広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

牛島~卸町の道

2019-05-07 20:17:22 | 秋田の地理
2019年3月末に秋田市内に新たに開通した市道が2つある。寺内~野村は紹介済み。
もう1つが、3月29日正午に開通した「秋田環状線 牛島駅前工区」。
開通区間は660メートル(うち238メートルは2017年3月から先行して供用)。幅員16メートル(寺内の道路は18メートル)、総事業費17億円。
この道路は、国道13号線の跨線橋の下・羽越本線羽後牛島駅前(西側)と猿田川対岸の卸町を結ぶ。
従来のこの一帯の道路はどれも狭く、卸町側の猿田川の橋も小さなものだった。そこに道ができるとは驚いた。近辺の道路を拡張する計画は漠然と知っていたが、てっきり国道13号から線路沿いに雄物川堤防方向へつながるのかと思っていた。
地理院地図に加筆。緑色の太い線が大ざっぱな新しい道路の経路
※上の地形図の通り、厳密には異なりますが、多くの秋田市民の感覚として、羽越本線は南北方向・国道13号は東西方向に通っているととらえるので、以下、それを基準に方位を示すこととします。
【10日追記】5月10日現在、Googleマップでは既に新しい道路が描かれている。ストリートビューは未対応。

秋田南中学校の南側、愛宕下橋周辺の道路が2010年に開通していた。その道は、秋田銀行牛島支店前の交差点で牛島商店街の旧国道と交わり、国道13号線をくぐるところまで、広い幅になっていた。
その先、狭くなった先が羽後牛島駅。
再掲)2017年道路着工前の羽後牛島駅西側
以前は、狭い道路がL字型に曲がる角から、若干奥まった位置に羽後牛島のロータリーや建物(厳密には駅舎ではない)がある配置。駅の真ん前には道路が来ていなかった。さらにその南側は、空き地のようになっていたが、南側へ通り抜けることもできたようで、そちらへ歩いていく駅利用客も見かけた。

以下、開通後。
L字角付近から国道13号方向。少し広くなって歩道がついた
上の写真で道路右(向かい)側で建設工事をしているが、工場か何かのようだ。前の歩道は未供用。このすぐ裏が線路。場所的に店ができてもいいと思うが、その気配はない。
向かい側から。背後が駅
↑ここが従来L字だった角。丁字路になって横断歩道ができた。横断歩道よりこちら側は、まったく新しい道路。

上の地形図で、秋田銀行牛島支店前からこのL字角の間だけ、道路が黄色くなっている。これはここが県道であることを示す。秋田県道162号線という、わずか300メートルの路線。
以前は、L字角に起点を示す黄色い表示が立っていたのだが、この工事の影響なのか、今は見当たらない(秋銀向かいの終点側はあり)。県道が延長されるようなことでもあるのだろうか。
【10日追記】さっそく開通に対応したGoogleマップでは、この先、新規開通区間の既存の道との交差点まで、県道162号線として描かれている。でも、Googleマップの情報はアテにならないこともあるから…

新丁字路から羽後牛島駅・新しい道路方向
駅前のスペースは減ったが、それでも車が入って待機できる場所はある。
だいぶ風景が変わったかな。それとも以前から殺風景だったからそれほどでもないか。
この付近では、道路計画が古くからあったためか、今回の工事に伴う建物の解体はほとんどなかったようだ。ただ、駅の建物の前にあった、大きなケヤキがなくなってしまった。道路建設には直接関係はないはずだけど。JR東日本管轄の駐車場は位置が変わったようだ。
2018年8月。ケヤキの切り株。年輪はよく分からなかった
【2025年2月23日追記】アマチュアカメラマン・越前谷国治氏が「約60年前」に撮影した秋田市内の写真の1つに、羽後牛島駅前のものがああった。駅前広場は舗装されておらず、ケヤキもなかった。ということで、1965頃以降に植樹されたことになる。

逆光ですがケヤキがなくなった駅前と新しい道路

新しい道路を進む。沿道はこれといった建物もなく、殺風景。
これまでは見られなかった、南側からの羽後牛島駅

左に線路、沿道の建物はまばら
道路は一直線でなく緩くカーブしている。さらに若干の高低差もあり、駅の南でわずかに盛り上がっている。「太鼓橋」としては大げさだけど不思議なアップダウン。一見、見通しはいいが、通行注意&横断注意。

やがて既存の道路と交わる。
交差点。奥が羽後牛島駅方向、太平山が見える
交わるのは駅前のL字を曲がって、さらにもう1度曲がった道。北側は国道13号~回生会病院の前、南側が御鷹野橋~茨島~雄物川方面。交わる角度は直角ではなく、羽後牛島駅側から来ると、御鷹野橋方向がわずかに左カーブして「直進」する構造。新しい道の卸町方向へは「右折」となる。
今回の開通により、冒頭の地図赤い「×」の位置に車止めが置かれて、回生会病院・13号線交差点方向への車の出入りができなくなった(そのため実質丁字路というかY字路というか三叉路)。なお、車止め内側から国道・回生会病院方向へは出入り可能。
車止めの向こうはこんなに狭い道だった
従来から、カーブした狭い道を国道へ抜ける車が少なくなかったので、ここを封鎖して、新しい道へ誘導するのだろう。
車止め側から。左が羽後牛島駅前、右が卸町
信号機はなく、狭い箇所もあり、車の進路はまちまちで、ここも少々危なっかしい。通行注意。


さらに進んで、2017年に開通していた区間へ。住宅が多いので、移転したものも多そう。以前はとても狭い道で、通り抜けで使う人も少なかったはず。
「かんば保育園」の横(本工事で、駐車場の一部と園庭が影響を受けたと思われる)で、
猿田川を渡る橋
小さい川だから短いが、2017年3月にできた立派な橋。以前は…
2015年9月撮影Googleストリートビューより
上の画像左側が車道。右の木製のほうは歩行者用だったが、むしろ車用より立派かも。歩行者用は2003年に架けられたそうだ。
太平川の横金線・桜大橋のすぐ上流にかかる歩道橋(こいのぼりがかかる所)と、サイズもデザインもよく似ているが、高欄(欄干)の手すりは、猿田川のほうがちょっと立派だった。

この橋の名は「開中道二号橋」。読みは、
「ひらきなかみちにごうきょう」
「はし」でなく「きょう」と読ませるのが珍しい。本荘の由利橋は「ゆりきょう」が一般化しているが、正式には「ゆりはし」。
ただし、農村部の水路に架かるような、ごく短い橋には、秋田市では「地名+○号橋」と命名しているものが散見される(現地に表示はなく、書類上の名前が多そう)。

「開」というのはこの辺が、かつては開拓された水田だったからということらしい。「中道」は何だろう?
250メートル上流には市道の「開中道一号橋」、450メートル下流には国道13号線の「開橋」もある。

当ブログの2010年の記事に、先代二号橋が写りこんでいた。
(再掲)上流側の岸から

(再掲)開中道一号橋から

Googleストーリービューでは「タイムマシン機能」を使って、拡幅前の道路~先代二号橋も見られる。ただし、多くの区間で新旧道路・橋の位置(撮影車の走行位置?)が微妙にずれいてるらしく、過去のストリートビューにたどりつくのに苦労する。
橋のたもとの交わる道側など、新旧で位置が変わっていないポイントを見つけ、そこで過去のストリートビューを表示させ、そこから動かしていくと、以前の道路・橋に入っていくことができる。“タイムトラベル”のためのコツ。

橋を渡れば、
卸町・卸団地の中へ
卸町側は、以前から広くなっていた道につながり、卸団地内へ入る。さらに直進すれば、卸団地入口交差点(コジマ角)の通りや古川添交差点の通りを越え、新国道のハローワーク秋田入り口の交差点につながる。
卸町側から牛島側を見る

この区間の開通により、新屋方面と楢山・秋田駅方面などの行きでは、混雑箇所である茨島交差点~古川添交差点、もしくは13号線を通ること自体を避けることが可能になった。
でも、13号線を介さない行き来は、もともと少ないせいか、寺内~野村の道よりは交通量は少なそう。

ところでこの「市道秋田環状線」というのも、外旭川新川線と同じく昭和29年に計画されている。
7キロに及ぶルートは、新国道・新川向交差点~千秋トンネル~市民市場前~楢山~卸町~新国道(ハローワーク入口?)と、秋田市中央部を半周する形。
細かい経路は不明だが、報道によれば、未開通は東通明田-楢山の700メートルで、着工のめどはない。南中前の狭い区間のことかとも思ったが、そこは200メートルほどだから違いそう。

※コメント欄の通り、2021年には沿道にローソンができた。
コメント (4)
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