

【2018年7月31日追記】2018年7月の土曜日に、再びこのダイヤに盛岡から大曲まで乗り通した。この時は遅延はなく、標準軌を豪快に飛ばす走りを楽しめた。土曜日だから乗客は総じて少ないが、岩手県内ではほぼ満席(=空席少々&立ち客少々)。盛岡から田沢湖まで乗り通す人もそれなりにいたし、田沢湖で30分近く停車した後の角館まで乗る人もわずかにいた(平日はもっといるはず)。普通列車本数は少ないが、地元の人たちの移動の需要は少なくないようだ。

※新型コロナウイルス感染症流行の影響もあるのか、あべちうは、2020年に廃業してしまった。一ノ関駅の立ち食いそば店もやめたとのこと。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする