麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

文学座の美しきもの

2011年02月20日 | 鑑賞
 劇団文学座が上演中の
『美しきものの伝説』は、
宮本研の代表作のひとつで、
初演は、この座に書き下ろされたもの。

 大正元年から八年を描き、
大杉栄、伊藤野枝、島村抱月ら
煌めく実在人物達が活躍する群像劇だ。

「43年前に文学座で初演され
劇団のエポック・メイキングになった作品を、
(中略)初演時代の配役年齢に近い
中堅から若手の俳優たちと」
創ろうとした、と演出(西川信廣)は
パンフレットに書いている。

 劇中、大衆におもねるのか
芸術に突き進むのかが、
まさに語られるのだが……。

 50年の歴史を超す老舗劇団群の
創作の有り方に様々な意見がある中、
当事者の代表格である文学座が
清々しいキャスティングで『美しき~』を
上演した意欲には頭が下がった。
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フォーサムの蝿取り紙

2011年02月20日 | 鑑賞
 劇団フォーサムは、
下北沢演劇祭が毎年公募している
「世田谷区民演劇上演グループ」から
派生した劇団の中で、
最も成功している集団である。

 毎回、良い作品を選び、
丁寧な舞台創りで楽しませてくれるが
11回目の公演となる
『蝿取り紙』も良質な二時間を
提供してくれた。

 さて演劇は、舞台と客席が一体となって
昇華される芸術だが。

 普段お芝居を見慣れていない
フォーサムの観客のストレートな反応が
役者を助ける場面がしばしばある。

 また筋の確認を隣同士ひそひそ話す
微笑ましくも温かな行動が
劇場全体に良い空気をもたらしてもいる。

 演劇の原点が、そこにはあるのだ!

 継続していく困難は大きいと思うけれど
着実な展開をこれからも期待している。
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