第十二回芥川賞 昭和十五年 下半期
源内が思い違いで子弟を切り殺し、腹を切ろうとするが
獄に入れられてしまう。その時の腹の傷が破傷風にな
って、詩の境をさまよっているところを、杉田玄白に
手術され、助けられる。そのまま、田舎の死体とすり
替えて、源内は死んだことになる。のち獄を出て、富
士のふもとを耕し、飢饉や厄病を六年、援助のコメの
代わりに人を助け、耕し続ける。ある日、隠し子の話
を聞くも、会いにはいかず、身を粉にして働き、玄白
に会う顔を作るために頑張る源内であった……。
源内が思い違いで子弟を切り殺し、腹を切ろうとするが
獄に入れられてしまう。その時の腹の傷が破傷風にな
って、詩の境をさまよっているところを、杉田玄白に
手術され、助けられる。そのまま、田舎の死体とすり
替えて、源内は死んだことになる。のち獄を出て、富
士のふもとを耕し、飢饉や厄病を六年、援助のコメの
代わりに人を助け、耕し続ける。ある日、隠し子の話
を聞くも、会いにはいかず、身を粉にして働き、玄白
に会う顔を作るために頑張る源内であった……。