CHAPTER 7
「私」は構内の茂みに青白く光るものを見る。それは生首なのだが、
アポロンのように美青年であった。青年と少年の間とある。
この掌篇が今までのベストだ。イメージの飛躍があって、ぶっとんで
いる。生首を水盆において、植物のように育てるのだが、そこから
花が咲いて、実を付けて「私」は食っちゃうんだぜ。それも、あんまり
うまくないらしい。種も取れて、その栽培に夢中になるあまり透という
生首の前でセックスするような仲だったのに、捨てられちゃう。
この女の狂気を描いてるんだと思う。......合掌。