昭和22年六月号「三田文学」
体験されているだけにその文字の迫力が
ぜんぜん違う……放射能で原氏はやられ
たのかもしれないけれど、気の弱い人だ
ったらいってしまうだろう。よくても、
病んでしまってもおかしくはない。ものす
ごい傷と言うチープになってしまった言葉
では言い表せないものを負ってしまったの
だ。そして、妻の死と相成り、原民喜氏は
不幸な死を選ばざるを得なかったのだろう。
今は、円光寺の墓地の隅っこで、静かに眠
っている。
体験されているだけにその文字の迫力が
ぜんぜん違う……放射能で原氏はやられ
たのかもしれないけれど、気の弱い人だ
ったらいってしまうだろう。よくても、
病んでしまってもおかしくはない。ものす
ごい傷と言うチープになってしまった言葉
では言い表せないものを負ってしまったの
だ。そして、妻の死と相成り、原民喜氏は
不幸な死を選ばざるを得なかったのだろう。
今は、円光寺の墓地の隅っこで、静かに眠
っている。