古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

新版  東京漂流    藤原新也

2020-06-27 18:12:01 | 藤原新也
新潮文庫

野犬有明フェリータを毒団子で殺す。なんのために殺すのだ

ろうか、わからないが、社会全体がフェリータを殺してしまった

のだ、という見解に沿うと、我々は知らず知らずのうちに誰か

を殺してしまっているのかもしれない。死に追いやってしまっ

ているのは、他でもないボク自身なのかもしれない、という

呪縛にとらわれる。

でも、肉団子に毒が入っているということも、人間の100万

倍の嗅覚があるのに気づかない、アホな野犬も野犬なのだ。

死んでゆく者に憐憫をもった瞬間に、こっち側があっち側にな

っているかもしれない、という恐怖。

突如、なんらかの力で打ち切りになったという伝説の企画、

東京漂流。

ザ・デイ・アフターは、ボクとしては、なかった方がよかったので

はないか、と思うのだが、東京漂流という作品のもつ力の効果

が薄れてしまった気がするのがなんとなく残念だった……合掌。






















































 
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台湾 韓国 香港 逍遙游記   藤原新也

2019-09-15 09:15:03 | 藤原新也
朝日文庫    昭和62年



昭和62年の初版本で読んだが、保存状態もよく、ストレスなく読めた。


この人の文体には、旅と似たものを感じるのであるが、それは、ただ読ん


でいるだけで風を感じ、その土地の空気が感じられるところではないか


と思うのだが。


有吉弘行という人は、その昔、電波少年で旅をした人であるが、いおうと


思っていたのはそのことではない。有吉さんという人は本を読んでも、中

身を全く理解していないというのだ。ただ字面を追っているだけだ、他の


ことを考えている、というのを受けデラックスさんが、読書家に多いタイプ


だねえ、と言うから、そんなわけねえだろ!、とりあえずテレビの前でツッコ


ミを入れておいた。ホントに何も考えないで会話をしているのがよく分かる。


けど、その有吉さんの感覚がこの人なら分かりそうに思うのだ、字面だけ、


気づくと追っていて、それがまた心地良いのである。


まあ、中身が全く分かってないんじゃ、読む意味ないよなあ、ホント、トホホであるな


……合掌。




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印度放浪     藤原新也

2018-02-21 19:58:28 | 藤原新也
朝日文庫。


読むことが気持ちよくなってくるような文章。


死んだ女のひとが流れてきた、っていうはなしは驚愕の一言。


文化というモノを語っているのだが、それが文学的で、すごく面白い。



全体がひとつのフィルムのようで、すごいドキュメントを一本見た、という


重い覚悟が残る。


とにかく文章はうまいですね。


旅青春論の原典として静かに読み継がれてきた藤原新也の処女作合本(帯より)
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