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どうなる? 交通公社前

2018-02-24 20:02:20 | 秋田の季節・風景
以前から触れているように、秋田市中央部・大町の竿燈大通りに「交通公社前」というバス停がある。
交通公社とは、旅行会社JTBのかつての名称。その店舗の前(※)にあるバス停で、一般路線バスの路線数も乗降客数も多く、空港リムジンバスも乗降を扱い(こちらはさほど利用者はいない)、運賃の境界でもあり、秋田市内の主要バス停。
※正確な位置は、秋田駅から来る下り側はバス停の1件隣がJTB。上りや中心市街地循環バス(片方向運行)は向かいのダイワロイネットホテル秋田の前。
市営バス時代に設置された接近表示付き大型標識(※)。今は単なる巨大な時刻表掲示場
※この自立式大型バスロケは、秋田市全体で交通公社前下りと次の大町二丁目の下りの2基しか設置されなかった【26日補足】(他のバス停では小型自立式が多数で、壁掛けや吊り下げが少し)。向かいの交通公社前上り側は、小型バスロケに似せた市営バス設置の電照式(接近表示は元から非対応)に加え、ポールが3本(循環バス・リムジン用も含む)も林立しており、見映えと分かりやすさの点から評判はイマイチ(この記事下方の「秋田魁新報に寄稿」のリンク先に画像あり)。

この「交通公社」という名前。市外・県外から来た人や若い人には、戸惑いつつも懐かしく感じるか、さっぱり分からないか、どちらかだろう。
企業名としては2001年に株式会社日本交通公社から株式会社ジェイティービーに変更されている(後に持ち株会社化されてさらに再編)。
ブランド名・愛称としての「JTB」は、それ以前から使われていたようで、現在のくねっとしたロゴマークに変わった1988年頃から徐々に浸透していったと思われる。

それ以前は、一般人は「交通公社」と呼ぶのが普通だったはずで、それがバス停名になったのはごく当たり前のことだったはず。
秋田市のこのバス停が「交通公社前」になったのは、1974年10月だったようだ。(それまでは「産業会館前(現・二丁目橋)」の分散設置されたバス停という位置づけだったらしい)

企業名としても完全に「交通公社」の名が消えてから17年、JTBが広まってからは30年になろうとしているのに、秋田市ではいまだに「交通公社前」というバス停が残っている。
2012年に、新入社員の時以来25年ぶりにJTB東北秋田支店長として赴任した人は、「(建物が当時と変わらないばかりか)「交通公社前」というバス停が残っていることにも驚かされた。私の入社したころの社名が「日本交通公社」であったことをあらためて実感した。」と秋田魁新報に寄稿していた。社員ですら、交通公社は過去のものなのだ。

秋田のバス会社や利用者としては「交通公社前」にさほどの違和感はないと思う(無意識にバス停と企業・店舗を区別しているのかもしれない)。
かつては秋田市交通局もあったし、(運賃境界かつ主要バス停なので)運賃表示器や各種表示や印刷物にも交通公社前の名が出るため、変更するとすれば調整や修正の手間や費用が大きいこと、名前が変わったといってもJTB自体は同じ場所にあるのだから、まあいいやという考えがあるのかもしれない。
しかし、それはよそから見れば“ゆでガエル”のごとく、改称するタイミングを逸してしまっているに過ぎないのかもしれない。


現在は、持ち株会社が「株式会社JTB」、秋田など東北地方で営業する企業が「株式会社JTB東北」。
交通公社前にあるのは、その「法人営業秋田支店」と「秋田店」というものらしい。
吹雪の中のJTB。左端が下りバス停
1階のパンフレットが並んで個人客が旅行相談するのが秋田店、法人営業秋田支店は2階にあって、修学旅行・団体旅行とか学会や会議の手配をやるようだ。(上記、支店長がどうこうというのは、法人営業のほうってことだろうか。)
個人客向けの店は、秋田市内ではほかに楢山のイオン秋田中央店と御所野のイオンモール秋田にもある(これらはかつては「JTBトラベランド」という、系列会社のブランドだったようだ)。


さて、現在、JTB秋田店のホームページに「閉店のお知らせ」が掲載されている。秋田店が3月12日で閉店するという。
形としては、イオン秋田中央店(「イオン秋田中央店」内の「JTBイオン秋田中央店」という意味)へ統合して、そちらを3月16日にリニューアルオープン。

イオン秋田中央店には、秋田サティとしてオープンした当初からJTBがあった。
今は、1階正面寄り、レストラン街と薬売り場の奥にある。
2月に入ってから、レストラン街の外寄り、正面玄関に向かって宝くじ小屋をはさんで左の狭い手動ドアを封鎖して、ディッパーダンのベンチを減らして囲って、改装工事が行われている。そこが新しいJTBになるらしい。

ネットで誰でもいつでも旅行の手配ができ、JR東日本の駅のびゅうプラザさえ廃止される店(駅)がある時代。最大手JTBの県庁所在地中心市街地の店舗も、必ずしも必要ではないということなのだろう。あと、恒例の疑問だけど跡はどうなるのか。
法人営業秋田支店のほうには、閉店の告知は掲載されていない。こちらは大町にあったほうが都合がいいだろうから、残るのかもしれない。【末尾の追記参照】

ということで、法人営業は残るのかもしれないが、個人が利用できるJTBは大町からなくなってしまうことになる。
じゃあ、「交通公社前」はどうしますか?
法人営業がまだあるのだから交通公社前を使い続けるという口実(?)もあり得るけれど、いい加減、潮時じゃないでしょうか。

【25日追記】青森市本町一丁目(駅から遠くなく、市街地・県庁・市役所近く)にあるJTB青森店も、2月26日で閉店(秋田と同じく、同居する法人営業部門は言及なし)し、イトーヨーカドー青森店内の「青森イトーヨーカドー店」に統合される。【28日追記】その他、全国各地でいくつかの店舗が2月から3月にかけて閉店する。

【3月2日追記】五能線・能代駅のびゅうプラザが3月末で閉店することになった。これにより、秋田県内のびゅうプラザは秋田駅と大曲駅だけになる(JR東日本秋田支社管内に広げてみても他には弘前駅だけ)。どこも旅行会社の窓口業務は縮小傾向にあるようだ。

【3月10日追記】3月10日付朝日新聞秋田版で報道された。
バス停は「川反入口」に改称されるという! 羽後交通は4月1日、中央交通は10月1日のそれぞれのダイヤ改正に合わせて変更。
半年間は事業者によって名称が異なることになるが、現在は市営バス時代の名残で(?)事業者共同のポールの扱いになっていて、羽後交通のポールは立っていないので、どうなるか。それに羽後交通と中央交通が共同運行する横手・湯沢方面の高速バスは運行会社で違うことになるのか。

また、JTBの建物は自社ビルながら、今後、法人営業秋田支店も「近くへの移転が決まっている」そうで、空いてしまう建物の利用は「未定」。
日本交通公社秋田支店として1969年7月オープン、1989年(ロゴ・ブランド変更から1年遅れってこと?)にJTB秋田支店になったとのこと。

【3月16日追記】公式サイトを見たら、いつの間にか法人営業秋田支店も移転していた。
旧店舗から竿燈大通りを2ブロック西へ進んだ、大町西交差点の角のオフィスビル「マニュライフプレイス秋田」の8階。(ビルについての以前の記事=リンク先末尾)
8階はおそらく最上階。客の来店がほとんど(?)ない支店だろうから、それでいいのだろう。

※閉店後は、シャッターが下ろされた状態。看板は早期に撤去されたが、シャッターのJTBロゴはしばらく残っていて、(遅くとも)竿燈まつりの時点ではロゴが塗りつぶされて白一色のシャッターになり、JTBの面影はなくなった。
さらに、竿燈終了後には足場が組まれ、建物解体が始まる模様。続きはこちら
コメント (46)
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