広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

マリーナ→ミルフェ/あんパイ

2021-02-08 19:07:12 | 各地お土産・食べ物
秋田市の2店のお菓子について。
「秋田マリーナ」の名前が変わって、リニューアルしたことを知った。港湾施設じゃなく、その名を借りた、「菓子舗 榮太楼」のお菓子のほうですよ(2015年に紹介)。リニューアル後の写真は公式サイト等を見ていただくとして、情報のみ。
(再掲)リニューアル前
リニューアルについてのいちばん古い情報は2020年12月22日。
公式サイトには「秋田マリーナが味わいそのままに【秋田ミルフェ】にリニューアル! ※パッケージと商品サイズが変更になっております」「およそ2.7cm×7.5cm」で250円。以前より少し長くなった白い袋に入る。
秋田マリーナ時代のサイズは「9×3×2.5センチ」との情報があり、価格は180円ほどだった。若干、値上げかな。

ミルフィーユでなく「ミルフェ」は聞き慣れないが、秋田マリーナ時代もシールでは「秋田マリーナ(ミルフェパイ」と表記されていた。
「ミルフェ」というフランス語はないそうで和製語っぽいが、函館の五島軒でもチョココーティングでない「ミルフェ」を作っていて【9日追記・村上開新堂という店(今も東京や京都に同名店があるが、商品は違っている雰囲気)が、明治後期にミルフェの名で売り出したことがWikipediaには出ている】、日本の洋菓子業界ではある程度使う名前なのか。【8日補足・ちょっと秋田弁っぽい響きもあるような】
また、秋田マリーナよりも昔は「ミルフェパイ」という名称で発売されていた、との不確かな情報もあり、榮太楼としての伝統みたいなのもあるのかも。

秋田マリーナ時代もそうだったようで知らなかったが、通年でなく期間限定発売らしい。夏は溶けやすいからね。
秋田マリーナのイメージがある人は、「秋田ミルフェ」の名にも、白い袋(ホワイトチョコレートを連想する)にも、戸惑うに違いない。もう少し宣伝してもいいのでは。

※この手のチョコがけミルフィーユを、ブルボンでも発売していた。この記事後半。



秋田マリーナ当時の記事でも触れた、お菓子のネーミングのこと。
チョコがけミルフィーユを「秋田マリーナ」と名付ける意図というかセンスというかは、理解できない。実力=おいしさがあって、多くの客に定着はしたが、「名は体を表わ」してはいない。
せっかく定着したのを変えてしまうのはもったいない気もしなくはないけれど。

ほかにも、全国的に同じような例は見られる。
ブルボンのお菓子は全般にそうだし、お菓子じゃないけどフォントワークスの書体名も。名前と商品が結び付けられずに、いつも苦労する。僕はエリーゼとアルフォートとスーラ以外は即答できない。
秋田市のお菓子で最近食べたものから1つ。あえて中身から。
平べったい円形のパイ風

中は白っぽいあんこ
その名は…
秋田 赤れんが館 426kcal
通町の「勝月(しょうげつ)」のお菓子。
ちなみに、赤れんが館のすぐ隣には「かおる堂」があり、その次に近い菓子店が勝月。【8日追記・かつては榮太楼大町店もあったが、閉店。】

「登録銘菓」とあるが、商標登録してある菓子という意味で、菓子業界ではわりと使う表現らしい。
中は白あん系だが、杏やみかんも使われていて、ホームページでは「あんずの香り豊かな白あん」となっているが、気付かなかった…

袋の絵の通り、明治に建てられて元秋田銀行であった「秋田市立赤れんが郷土館」からの命名。
ホームページでは「明治の香りを今に伝える洋風建築「赤れんが館」をお菓子に映してみました。」としている。「形/見た目」や「原料/味」由来の名じゃなく、その点はブルボンの多くのお菓子とも同じか。
例えば形を四角くしてレンガっぽくするとかもできたかも。



ところで、やはり秋田市内の菓子店「杉山壽山堂」にもこれとほぼ同じお菓子がある。焼色が少し薄く、中は普通の白あんかな。袋は色違いがあるが、中身は同じらしい。
その名は「秋田ロマンス」。

由来は歌の曲名。曲名としては「秋田・ロマンス」表記が正当。
1989年の秋田市制施行100周年に向けて、1988年に作られた歌(過去の記事)。
ホームページでは「曲の持つ、爽やかでロマンあふれるイメージをパイ生地と白餡で表現しました。」。これも理解し難い。

【8日追記】このような「あんこ入り円形パイ」のご当地銘菓は、全国に無数にあり、全部名前が違うことだろう。新宿中村屋「うすあわせ」など。それらを趣味で収集・調査する人なんていないだろうか。みうらじゅん氏とかやりそう?! ブッセ、ゴーフル、ホイル焼きなども同じことだけど、あんこパイがいちばん多い気がする。【9日追記】サブレーはもっと多いかもしれないけど、たいてい「○○サブレ」という商品名なので、サブレーであることだけは容易に分かる。


こういう商品で気になるのは、関係各方面への了解や許諾はどうなっているのだろう。「プロパティライセンス」的なもの。赤れんが館は、正式呼称ではないがそれを指すのは明白だから、秋田市役所と、もう無関係かもしれないけど秋田銀行。秋田ロマンスなら秋田市役所と作者(JASRACとか)。秋田マリーナなら、あれって県管轄?(「マリーナ秋田株式会社」なる3セクが指定管理者になっている?)
秋田マリーナは1995年にできたが、その頃を最後に、このような公共のモノに由来したお菓子はないような気がする。「セリオン」「アルヴェ」「なかいち」みたいなのはないはず。
秋田県のマスコットだった「スギッチ」は、条件や手続きを経て商品化されていた。「JR東日本商品化許諾済」表示の商品は全国的によくある。国鉄時代はそもそも同様の商品の数は多くはなかったが、そんな表示はなかったはず。
ライセンスやデザインに対する考え方が、時代で変化したということはある。そのほかにも、ハコモノなど公共事業がいい目で見られなくなったり、お菓子の命名にも流行りがあったりするのかも。

※現在は販売終了してしまった、2001年の秋田のお菓子とネーミングについて
コメント (8)
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