タカ長のタカの渡り観察

タカが好き、山が好き、花が好き、心はいつも旅もよう。日々移ろいゆく心もようを綴るナチュラリストのつぶやきです。

恵みの雨

2011年10月14日 | 日々雑感
山をゆっくりと歩くことは案外難しいことなのです

 雨になりました。タカ長にとっては恵みの雨です。

 公民館やタカ長たちのグループの室内例会で話すためのスライドづくりが出来るからです。このようなパソコン相手の「内勤」は晴れた日にはしたくありません。山やらタカやら、晴れた日には晴れた日にしたいことがあります。そのため内勤仕事はついつい後回しになって、、、、、。その遅れを取り戻すためには雨の日も必要なのです。

          

 タカ長が言うまでもないことですが、山歩きをすることは健康維持のためにとても良いことなのです。いわゆる団塊世代の大量定年を迎え、山の世界に足を踏み入れる人も多いはずです。タカ長のグループにも多くの人が入会されました。

 私たちのグループでは山歩きの初歩的なことは指導しています。しかし、多くの人はどこのグループにも属さないで、誰からも指導されないで、それぞれの山歩きをされています。また、山歩きをしたいけど何をどのようにしてよいのか分からないので、その入り口で戸惑っておられる人も多いはずです。

 公民館でのレクチャーはそのような人を想定しています。

 山に行きたいけど「きつい」から行けない。「疲れるから」良いことだと分かっていても山の世界に踏み込めない。そのように考える人が多いはずです。

 確かに山を歩くことは「きつい」ことですが、タカ長に言わせればきつくなる歩き方をするからきついのだ」と言うことになります。

 詳しい説明はここでは出来ませんが、上の図の点線より乳酸がふえない歩き方をすれば、山歩きはそれほどきついものではないのです。そのときのスピードは登山の経験の有無などで違います。ここにあるATとは「マイペース」のことだと理解されて良いのですが、初心者ほどマイペースといいながら早く歩きすぎて、最終的にはばてているのです。それを示すのがX印です。

 一番左の、遅いスピードでもグラフの線が急上昇するのが初心者。右の二人はヒマラヤ登山級のベテランで、その間がいわゆる「登山経験者」です。乳酸を点線以下に抑えることのできるスピードはヒマラヤ登山級の人は初心者の倍近く早くなっています。このデータはトレッドミルの上で取られたものですから足元は平坦ですが、実際の山道は不整地です。その上を歩くには技術もいりますから、実際の山道ではベテランと初心者では倍以上の差が出てくるはずです。マイペースとひと口に言っても年齢や登山経験の有無でそのスピードは違うのです。

            

 実際の山では測定器をつけて歩くわけではないので、「きつい」とか「かなりきつい」とか言った主観的なことが重要なものさしになります。脈拍数も私たちの年齢では120くらいまでに抑えれば、楽とは言いませんが苦しい思いをしないで山を歩くことが出来るのです。

 口で言えば簡単なことですが、、、、本当に簡単なことですが、、、、、

 山をゆっくり歩くことは簡単なことではないのです。山の初心者にゆっくり歩くことを教えることは簡単ではないのです。

 山歩きに出発する前初心者の人は「皆についてゆけるだろうか」と言う不安をもたれるのが普通です。しかし、実際にその初心者を自由に歩かせると間違いなく早く歩きます。

 その結果、きつい思いをして、疲れて山に行くのが嫌になる、、、、と言うことになります。
 
 優秀な登山ガイドとは参加者が「こんなにゆっくり歩いて大丈夫なのだろうか?」と思うくらいゆっくり歩き、しかし、最後にはちゃんと帳尻をあわすことができるガイドなのです。

 いまツアー登山が盛んでいろいろな「登山ガイド」がリードしていますが、そのようなガイドが出来るガイドは多くない、とタカ長は見ています。一応ゼニを取っているプロのガイドでも10人が10人出来ないのが「ゆっくり歩くこと」なのです。それくらい難しいことなのです。


 山をゆっくり歩くことが出来るようになってはじめて登山者として一人前だ、と言っても過言ではありません。

 公民館でのレクチャーではそのことを訴えるのがひとつのテーマなのです。