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投票用紙

2017-10-20 00:37:49 | 秋田のいろいろ
突然衆議院が解散し、突然の選挙。
当人の政治家たちは別としても、振り回される政治家以外の人たちはごくろうさまです。
解散の気配が出てから公示までせいぜい2週間ほどで準備しないといけないものもある。ポスター掲示場などがそうだが、これは商売だし、日頃からストックはあるのだろう。でも、裁断・印刷や設置作業などはたいへんそう。
気の毒なのは、投票日と重なってしまって、前から決まっていたイベントを、1か月前になって変更させられたところ。秋田市内のとある私立幼稚園では、園が投票所になっているため、投票日に予定していたバザーを中止した。

秋田駅ぽぽろーどで期日前投票をしてきた。
期日前投票率は全国トップ(投票率全体ではそれほどでもない)の秋田県だけに、途切れることなく有権者が訪れていた。昨日時点では待ち時間はほぼゼロだったが、土曜日には行列ができそう。【22日追記】僕が投票した日の状況が秋田魁新報でレポートされており、それによれば朝の開場時点では、それなりの列ができていた。

期日前投票をして、これまでと投票用紙が違った気がした。たぶん。
前回までは、あらかじめ縦に折れ目【20日補足・完全に折れてはいない、軽い折り目】がついた、独特の感触・書き味の紙。折って投票しても、投票箱の中で勝手に開く、樹脂が混ざった用紙(「ユポ」という商品名らしい)。【20日追記】折っても戻る紙なのに、折り目があるってのも考えてみればヘン。交付係員が扱う発券機みたいなのから投票用紙が出てくるみたいだけど、その機械で折っているのだろうか。

今回は、折り目がない状態で渡されたので、「えっ! 自分で折って投票するの?」と戸惑った。こんな気持ちになったのは初めてだから、おそらく今回から変わったのだろう。
備え付けの鉛筆での書き味も、従来よりは普通の紙っぽく感じた。
投票用紙は折らなくても投票箱の口に入るサイズ。ひょっとしたら以前よりちょっと紙が小さくなったのかも。
【22日追記】投票用紙を折って投票すると、既に紙が開こうとして膨らんでいて、投票口に引っかかってしまうことがある。そうならないよう、あえて折らずに渡して、折らずに投票してもらう意図だろうか。でも、折らなければ、自分の直前に投票する人の内容が見えてしまったり、自分の記載内容を後ろの人に見られてしまう可能性もあり、プライバシーとは言わなくても、少々気まずい。それに、折れ目のない投票用紙を折るのは、新札を折る時のような、ちょっとした抵抗感を覚えた。投票が初めてもしくは経験が少ない若い人は、きっと折らずにそのまま投票してしまった人が多いことだろう。【24日追記】でも「投票の秘密(の保持)」ってのは、選挙の大切な原則のはず。

投票用紙は、県選挙管理委員会が県内共通で作って配るから、紙が変わったとすれば県の判断だろう。
突然の選挙でいつもの用紙が確保できなかったのか、それとも入札とかコスト対策とかの結果なのか。
従来は、折れ目も印刷の時点でついていたのだろうか。【20日追記】上の追記の通り、投票所で用紙が渡される時点で機械が折り目を付けているのかもしれない。【22日追記】秋田市で使っている、その機械の設定または機械そのものが変わったのかもしれない。

【26日追記・投票用紙を折るかどうかについて】コメント欄のやり取りにもあるように、ぽぽろーど投票所では、別の日にも折らずに交付していた。一方で、秋田市でも他の投票所では従来通り折って交付していたと、まちまちの模様。
選管が落ち着いた頃を見計らって、秋田市へ問い合わせてみたい。
【2018年2月1日追記】秋田市へ問い合わせたところ、ぽぽろーどのような投票者が多い投票所では、処理の都合上折らずに渡す場合が生じてしまうとのことだった。また、折ることで投票の秘密保持ができるのはその通りであり(つまり折らないでそのまま投票してほしいというわけではないと受け取れる)、今後はその周知にも努めていくとのこと。

26日付朝日新聞生活面の投稿欄「ひととき」に、東京都大田区の48歳の女性による「18歳の一票 初心大事に」が掲載されていた。
18歳の息子の初投票についての内容だが、
「「ちゃんと投票用紙は折って入れた?」と聞くと、「そのまんま入れた」。あらあら、それじゃあ他の人に見られちゃうじゃない」。」
という母子のやり取りがあった。
ということは、
・大田区の投票所では、折らずに交付している。
・お母さんは、投票の秘密保持の意味で、投票用紙は折って投票するものと認識している。
・息子は投票用紙を折るということを知らない。
ことになる。

ネットで調べると、投票する時に折るかどうかは相反する考え方があるらしい。
「折らなくても投票箱の口に入るから」「投票所の係員に『折らないで』と言われた(普通の紙を使ってるのか、昔の話?)」「開票作業時の効率を考えて折らない(同様に昔の話?)」など折らない派もいるし、上記の通り、投票の秘密の保持の点などから「折るのがマナー・作法」という声もあった。
折らずに交付すると「折って投票すること」自体を知らない人には、投票の秘密保持の点で不利益を被らせてしまうことになる。
折らずに交付するにしても、若者向けなどの選挙啓発活動の中で「折って投票することもできるんだよ」ということは教えたほうがいいと思う。

要はどっちでも大差ないのだけど。

【11月5日追記】京都市選挙管理委員会が主に若者をターゲットにしていると思われる、選挙広報・啓発サイト「選挙フレンズ」を運営していた。
その中の「投票ってどうするの? 投票の流れ(http://www2.city.kyoto.lg.jp/senkyo/senkyoFriends_html/touhyou/nagare.html)」のページに、「記入が完了したら、投票用紙を折って投票箱に入れます。」とあった。自動的に開く紙についての説明もあり、そこには「投票用紙に記入したあとは、二つ折りにして投票します。」
少なくとも京都市では、折ることを推奨していることになる。(以上追記)


ちなみに、秋田のどこかの民放のローカルニュースで、今回の投票用紙を印刷しているシーンが放映されていた。国立印刷局みたいな所で印刷するのかと漠然と思っていたのが、普通の印刷会社らしきところで印刷されていたのが、少々意外だった。(ネットの情報によれば、印刷には選管職員が立ち会い、不正がないよう厳格に管理しているそうだ。)



投票用紙といえば、今春の県知事選挙で疑問を呈した、県から各市町村への投票用紙発送の報道。
今回は10月6日に行われ、報道したのは秋田魁新報、秋田放送、NHK秋田放送局だけの模様。秋田テレビと秋田朝日放送の少なくともホームページにはアップされなかった。
前回を含む従来の選挙より扱いが小さい感じもするけれど、県選管オフィス内への予定表掲出は従来通りの扱い。今回は県議会最終日と重なるなど、他のニュースもあったので、順位が下がったのでしょう。

前回の疑問は、すべての市町村に対して県庁から発送するわけではなく、市町村のほうで県庁(またはその出先機関)に受け取りに来るところもあるらしく、報道ではその点があいまいにされていること。結論としては、今回もさほど変わらず。
NHK秋田は「発送された投票用紙は、6日中に県内すべての市町村の選挙管理委員会に渡されるということです。」のみで、前回とほぼ同じ。
前回、県庁で交付する自治体名(南秋田郡4町村)を挙げてくれた秋田放送は、「県庁で直接受け取る自治体も含めて6日中に県内25すべての市町村に届けられる予定です。」とやや簡素に。
前回そっけなかった魁は、「21市町村分の投票用紙の入った段ボール箱308個を4台のトラックに積み込んだ。五城目、八郎潟、井川、大潟の4町村には、県正庁で担当者に直接渡した。」と、まるでABSの代弁。【2021年4月11日追記】「県正庁」とは建物の名前ではなく、県庁本庁舎の中にあるメインの「部屋」の名前なんだそうだ。言葉を正確に受け取れば、その部屋で渡されたことになる。


前回は、積み込み作業に当たった県職員が23人であったが、マスコミによっては「県選管の職員」だったり「県選管と県市町村課の職員」だったりした。
今回はNHKでは「県選挙管理委員会の職員などおよそ30人」、ABSは「県選挙管理委員会の職員」、魁は「県選管事務局の職員や運送業者約30人」。
今回は枚数が多いから人数が増えるのは当然。映像を見ると、県職員と運送業者がいっしょに積み込み作業をしているが、従来の書き方だと、運送業者は人数としてカウントしていないように受け取れる。今回の魁では、運送業者も含めて「約30人」。トラック4台だから、少なくとも運送業者は4人はいたことになろう。

それから、前回は「県選管と県市町村課の職員」としていたところもあり、選管とは別部署である市町村課からも応援が出ているのかと思っていた。
ところが、今回の魁では、あいさつをした選管の事務方トップである「書記長」について、「県選管書記長の○○○○市町村課長」という肩書きにしていた。(テレビ2局は「書記長」の肩書き)

調べてみると、秋田県選挙管理委員会は、企画振興部 市町村課の中に設けられているらしい。
てっきり、人事委員会や教育委員会のような、部局から独立した機関であり、その書記長は部長級の偉い人だと思っていた(市町村の選管はそうなの?)。実際には、課の中にあって、課長が書記長を兼務しているということなのか。
じゃあ、積み込み作業に課員(というか兼務している形なのか?)が駆り出されても当然。


3社の報道に気になったのが、投票用紙の枚数。
ABSは「県内で使われる今回の衆議院選挙の投票用紙は、選挙区と比例代表を合わせて190万5240枚あります。」。

魁では「衆院選の投票用紙計285万7860枚を県内の市町村に発送した。」。
ABSより95万2620枚も多い!?
内訳は「投票用紙は小選挙区と比例代表がそれぞれ95万2620枚(予備含む)で、点字用1990枚が含まれる。選挙期間を通じて住民票がある市町村にいない船員の不在者投票用は130枚。」だって。
でも、95万2620枚×2種類=190万5240枚で、やっぱり合わないじゃないか!(文章が分かりにくいが点字用だけでなく、船員用も含まれていることになる)

お分かりかと思いますが、国民審査の投票用紙95万2620枚を加えると、数が合う。
NHKは「小選挙区と比例代表、それに最高裁判所裁判官の国民審査の投票用紙、あわせて285万7860枚が準備されました。」としている。
ABSはあえて国民審査分を文章でも数字でも抜いたことになり、辻褄は合うけれど、国民審査も選挙の1つであり、実際に国民審査分も発送されたのだから、事実のすべてを伝えていないことになる。
魁は、内訳まで詳しく書いているにも関わらず、国民審査をすっぽり抜かしてしまっている。国民審査という制度の存在を知らない(あるいは忘れている)人はいくら熱心に読んでも計算が合わず、悩むかもしれないから不親切。


秋田県外を調べてみたところ、基本的には秋田と変わらない状況であり、大したニュースバリューもなさそうなのに、報道されている。
10月18日のNHK名古屋放送局では、
「投票用紙を埼玉県の印刷工場で印刷しています。」
「18日は刷り上がった投票用紙、1406万5000枚余りが町と村を除く県内の自治体に発送され」
「18日夕方までに順次、投票用紙が配送される予定で、すでに投票用紙が配布されている町と村」などと報道。
秋田ではどこで印刷しているのかは不明だけど、愛知から埼玉とは遠い。
そしてやはり、愛知でも、市(名古屋市では区も含む?)と町村で、発送を分けている。全国的なそういう決まりがあるのだろうか。


【2019年3月14日追記】2019年4月27日投票の秋田県議会議員選挙の投票用紙発送が、3月12日に発送され、報道された。
確認できた限り、今回は「県内25市町村へ発送」といったあっさりとした表記。魁やABSも含めて、受け取りに来る自治体があることは触れていない。
選管書記長の肩書きは、魁では「○○○○書記長(県市町村課長)」。
コメント (7)
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