先日好評を頂いた(?)マンホールの蓋(フタ)の続き。
今回は、秋田市にあるべくしてあるけれど、ちょっと珍しいもの。
ちなみに、マンホールは人が入るから“マン”ホールで、人が入れない小さいもの(前回の象潟町のような)は手を入れるから「ハンドホール」と呼ぶらしい。でも、ここではあまり区別せずマンホールとします。
さて、秋田市の絵入り蓋といえば、マンホールカードにも採用された竿燈2本が描かれたデザイン。「秋田市 マンホール」などで画像検索してもこれが圧倒的多数。加えて、今年から土崎地区の港まつりバージョンも登場して、カードにもなった。
しかし、秋田市の絵入り蓋は、この2つだけではない。
まず、ここでは取り上げないが、いずれは消えていくであろう、合併前の旧・雄和町、河辺町のものがある。
そして、(雄和・河辺でない)以前から秋田市のエリアでたまに見るもの。
「秋田市」の文字はないけど、中央に市章
大きいサイズの蓋で、同心円で内側がハンドホールサイズに区切られている。
こういう見かけで、小さい部分だけも開閉できる、「親子蓋」というタイプの蓋もあるが、これはそうではなく、単にデザイン上、区切られているだけのようだ。
この図柄で、ハンドホールサイズのものとか、大きくいっぱいに描かれたものは見たことがなく、このバージョンしかなさそう。※その後、別の蓋を発見。
内側の円は、中心に秋田市章、その周囲を5輪の花が囲む。秋田市の花のサツキのようだ。
下には「水道局」の文字。外側の円は、「水」をモチーフにしたと思われる模様。
比較的新しそうな蓋だが、「水道局」つまり秋田市水道局は、2005年に下水道部を吸収して秋田市上下水道局となったので、それ以前の設置と考えられる。
ということは、このマンホールの下には、下水管でなく上水道の管か何かが埋まっていると思われる。
秋田市中央部を見る限り、下水道のマンホールと比べて、この上水道のマンホールはかなり少数派。
一般に、上水道用のマンホールというのは多くないそうなので、そういうもののようだ。
この蓋、前回取り上げた、埼玉県三郷市の蓋と、デザインとしては共通性がある。
(再掲)サツキの花が5輪
また、旧・雄和町の蓋は、町章を中心に似たような花が8輪描かれるが、こちらは町の花だったツツジ。
もう1つ、厳密にはマンホールではないものの、それなりに見かけるのに、あまり紹介されないもの。小さいハンドホールサイズのみ。
葉っぱ?
市章を中心に秋田名物・アキタブキ(秋田蕗)が取り囲む。
茎(葉柄)付きの葉6枚が目立つが、外周にも半分の葉が6枚、さらに市章からはふきのとうも6本となかなかにぎやか。凹凸が増えて滑り止め効果はあるかも。
なお、秋田県の花が「フキのとう」。秋田蕗は秋田市内でも栽培されている。
これは「公共汚水桝」と呼ばれる、各建物と下水道の接続部に設置されるものの蓋。ここから外が上下水道局管轄となり、道路際の民地に設置されるのが原則のようだ。
秋田市中央部では、公共汚水桝の半分弱程度がこの蓋といった感じ。残りは、凹凸模様の中央に市章だけの金属やプラスチックの蓋。
サツキとフキ、秋田を象徴する2つの植物の蓋だけど、今後は消えていく蓋かもしれない。
上下水道局になった今、上水道のマンホールの蓋が新たに設置されるとすれば、そのデザインはどうなるのだろう。下水と同じデザインというのは、イメージ的にどうかという気もするけど。
汚水桝のほうは、プラスチック製に代わっている。
秋田市郊外で見つけた蓋。
まったく初見の図柄
山と川と田んぼがあって、ホタルが光っているデザイン。
「秋田市集排」と書かれている。市章はなし。
調べてみると、「農業集落排水事業」のマンホールの蓋ということらしい。
農業集落排水事業とは、要は郊外の下水道。農林水産省管轄。余談だが、土地によっては水産庁管轄の「漁業集落~」や林野庁管轄の「林業集落~」も存在するとのこと。
「公共下水道」は市街地の汚水を処理するもので、国土交通省管轄。
秋田市では、どちらも上下水道局が担当しているらしい。
以上が、図柄入りの蓋。
マンホールカードは公共下水道だけが対象のようだから、上水道や集落排水の蓋は対象外なんだろうし、汚水桝はそもそもマンホールとは違うから、カードにはできないのだろうけど、こんな蓋も秋田市にはあります。
以下、汎用の蓋。
秋田市の古めの下水道のマンホール2種。大きさは同じかな
最近設置されるものでは省略されている、外周の蓋を受けるほうのデザインが違って、どちらもなんか豪華。
蓋本体は、「汚水」の文字、クモの巣状の線や円の配置が異なる。
下水道のマンホールに表示される自治体のマークは、市章そのものでなく、「下水」をモチーフにした「下水構え」というデザインで市章を取り囲んでいる自治体があり、秋田市でもそうなっている。上の2つもそう。
2017年頃設置の新しいマンホール2つ。製造時に貼られたのか白いシールも見える
上の写真右が、例の竿燈の蓋(無着色版)。中央には、下水構え付き市章。
左は、汎用デザインなのに新しいという、珍しいもの。上の古いのと比べると、水抜き穴がある(受け側もない)。
その中央部は、下水構えがない、市章だけ!
ということは、隣り合っているけれど、右は下水道ながら、左は下水道でない何かのマンホールということになろう。
電線とか融雪用とかの場合もあるけれど、この設置場所では該当しなさそう。それこそ上水道なのか、農業用水・排水とかだろうか。
それから、
無印!
何もマークがないバージョン。同じ道路の中で線状に複数設置されていて、まとまって設置されたことになる。おそらく1985年頃の設置か。
市章入りのマンホールの手配が間に合わなかったのか、あるいは県道に設置されているので、もしかしたら秋田県章入りを作ることができなかったのか。ということで何のマンホールか分からない。
最後。まさに消えゆく蓋。
秋田市北部でまれにある
秋田市章入りはいいとして、その下「秋田市ガス局」。
秋田市民でも、知らない人、忘れてしまった人も多そうだけど、かつて秋田市では都市ガス事業「秋田市営ガス」も行なっていた。市営バスではなくガス。
元は旧・土崎港町の町営ガスだったものを、1941年の合併時に秋田市が引き継いだ。その経緯から、秋田市の北部を営業(供給)エリアとし、南のほうは民間の東部瓦斯(東部ガス)が受け持っていた。
最終的には、おおむね新国道より西側かつ、山王大通りより北側が市営ガスエリア(つまり秋田市役所本庁舎はギリギリ市営ガス)であった。【23日説明不足だったので追記】新国道より東側でも、土崎地区はもちろん市営ガス。新国道以東は草生津川が境目かな?【11月16日追加】さらに東・奥羽本線を越えた外旭川地区では、草生津川より南側でも市営ガスだった。
しかも、市営ガスと東部ガスで、供給されるガスの種類が異なり、秋田市内で引っ越す場合でも、ガス器具の交換や調整が必要な場合があった。
やがて、都市ガスの種類を全国で統一することになったものの、その費用負担、さらに当時の「民間でできることは民間に」という流れの中で、2001年春をもって、秋田市ガス局を閉局・東部ガスへ事業譲渡することになった。
移管から17年経った現在、土崎地区を歩いてみると、マンホールは「東部ガス」に交換されてしまっているものが多い。
栓か何かが入っているような、とても小さい蓋は、秋田市章入りのものが多く残っていて、かつて市営ガスエリアだったことを知らせてくれるのだが、上の写真のような大きい秋田市ガス局の蓋は、とても少なくなっている。
今回は、秋田市にあるべくしてあるけれど、ちょっと珍しいもの。
ちなみに、マンホールは人が入るから“マン”ホールで、人が入れない小さいもの(前回の象潟町のような)は手を入れるから「ハンドホール」と呼ぶらしい。でも、ここではあまり区別せずマンホールとします。
さて、秋田市の絵入り蓋といえば、マンホールカードにも採用された竿燈2本が描かれたデザイン。「秋田市 マンホール」などで画像検索してもこれが圧倒的多数。加えて、今年から土崎地区の港まつりバージョンも登場して、カードにもなった。
しかし、秋田市の絵入り蓋は、この2つだけではない。
まず、ここでは取り上げないが、いずれは消えていくであろう、合併前の旧・雄和町、河辺町のものがある。
そして、(雄和・河辺でない)以前から秋田市のエリアでたまに見るもの。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/84/6850b7b17c3833eedc65b98591014525.jpg)
大きいサイズの蓋で、同心円で内側がハンドホールサイズに区切られている。
こういう見かけで、小さい部分だけも開閉できる、「親子蓋」というタイプの蓋もあるが、これはそうではなく、単にデザイン上、区切られているだけのようだ。
この図柄で、ハンドホールサイズのものとか、大きくいっぱいに描かれたものは見たことがなく、このバージョンしかなさそう。※その後、別の蓋を発見。
内側の円は、中心に秋田市章、その周囲を5輪の花が囲む。秋田市の花のサツキのようだ。
下には「水道局」の文字。外側の円は、「水」をモチーフにしたと思われる模様。
比較的新しそうな蓋だが、「水道局」つまり秋田市水道局は、2005年に下水道部を吸収して秋田市上下水道局となったので、それ以前の設置と考えられる。
ということは、このマンホールの下には、下水管でなく上水道の管か何かが埋まっていると思われる。
秋田市中央部を見る限り、下水道のマンホールと比べて、この上水道のマンホールはかなり少数派。
一般に、上水道用のマンホールというのは多くないそうなので、そういうもののようだ。
この蓋、前回取り上げた、埼玉県三郷市の蓋と、デザインとしては共通性がある。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/9f/a50a7c21759eb317c88b976b2cefdd49.jpg)
また、旧・雄和町の蓋は、町章を中心に似たような花が8輪描かれるが、こちらは町の花だったツツジ。
もう1つ、厳密にはマンホールではないものの、それなりに見かけるのに、あまり紹介されないもの。小さいハンドホールサイズのみ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/a8/24e29babe845b880b020774fc10f904b.jpg)
市章を中心に秋田名物・アキタブキ(秋田蕗)が取り囲む。
茎(葉柄)付きの葉6枚が目立つが、外周にも半分の葉が6枚、さらに市章からはふきのとうも6本となかなかにぎやか。凹凸が増えて滑り止め効果はあるかも。
なお、秋田県の花が「フキのとう」。秋田蕗は秋田市内でも栽培されている。
これは「公共汚水桝」と呼ばれる、各建物と下水道の接続部に設置されるものの蓋。ここから外が上下水道局管轄となり、道路際の民地に設置されるのが原則のようだ。
秋田市中央部では、公共汚水桝の半分弱程度がこの蓋といった感じ。残りは、凹凸模様の中央に市章だけの金属やプラスチックの蓋。
サツキとフキ、秋田を象徴する2つの植物の蓋だけど、今後は消えていく蓋かもしれない。
上下水道局になった今、上水道のマンホールの蓋が新たに設置されるとすれば、そのデザインはどうなるのだろう。下水と同じデザインというのは、イメージ的にどうかという気もするけど。
汚水桝のほうは、プラスチック製に代わっている。
秋田市郊外で見つけた蓋。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/f5/01cfc6abcdb42c0505f3f76f694108be.jpg)
山と川と田んぼがあって、ホタルが光っているデザイン。
「秋田市集排」と書かれている。市章はなし。
調べてみると、「農業集落排水事業」のマンホールの蓋ということらしい。
農業集落排水事業とは、要は郊外の下水道。農林水産省管轄。余談だが、土地によっては水産庁管轄の「漁業集落~」や林野庁管轄の「林業集落~」も存在するとのこと。
「公共下水道」は市街地の汚水を処理するもので、国土交通省管轄。
秋田市では、どちらも上下水道局が担当しているらしい。
以上が、図柄入りの蓋。
マンホールカードは公共下水道だけが対象のようだから、上水道や集落排水の蓋は対象外なんだろうし、汚水桝はそもそもマンホールとは違うから、カードにはできないのだろうけど、こんな蓋も秋田市にはあります。
以下、汎用の蓋。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/51/9452722a6f573c0d3c89e7c5ae70d099.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/59/3e491455b45aada8724fb685fd8022bf.jpg)
最近設置されるものでは省略されている、外周の蓋を受けるほうのデザインが違って、どちらもなんか豪華。
蓋本体は、「汚水」の文字、クモの巣状の線や円の配置が異なる。
下水道のマンホールに表示される自治体のマークは、市章そのものでなく、「下水」をモチーフにした「下水構え」というデザインで市章を取り囲んでいる自治体があり、秋田市でもそうなっている。上の2つもそう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/06/70a1784d44a9ce1508ad4e3ac2c4410c.jpg)
上の写真右が、例の竿燈の蓋(無着色版)。中央には、下水構え付き市章。
左は、汎用デザインなのに新しいという、珍しいもの。上の古いのと比べると、水抜き穴がある(受け側もない)。
その中央部は、下水構えがない、市章だけ!
ということは、隣り合っているけれど、右は下水道ながら、左は下水道でない何かのマンホールということになろう。
電線とか融雪用とかの場合もあるけれど、この設置場所では該当しなさそう。それこそ上水道なのか、農業用水・排水とかだろうか。
それから、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/f8/fb5acac9ee3f31702ae2c43791bc906d.jpg)
何もマークがないバージョン。同じ道路の中で線状に複数設置されていて、まとまって設置されたことになる。おそらく1985年頃の設置か。
市章入りのマンホールの手配が間に合わなかったのか、あるいは県道に設置されているので、もしかしたら秋田県章入りを作ることができなかったのか。ということで何のマンホールか分からない。
最後。まさに消えゆく蓋。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/7b/59886d8f53431d011ae2d96c81d3d18f.jpg)
秋田市章入りはいいとして、その下「秋田市ガス局」。
秋田市民でも、知らない人、忘れてしまった人も多そうだけど、かつて秋田市では都市ガス事業「秋田市営ガス」も行なっていた。市営バスではなくガス。
元は旧・土崎港町の町営ガスだったものを、1941年の合併時に秋田市が引き継いだ。その経緯から、秋田市の北部を営業(供給)エリアとし、南のほうは民間の東部瓦斯(東部ガス)が受け持っていた。
最終的には、おおむね新国道より西側かつ、山王大通りより北側が市営ガスエリア(つまり秋田市役所本庁舎はギリギリ市営ガス)であった。【23日説明不足だったので追記】新国道より東側でも、土崎地区はもちろん市営ガス。新国道以東は草生津川が境目かな?【11月16日追加】さらに東・奥羽本線を越えた外旭川地区では、草生津川より南側でも市営ガスだった。
しかも、市営ガスと東部ガスで、供給されるガスの種類が異なり、秋田市内で引っ越す場合でも、ガス器具の交換や調整が必要な場合があった。
やがて、都市ガスの種類を全国で統一することになったものの、その費用負担、さらに当時の「民間でできることは民間に」という流れの中で、2001年春をもって、秋田市ガス局を閉局・東部ガスへ事業譲渡することになった。
移管から17年経った現在、土崎地区を歩いてみると、マンホールは「東部ガス」に交換されてしまっているものが多い。
栓か何かが入っているような、とても小さい蓋は、秋田市章入りのものが多く残っていて、かつて市営ガスエリアだったことを知らせてくれるのだが、上の写真のような大きい秋田市ガス局の蓋は、とても少なくなっている。