古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

前進するために     鶴岡卓哉

2023-02-01 16:49:31 | 詩・ポエム

前進するのは誰でも怖い

 

暗闇を進むのは、とても怖いものだ

 

しかし前進しなければ

 

我々に明日は来ないのだ

 

あの娘の言ったことを

 

噛み締めるのだ

 

我々は夢にもう少しで到達するという

 

予言めいた言葉を

 

羊の前で祈るのだ......処女の血

 

宗教を蹴散らすことは不可能

 

誹るのだ......ボク等の生きる道を照らせ

 

まるで最後の日のように

 

踊り、食べ、酔うのだ

 

思い出せ......行軍するのだ

 

我々には望みはそこにしかない

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百年の孤独     G・ガルシア=マルケス

2023-02-01 05:59:42 | 小説の紹介

鼓 直・訳   新潮社   1972年

 

30年前から読むのを切望していて、ようやく、古本で

 

手ごろな価格で手に入れることができて、読むことが叶っ

 

た。

 

昨年の12月半ばから読み始めて、約一か月かけて、ちま

 

ちまと読みすすめた。長大なホセ・アルカディオ・ブエン

 

ディーアとアウレリャーノ・セグンドに続く一族の歴史を描く。

 

ここで問題にしたいのが視点のことだ。この作品は昔風の書き

 

方で書かれているとはいえ、すべてが、等間隔で見つめられてい

 

るように思えた。豚の尻尾が生えてくることも土を食べる女のは

 

なしもすべてだ。それは、ちょっと狂気のような視点じゃないかと

 

思う。このはなし自体が、バカげていて、実にけったいなはなしに

 

満ち満ちていることを鑑みて、それは当然のことのようにも思える。

 

天才は狂っているもんだ、とも捉えられる。日本人には絶対に書けえ

 

ない魔術的な文体、めくるめくイメージの奔流に、酔うことしばし、

 

極上の読書体験となりえたのではないか。

 

      (読了日 2023年1・11(水) 21:07)

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