昨年、Googleマップで秋田中央交通の路線バスのルートや時刻が検索できるようになった。
便利になったのは間違いないが、運賃が表示されなかったり(JR利用分は表示される)、地図上でバス停の位置が分かりづらかったり、循環バスや郊外の子会社路線は表示されなかったり等々、改善の余地があるとも感じていた。
最近、「NAVITIME(ナビタイム)」というナビゲーションサービスの存在を知った。これがなかなか使いやすいのでご紹介。
※以下の使用方法や表示画面は、会員登録せずにパソコンでサイトにアクセスしたものです。会員登録した場合やスマホのアプリでは、別の内容になる可能性があります。
先にNAVITIMEの欠点を挙げてしまおう。
広告が多くて重かったり、地図上(あるいはGPS)で地点を指定できなかったり、会員登録しないと鉄道とバスを組み合わせての検索ができないといった点。これらはGoogleマップのほうが優位。【9日訂正】地図上で場所を指定して検索することはNAVITIMEでもできた。ゼンリンの地図なので、バス停名称が最初から地図に表示されたり、日本的な見やすいデザインだったりして、Googleよりいいかも。
しかし、総合的に考えて「バスだけ」を調べたいのなら、NAVITIMEはとても優れている。
真っ先に挙げるべき点は、(秋田に限らず)地方のバス会社の多くに対応している点。自治体が運行主体であるコミュニティーバスにもけっこう対応している。
秋田県内では、秋田中央交通が2016年、羽後交通が2017年、秋北バスが今年初めと、主要バス事業者すべてに対応。秋田中央交通の子会社が受託運行する、秋田市と周辺のコミュニティーバス(「秋田県マイタウンバス」と称しているが公式な呼称ではない)も対応。
※秋田市中心市街地循環バス「ぐるる」も対応。秋田市内で中央交通系以外が受託するエリアのコミュニティーバスは非対応。
青森の弘南バスも昨年から対応。
NAVITIMEトップページ(部分)
トップページの最初の状態では、鉄道を検索する画面なので、まずは赤丸で囲んだ「バス乗換」をクリックして切り替える。
出発地と到着地の箱に乗降するバス停の名称を入力する。これは正確な(=システムに登録されている)バス停名称でないとエラーになるが、入力するに従って、候補のリストが表示される。でも、「県庁前」みたいな全国各地にあるバス停では、目的のバス停がリストに含まれないこともあり、複雑。
「外旭川」まで入力したところ
停留所名は先頭一致でないとならないので、例えば「秋田県庁前」なのか「県庁前」なのか分からないと、たどり着けない。「秋田市西部市民サービスセンター」でも「新屋案内所」でもエラーになり、あくまでもバス停名の「西部サービスセンター」でないといけない。
茶色い線を境に上下2画面を合成
秋田県庁から県立秋田中央高校へ行く場合、上段のような入力ではエラーになる。
特に難関だったのが「長崎屋バスターミナル」。
「秋田長崎屋バスターミナル」
同じページで検索する高速バス対応なんだろうけど、頭に秋田が付くとは。
ただし、近くに別路線のバス停がある場合、そこから歩くように検索結果で指示される(後述)ので、長崎屋も「旭北錦町」で検索して発見できた。
エラーまたは検索結果が出た後の画面(上の長崎屋の画像)では、都道府県を指定してバス停名を検索することもできるものの、その結果には指定した県以外のものも表示されるので、あまり意味はなさそう。
Googleの時もやってみた、基本的に最低1度は乗り換えが必要な、外旭川市営住宅前から西部(市民)サービスセンターまでを検索。
検索結果一覧(この下に詳しいバス停名や時間・運賃が表示される)
上記の通り、Googleと違ってJRと組み合わせたものは表示されないが、バスどうしの乗り換えであれば、Googleとほぼ同じ結果になる模様。神田線から新屋線に通町で乗り換えるのと、歩いて新国道へ出て高野二区、山王十字路で新屋西線に乗り換えるものが表示された。
なんといっても、運賃が分かり、比較できるのが便利。運賃は新国道~新屋西線のほうが安いことが分かる。
個人的に画期的だと思うのが、羽後交通の運賃が分かること。
羽後交通ではホームページでは限られた主要区間の運賃しか分からないばかりか、車内にもデジタルや液晶の運賃表示器がいまだに設置されておらず、運転席の後ろに掲出された紙の運賃表(三角表)を見なければならない車が多く、乗り慣れない者にとっては敷居が高い。(小銭の準備が心配。仮にICカードが使えれば、軽減されるけど)
秋田駅と茨島~新屋の間では、中央交通の新屋線と羽後交通の急行本荘線が競合している。共同運行などではなく、あくまで競合している形のようだから、運賃設定も別。
近年は新屋線の減便も著しく少し不便になり、毎回中央交通に乗ってやる義理もない。たまには羽後交通にも…と頭をよぎっても、運賃が分かりにくいことがネックで、羽後交通のバスをやり過ごすこともあった。
NAVITIMEで、秋田駅西口から美術大学前までを検索。
結果一覧。所要時間と運賃が違う2つが出た
1番が中央交通新屋線、2番が羽後交通。この区間では羽後交通が30円安い。
中央交通と羽後交通で運賃が違うのは、値上げしたタイミングが羽後交通のほうが先で、秋田市内区間は中央交通を意識(?)して初乗り150円の低廉にしたものの、後で中央交通も値上げしてそれを上回ってしまい、羽後交通はそのまますえ置いている結果のはず。
この沿線で、場所は同じながら、中央交通では「ハローワーク秋田前」、羽後交通では「茨島」と名称が異なるバス停がある。
秋田駅西口からハローワーク秋田前で検索すると、
羽後交通も表示された。これが一覧の下に表示される詳細
羽後交通「茨島」から「徒歩0分」で「ハローワーク秋田前」という結果になった。なお、運賃は羽後交通は270円、新屋線では290円。
ということで、NAVITIMEがあれば、秋田市内の羽後交通も乗りやすくなる、かな。
ちなみに、前述の通りバス停名は正確でないといけない。似たようなバス停が全国各地にあるものでは、強引にルートが提示されてしまうことがある。
弘前市の市立第三中学校前と弘前大学農学生命科学部前にそれぞれ、弘南バスのバス停がある。
弘南バスでは「○○中学校前」をバス停にする時、全国的に見れば変わった略し方をしていて「三中校前」となる。また、後者は「弘大農学生命科学部前」なのだが、かつては農学部だったし、頭に「弘大」が付くのか付かないのか、「弘前大学」が付くのではないかなど、知らないと正式なバス停名は見当をつけにくい。
三中校前から弘大農学生命科学部前(1区間なので、実際にバスに乗る人はいないだろうけど)
もしも、正式名称を間違えて「第三中」から「農学部前」と入れて検索したら…
大阪の第三中学校前から、香川の農学部前まで!
途中に高速バスも含まれるのだけど、「路線バス乗り継ぎ旅」並み。
もう少し融通を利かせた、あいまい(部分一致)検索ができればいいのに。
NAVITIMEには、上記2バス停間のルート検索以外の機能もある。
Googleマップに印と線を付けただけながら、路線図も見られるし、最初の検索画面の「バス時刻表を見る」からは、各バス停ごとの時刻表を表示できる。
ハローワーク秋田前の秋田駅方面時刻表(一部)
中央交通では、公式サイトでもバス停の掲示でも見られない、1時間ごとに何本あるかが直感的に分かりやすいスタイルの時刻表が見られるのは便利。
上記のハローワーク前では、中央交通の駅方面行きであれば、新屋線も茨島環状線も1枚で生成される(文字色が違うのは系統番号の違い)。ほかにも神田線と添川線など、別路線ながら同じルートの秋田駅行きは、基本的にはまとめて表示される。
しかし、イオン秋田中央店前などでは、御野場団地線と大住団地線は1枚にまとまっているのに、同じルートの卸町経由新屋線は別の表になってしまう(新屋線では上下方向が逆に設定されている?)。
データを提供する中央交通側の事情なのか、データ化するNAVITIME側の事情なのか分からないけれど。
バス会社のホームページでは、紙の時刻表と同じものだけを掲載し(それはそれでいいのだけど)ているところもあれば、自前で時刻検索システムを提供しているところも少なくないが、使い勝手に難があったり、維持費もかかるだろう。自治体などがわざわざ税金を使って検索システムを提供する場合もある。いずれにしても、それぞれで操作方法やデザインが統一されておらず、戸惑うこともある。
いっそ、NAVITIMEに丸投げ(いい意味で)してしまって、各バス会社のサイトからリンクするというのも、手ではないでしょうか。
なんでもかんでもGoogle一辺倒は好ましくはないし、NAVITIMEに期待したい。
便利になったのは間違いないが、運賃が表示されなかったり(JR利用分は表示される)、地図上でバス停の位置が分かりづらかったり、循環バスや郊外の子会社路線は表示されなかったり等々、改善の余地があるとも感じていた。
最近、「NAVITIME(ナビタイム)」というナビゲーションサービスの存在を知った。これがなかなか使いやすいのでご紹介。
※以下の使用方法や表示画面は、会員登録せずにパソコンでサイトにアクセスしたものです。会員登録した場合やスマホのアプリでは、別の内容になる可能性があります。
先にNAVITIMEの欠点を挙げてしまおう。
広告が多くて重かったり、
しかし、総合的に考えて「バスだけ」を調べたいのなら、NAVITIMEはとても優れている。
真っ先に挙げるべき点は、(秋田に限らず)地方のバス会社の多くに対応している点。自治体が運行主体であるコミュニティーバスにもけっこう対応している。
秋田県内では、秋田中央交通が2016年、羽後交通が2017年、秋北バスが今年初めと、主要バス事業者すべてに対応。秋田中央交通の子会社が受託運行する、秋田市と周辺のコミュニティーバス(「秋田県マイタウンバス」と称しているが公式な呼称ではない)も対応。
※秋田市中心市街地循環バス「ぐるる」も対応。秋田市内で中央交通系以外が受託するエリアのコミュニティーバスは非対応。
青森の弘南バスも昨年から対応。
NAVITIMEトップページ(部分)
トップページの最初の状態では、鉄道を検索する画面なので、まずは赤丸で囲んだ「バス乗換」をクリックして切り替える。
出発地と到着地の箱に乗降するバス停の名称を入力する。これは正確な(=システムに登録されている)バス停名称でないとエラーになるが、入力するに従って、候補のリストが表示される。でも、「県庁前」みたいな全国各地にあるバス停では、目的のバス停がリストに含まれないこともあり、複雑。
「外旭川」まで入力したところ
停留所名は先頭一致でないとならないので、例えば「秋田県庁前」なのか「県庁前」なのか分からないと、たどり着けない。「秋田市西部市民サービスセンター」でも「新屋案内所」でもエラーになり、あくまでもバス停名の「西部サービスセンター」でないといけない。
茶色い線を境に上下2画面を合成
秋田県庁から県立秋田中央高校へ行く場合、上段のような入力ではエラーになる。
特に難関だったのが「長崎屋バスターミナル」。
「秋田長崎屋バスターミナル」
同じページで検索する高速バス対応なんだろうけど、頭に秋田が付くとは。
ただし、近くに別路線のバス停がある場合、そこから歩くように検索結果で指示される(後述)ので、長崎屋も「旭北錦町」で検索して発見できた。
エラーまたは検索結果が出た後の画面(上の長崎屋の画像)では、都道府県を指定してバス停名を検索することもできるものの、その結果には指定した県以外のものも表示されるので、あまり意味はなさそう。
Googleの時もやってみた、基本的に最低1度は乗り換えが必要な、外旭川市営住宅前から西部(市民)サービスセンターまでを検索。
検索結果一覧(この下に詳しいバス停名や時間・運賃が表示される)
上記の通り、Googleと違ってJRと組み合わせたものは表示されないが、バスどうしの乗り換えであれば、Googleとほぼ同じ結果になる模様。神田線から新屋線に通町で乗り換えるのと、歩いて新国道へ出て高野二区、山王十字路で新屋西線に乗り換えるものが表示された。
なんといっても、運賃が分かり、比較できるのが便利。運賃は新国道~新屋西線のほうが安いことが分かる。
個人的に画期的だと思うのが、羽後交通の運賃が分かること。
羽後交通ではホームページでは限られた主要区間の運賃しか分からないばかりか、車内にもデジタルや液晶の運賃表示器がいまだに設置されておらず、運転席の後ろに掲出された紙の運賃表(三角表)を見なければならない車が多く、乗り慣れない者にとっては敷居が高い。(小銭の準備が心配。仮にICカードが使えれば、軽減されるけど)
秋田駅と茨島~新屋の間では、中央交通の新屋線と羽後交通の急行本荘線が競合している。共同運行などではなく、あくまで競合している形のようだから、運賃設定も別。
近年は新屋線の減便も著しく少し不便になり、毎回中央交通に乗ってやる義理もない。たまには羽後交通にも…と頭をよぎっても、運賃が分かりにくいことがネックで、羽後交通のバスをやり過ごすこともあった。
NAVITIMEで、秋田駅西口から美術大学前までを検索。
結果一覧。所要時間と運賃が違う2つが出た
1番が中央交通新屋線、2番が羽後交通。この区間では羽後交通が30円安い。
中央交通と羽後交通で運賃が違うのは、値上げしたタイミングが羽後交通のほうが先で、秋田市内区間は中央交通を意識(?)して初乗り150円の低廉にしたものの、後で中央交通も値上げしてそれを上回ってしまい、羽後交通はそのまますえ置いている結果のはず。
この沿線で、場所は同じながら、中央交通では「ハローワーク秋田前」、羽後交通では「茨島」と名称が異なるバス停がある。
秋田駅西口からハローワーク秋田前で検索すると、
羽後交通も表示された。これが一覧の下に表示される詳細
羽後交通「茨島」から「徒歩0分」で「ハローワーク秋田前」という結果になった。なお、運賃は羽後交通は270円、新屋線では290円。
ということで、NAVITIMEがあれば、秋田市内の羽後交通も乗りやすくなる、かな。
ちなみに、前述の通りバス停名は正確でないといけない。似たようなバス停が全国各地にあるものでは、強引にルートが提示されてしまうことがある。
弘前市の市立第三中学校前と弘前大学農学生命科学部前にそれぞれ、弘南バスのバス停がある。
弘南バスでは「○○中学校前」をバス停にする時、全国的に見れば変わった略し方をしていて「三中校前」となる。また、後者は「弘大農学生命科学部前」なのだが、かつては農学部だったし、頭に「弘大」が付くのか付かないのか、「弘前大学」が付くのではないかなど、知らないと正式なバス停名は見当をつけにくい。
三中校前から弘大農学生命科学部前(1区間なので、実際にバスに乗る人はいないだろうけど)
もしも、正式名称を間違えて「第三中」から「農学部前」と入れて検索したら…
大阪の第三中学校前から、香川の農学部前まで!
途中に高速バスも含まれるのだけど、「路線バス乗り継ぎ旅」並み。
もう少し融通を利かせた、あいまい(部分一致)検索ができればいいのに。
NAVITIMEには、上記2バス停間のルート検索以外の機能もある。
Googleマップに印と線を付けただけながら、路線図も見られるし、最初の検索画面の「バス時刻表を見る」からは、各バス停ごとの時刻表を表示できる。
ハローワーク秋田前の秋田駅方面時刻表(一部)
中央交通では、公式サイトでもバス停の掲示でも見られない、1時間ごとに何本あるかが直感的に分かりやすいスタイルの時刻表が見られるのは便利。
上記のハローワーク前では、中央交通の駅方面行きであれば、新屋線も茨島環状線も1枚で生成される(文字色が違うのは系統番号の違い)。ほかにも神田線と添川線など、別路線ながら同じルートの秋田駅行きは、基本的にはまとめて表示される。
しかし、イオン秋田中央店前などでは、御野場団地線と大住団地線は1枚にまとまっているのに、同じルートの卸町経由新屋線は別の表になってしまう(新屋線では上下方向が逆に設定されている?)。
データを提供する中央交通側の事情なのか、データ化するNAVITIME側の事情なのか分からないけれど。
バス会社のホームページでは、紙の時刻表と同じものだけを掲載し(それはそれでいいのだけど)ているところもあれば、自前で時刻検索システムを提供しているところも少なくないが、使い勝手に難があったり、維持費もかかるだろう。自治体などがわざわざ税金を使って検索システムを提供する場合もある。いずれにしても、それぞれで操作方法やデザインが統一されておらず、戸惑うこともある。
いっそ、NAVITIMEに丸投げ(いい意味で)してしまって、各バス会社のサイトからリンクするというのも、手ではないでしょうか。
なんでもかんでもGoogle一辺倒は好ましくはないし、NAVITIMEに期待したい。