劇団俳優座No.343『火の殉難』
作/古川健、演出/川口啓史
於/俳優座5階稽古場
時/2020年11月6日~22日(全16回)
「わしは運のいい人間だ」と
キャッチコピーを打った公演は、
実際「運の良い」まま、明日千秋楽だ。
前回の弊ブログ(17日火曜付)で、
〈残る6ステージのうちお席があるのは
土日の2日のみになっております〉と
書いたそばから、その2ステージも完売
COVID-19第三波の情勢下にありながら
多くの方々に「チケットがありません」と
謝らずを得ず、動画配信やDVD&Blu-rayでの
鑑賞を勧めることは心苦しいとともに、
有難い悲鳴でもあるのです。
それから公演期間中、一度も雨がなく、
もちろん芝居の前か後ろにパラついて、
傘をお持ちのお客様がいた回はあったけれど、
二週間と少し、お湿りなしで終わりそうである。
下の一葉は19日のアフタートーク。
出演女優揃い踏みの座談会。
顔ぶれは劇団代表の岩崎加根子以下
平田朝音、山本順子、坪井木の実、
そして今回が初舞台の井口稀乃の五名。
また、この日は初めて東京の感染者数が
500人を超えた日でもあった。
家と劇場の往復の二週間超は、
朝早く出て、深夜帰宅の日々で
「今」が実感しづらい部分もあったが…
19日の夜深く、池袋西口公園で
夜行バスを待つ若者たちは<Go To>に
旅立つ前から盛り上がっていたりいた。
かと思えば、その前日の夜
地下街に続く出入口のある路上で
ヘベレケの年輩の男女数人を見かけた。
ニュースで示される円グラフの、
家庭内感染の比率が高いのも知ってはいる。
けれど
繁華街の光景と家が繋がっていないはずはない。
そして歴史も繋がっている。
政治家のたたずまいのこと、
家族の営みのこと、世界とこの国のこと……
『火の殉難』はそんなあれやこれやを
決して声高ではなく客席に届ける舞台。
繰り返しになるけれど。
明日、千秋楽。チケットは完売。
配信とDVD&Blu-rayはまだ大丈夫。
詳細は劇団HPで。
https://haiyuza.net/performance-2-2/junnan/